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日経記事;"日立、レアアース使わない省エネモーター開発"考察

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皆様、
おはようございます。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

4月12日付の日経新聞に、『日立、レアアース使わない省エネモーター開発 送風機向け産業用モーター』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。
記事の主な内容は以下の通りです。

『日立製作所は11日、レアアース(希土類)を使わない省エネ型の産業用モーターを開発したと発表した。工場やビルの送風機、ポンプなどに使うモーターで、2014年度の製品化を目指す。

世界生産の9割を占める中国の輸出規制でレアアースの安定調達が難しくなっているのに対応する。脱「中国依存」に向けた動きが広がってきた。

脱・中国依存へコスト削減

工場やポンプなどに使う中型の産業用モーターは近年、省エネ機運の高まりで高効率機種への切り替えが進んでいる。その代表格が鉄にレアアースの一種であるネオジムやジスプロシウムを混ぜた強力な磁石を組み込んだモーターだ。

これに対し日立が開発したモーターは磁石にレアアースを使わず、中核部品の「鉄心」にアモルファス金属を使った独自開発の素材を採用。レアアースを使った製品と同等の性能を出せるようにした。

価格が高いレアアースを使わないため原料コストの大幅な削減も見込めるという。

産業用モーター全体の国内市場は年3兆円規模で、日立のシェアは10%弱。中型の産業用モーターで日立は東芝、三菱電機と並んで首位を争っている。

電機メーカーは“脱レアアース”に向けた技術開発を進めている。三菱電機や日本電産は、電気自動車やハイブリッド車向けにレアアースを使わない駆動用モーターの実用化を進めている。

調達先の多様化やレアアース使用量の削減を進めたこともあり、中国の輸出制限で高騰した価格は現在、沈静化している。主要レアアースの3月時点での価格は昨年7月のピーク時に比べ半分以下に下がった。

ただ、電気自動車などの永久磁石に使うジスプロシウムなどは世界生産のほぼ全量を中国に依存しており、代替品の開発が引き続き課題となっている。』

レアアースは、半導体と同様に性能・効率の良い電機製品や自動車などを作るために必要なものです。

従来は、中国がレアアースのほぼ全量を廉価に世界中に供給していました。しかし、資源ナショナリズムに気が付き方向転換した中国は、レアアースの囲い込みを行い、供給量を制約して外交カードに使ったり、価格を急激に上げました。

レアアース自体は、米国やオーストラリアなど他国でも調達可能です。しかし、米国企業が昨年、国内企業に高値での購入を要求しました様に、今後他国のレアアースの購入価格は高くなると予想されます。

天然資源が乏しい日本は、レアアースについてもその依存度を限りなく0に近付ける必要があります。レアアースを使わない技術開発は、今後の日本の成長を支えるための必要条件の一つになります。

しかも、その代替技術・部品・製品は廉価であることが重要です。

多くの国内企業が実用的で低コストの代替技術開発を行っています。例えば、モーターの分野では、日立、東芝、三菱電機以外に日本電産が、レアアース使用磁石を用いないモーターをエコカーの駆動装置用に2013年から供給開始とのこと。

磁石の分野では、TDKがレアアースを使わない小型磁石をハードディスク駆動装置向けで2012年に実用化する計画です。東芝も代替素材活用でレアアース量を減らした車載モーター用永久磁石を開発中とのこと。

このように、モーターや磁石分野で脱レアアースの動きが加速するのは大いに結構なことあり、国内企業の底力を感じます。願わくば、日立が開発中のレアアース不要モーターをもう1年前倒しして、2013年中に製品化することを期待します。

東芝や三菱電機などの他社の開発意欲を刺激し、脱レアアースの各種モーターが早期に実用化されるからです。

一方、今後の国内自動車産業の柱の一つになる電気自動車やハイブリッド車でも、モーター以外にレアメタル(希少金属)を使用している重要部品があります。リチウムイオン電池です。

リチウムイオン電池に使われるリチウムはレアメタルの一種になります。レアメタルもレアアースと同様に山地が中国、ロシア、アフリカなどに偏在しており、中国は供給に制約をかけています。

リチウムイオン電池の脱レアメタル化は、政府も後押ししてNEDO(独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構)を通じて国内企業と共同して開発を進めています。

パナソニック、GSユアサ、東芝などの国内企業がレアメタルフリーのリチウムイオン電池の早期開発・製品化を期待します。低価格であることは当然のことになります。

レアアース・レアメタルフリーの電気自動車やハイブリッド車は、日本の大きな産業の柱の一ついなりますし。代替モーター、磁石、電池を供給するメーカーは世界中に輸出できます。

レアアース・レアメタルフリーのコア技術・部品は、他の分野でも国内企業にて開発が進んでおり、今後、国内企業の大きな差別化・差異化の要因の一つになります。

中国がレアアースやレアメタルを武器に使った外交から、代替技術のニーズが高まり開発が一気に進みました。

新事業分野確立のやり方の理想的な形の一つになっています。大きな社会的なニーズと需要がある分野に、国内企業や大学、各種研究機関が連携して強みを最大化して、既存品に対する代替技術を確立し、新規事業として国内企業が立上げ世界に貢献しつつ売上を伸ばす、やり方です。

環境、医療、福祉などの分野で同様な考え方と進め方で、大きな新規事業立上が可能です。国内企業のますますの頑張りを期待します。

これらの分野では、関連する中小企業も色々な役割を果たせますので、成長を取り込める機会が多くなります。

レアアース・レアメタルフリーの動きをみていきながら、今後の中小企業にとって参考になる新規事業立上のシナリオ作成に役立てるつもりです。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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