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日経記事;"東芝、米IBMのPOS端末事業買収 700億円前後"考察

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皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

4月17日付の日経新聞に、『東芝、米IBMのPOS端末事業買収 700億円前後』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『東芝は今夏をメドに子会社を通じ、米IBMからスーパーなど流通業向けの情報端末事業を買収する。買収額は700億円前後となる見通し。

IBMは商品の販売情報を管理する店舗用端末で世界首位。国内首位の東芝は買収により、米ウォルマート・ストアーズなどIBMの主要顧客のほかインドなど成長市場の販路を獲得する。

流通業は大量の販売データを分析し、仕入れなどに役立てている。端末を押さえることで巨大な情報サービス市場を取り込む。

IBMから買収するのはレジなどのPOS(販売時点情報管理)端末事業。店舗で売れた商品名や時間、数量などのデータを集め、販売動向の分析や商品開発などに役立てるシステムだ。

東証1部上場の子会社である東芝テックが買収する。自己資金のほか一部は銀行からの借入金などで賄うもよう。世界各国の独禁法当局の審査を経て、今年夏までに買収を完了したい考えだ。

英調査会社によると2010年のPOS端末の世界市場は1億3800万台で、12年は前年比12%増を見込む。IBMは22%の世界シェアを握り首位。

ウオルマートのほか、トイザラスなどグローバル企業を顧客に持つほか、インドなどの新興国に販路を広げている。

東芝テックのPOSシステム事業は日本国内が中心で、世界シェアは7%と4位。ただシステム構築サービスを含めた関連売上高は約1700億円で、端末販売が中心のIBMを上回る。

東芝はPOSシステムを軸に世界でクラウド事業を強化する。POS端末で収集したデータを販売動向の分析に活用するだけでなく、来店客の属性や購買履歴などに応じPOS端末からクーポンを発行するといった機能を加えていく。

IBMの顧客基盤を引き継ぎ、国や地域の特性に合わせた情報処理サービスを提供し事業を伸ばしていく。

IBMは03年にハードディスク駆動装置(HDD)事業を日立製作所に、05年にパソコン事業を中国レノボ・グループに売却。07年にデジタル印刷技術をリコーに譲渡した。ソフト・サービス事業へ経営資源を集中する「脱ハード戦略」を進めており、POS端末事業もこの一環とみられる。

東芝は11年に官民ファンドの産業革新機構と共同でスイスのスマートメーター大手、ランディス・ギアを約1900億円で買収した。

ネットにつながる様々な情報の出入り口となる端末世界規模で押え、クラウド事業を強化する戦略だ。』

POSシステムは、店舗が商品を販売した時点で売上として管理するシステムで、記事にありますように世界中で1億3800万台の市場規模になっています。

通常、POSシステムはインターネットにつながっており、ネット経由でコンピュータに接続して、販売情報を瞬時に更新し、顧客の販売履歴も随時更新できます。店舗によっては、POSシステムで処理した時に顧客にその場で買い物ポイント還元クーポンを発行するなどのサービスを提供しています。

在庫管理や物流データの更新にも利用され、最適な在庫・物流システムの維持運営にも有効な情報提供機器となっています。

記事にありますように、米ウォルマート・ストアーズなどの流通業は大量の販売データを分析し、仕入れなどに役立てています。店舗運営業者にとってPOSシステムは必要で且つ価値あるものですので、今後、先進国だけでなく新興国などの新市場でも導入が進みます。

IBMは、グローバル企業を顧客に持っていますので、東芝は今回の買収でIBMの事業基盤をそのまま継承できると同時に、世界市場で29%のシェアとなり、ナンバーワンの座を獲得できます。

東芝は、クラウド事業を環境と並ぶ事業の柱と想定しています。環境事業の柱の一つとなるスマートグリッドの構築には、既に買収したランディ・ギアが持つスマートメーターとクラウドシステムが必要です。

POSシステム事業の強化は、クラウド事業強化と密接に関連し、両事業を相乗効果で高めることが可能です。

東芝にとって、環境事業を支えるITインフラがクラウドになります。東芝にとっては価値ある買収であり、IT事業と環境事業をそれぞれ強化しながら、環境事業を支えるIT基盤の強化につながります。

東芝は、国内電機メーカーの中でいち早く日立と並んで「集中と選択」を進めています。現在までのところ、その方向性と実行内容は一貫性が取れているとみます。今後も東芝の動きに注目していきます。

集中と選択の観点からみますと、IBMはソフトウエア事業への経営資源集中を加速しており、ハード事業を売却してもソフト事業の拡大で売上を伸ばしています。IBMは、国内企業を大幅に上回る速度でソフトウエア専業会社に移行しています。

国内家電メーカーは、自社の強みを再確認して、その強みを最大化できる事業分野に経営資源を集中して、早期に専業化する必要があります。

また、どの事業を行うにしても、ITは必須事業となります。ITを前面に出して事業化するだけでなく、他の主要事業を支えるプラットフォームとして使うためです。

上記東芝の環境事業を支えるクラウドが良い事例となります。パナソニックは家庭向環境事業に集中化しようとしています。ソニーも平井社長のもと、集中化する事業分野を発表しました。

環境やスマホ市場は今後伸びていきます。この成長市場に軸足を置くのは経営の基本ですが、自社の強みを最大化して、他社と差別化・差異化を図れるかが勝ち残るための必要条件となります。

パナソニックやソニーも東芝のように経営資源の集中化を加速して、他社を凌駕しないと勝ち残れません。両社の動きも注目しています。


よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 

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