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日経記事;"日産が中国全土に供給網 大連に工場、年20万台"考察

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皆様、
こんにちは。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

4月13日付の日経新聞に、『日産が中国全土に供給網 大連に工場、年20万台』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『日産自動車は300億円強を投じ、中国の遼寧省大連市に乗用車の新工場を建設する。年産能力は20万台で2014年に稼働する予定。

中国で4カ所目となる工場を東北部につくることで、多くの車種を全国の主要都市に効率良く供給できる体制を整える。

世界最大市場の中国で先行する独フォルクスワーゲン(VW)と米ゼネラルモーターズ(GM)を追い上げる。

日産は現在、中国で年約100万台の生産能力を持ち、トヨタ自動車やホンダを上回る。15年に200万台強に倍増し、販売シェアを現状の約6%から10%に引き上げる目標を掲げる。生産拠点のなかった東北部への進出で、目標達成を狙う。

大連工場は日産の中国合弁会社、東風汽車(湖北省武漢市)を通じて建設する。投資額は300~400億円の見通しで、中国政府に認可を申請した。

中国で需要の伸びている多目的スポーツ車(SUV)の「ムラーノ」や「エクストレイル」を生産する予定。

中国ではVWとGMが2強。地域ごとに中核となる合弁工場があり、エンジン生産拠点を含めるとVWは5カ所、GMは7カ所の工場を持つ。

3番手の座をめぐっては、韓国の現代自動車と激しく争っている。現代の生産能力は傘下の起亜自動車との合計で103万台。これを173万台にまで引き上げる計画を表明している。

中国政府は日米欧の自動車メーカーに対し、ハイブリッドカー(HV)や電気自動車(EV)など環境対応車に関する技術移転を求めている。

日産はこうした政策に沿い、大連工場でEVの現地生産も始める計画だ。日本から蓄電池など基幹部品を輸出し、組み立てる。

良港に近い立地を生かし、アジアやロシアなど新興国への輸出拠点としても活用する。中国では現地メーカーの能力増強が続き、供給過剰感が強まっている。市場動向に合わせて輸出できるようにすることで、稼働率を安定させる。

大連を建設候補地に選んだのは、国内最大の量産拠点である日産自動車九州(福岡県苅田町)に近い利点を生かす狙いもある。

大連工場と九州に集積する部品メーカーから必要な部品を相互に調達できるようにし、競争力を高める。

日産は湖北省の襄陽工場で13年をめどに高級車ブランド「インフィニティ」を現地生産する方針も固めた。

大連工場の建設により中国での効率的な供給体制を整備するとともに、車種も増やし販売を拡大する戦略だ。』

日産はゴーン社長のもと、積極的に新興国市場を開拓しています。中国はその中で最重要市場の一つになっています。

中国市場で先行している外資系メーカーは、VWとGMで、ともに従来から工場や開発拠点を作り、現地仕様に合わせた生産と販売体制を構築強化してきました。

結果として、中国ではこの2社の自動車が最も売れています。中国ではいまだに国産車より外資系の自動車に対する人気が高くなっています。

中国市場に関しては、日産、トヨタ、ホンダなどの国内メーカーは出遅れていました。各社とも市場シェアを高めるため、開発拠点や新規工場の建設を急いでいます。

一方、中国市場では最近、二つの変化が起こりました。一つは、景気の減速からくる販売需要の落ち込みです。中国メーカーは販売が低迷しても生産を継続する傾向があり、市場で過剰在庫に陥るリスクがあります。

もう一つは、中国メーカーの成長や上記過剰生産能力を持つ自動車業界の現状から、中国政府が昨年末に対中投資のガイドラインを改定し、自動車生産を奨励業種から除外したことです。

今後、国内メーカーが新規に中国市場に工場を作ったり、既存設備の生産能力強化を申請しても中国政府から認可を受けることが難しくなります。

また、上記記事にありますように中国政府は国内メーカーに環境対応技術の移転を求め始めました。

これらの三つの要因を考えて、日産が打った対応策は、EVの環境対応車と中国メーカーが持っていない高級車の現地生産強化です。

非常にしたたかなやり方です。これは戦略といえます。大連工場では高級車とEVを作り、また湖北省の襄陽工場では高級車を作ります。

工場を増やして、売れ筋車で販売シェアを現状の約6%から10%に引き上げるやり方です。EV生産は、蓄電池などの基幹部品を国内から輸出して対応します。

日産は、九州に生産拠点を集積していますので、九州内の工場と大連工場を連動させて、日本、中国、アジア各国やロシアなどの需要に合わせて、生産数量や在庫数量を柔軟にコントロールして市場の動きに合せたやり方を取るようにします。

EVやHVの基幹技術は、国内メーカーの差別化・差異化の源泉ですから、現時点で全てを中国内で生産しないで、当面は基幹部品の国内から中国への輸出で対応していきます。

将来、中国政府から全ての環境対応車の現地生産が要求された場合、日産、トヨタ、ホンダは難しい対応を迫られる可能性があります。

国内メーカーは今から対応策を考えておく必要がありますが、多分既に検討済みと推測します。各自動車メーカーは、今まで数多くの国際化の過程で色々な経験を積んでいますのでしたたかに、且つ、柔軟に対応していけるとみています。

少なくとも、現時点ではそこまでの要求にはなっていないので、日産のやり方は他社に対する先行事例の一つになります。

中小企業にとっても、事業環境が変化した場合や、将来起こり得る事態への対応事例として活用できます。
日産の今後の動きに注目していきます。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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