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日経記事;"トヨタ車台共有し原価2割減新興国開拓商品力強化"考察

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皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

4月10日付の日経新聞に、『トヨタ、車台共有し原価2割減 新興国開拓へ商品力強化』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『トヨタ自動車は9日、大幅な生産コストの削減を可能にする新車開発手法を導入すると発表した。部品の共通化が容易な3種類のプラットホーム(車台)を開発。新しい車台で生産台数の5割をカバーし、製造原価を2割以上下げる。

独フォルクスワーゲン(VW)や日産自動車でも同様の取り組みを進めている。トヨタは成長する新興国市場でも利益を生む効率的なクルマ作りを確立し、国や地域ごとに異なるニーズに迅速に対応できる体制を整える。

部品5割共通化

新しい開発手法では、「カローラ」、「ヴィッツ」、「カムリ」それぞれのクラスでクルマの基礎構造となる新しい車台を用意。異なる車種でも3つの車台で設計できるようにして開発期間を短縮する。

従来は車種や地域ごとに部品を開発するケースが多かったが、部品の共通化に適した車台にすることで、原価低減を進めやすくする。トヨタが直接、部品メーカーに発注する部品は4千~5千品目。新手法の導入で半分程度の共通化が可能になるとみられる。

開発人員や時間も減り、2012年末までに開発効率が09年比で約3割高まるという。新手法で開発した新型車は14~15年ごろに発売される見通し。「原価低減で浮いたコストと新手法の導入で生まれる開発余力を商品力の強化に振り向ける」(内山田竹志副社長)。

トヨタが車台を全面刷新するのは、先進国向けに開発した車台を新興国向けに転用する従来の開発手法では市場のニーズをくみ取れないからだ。「新興国でも国によって好みが違う」と豊田章男社長は言う。

車種ごとに開発陣が分かれ、それぞれが最適なクルマづくりを進めてきた従来の手法では開発コストが膨れ上がる一方。このため走行性能や燃費などに関係する戦略部品以外は共通化する。共通化を通じて製造原価を引き下げ、新興国での販売台数を伸ばし、先進国での競争に耐えられる体制を築く。

VWが先行

部品の共通化戦略ではVWが先行する。傘下のアウディが今夏に発売する高級小型車「A3」では新たな開発手法を取り入れ、エンジンや変速機などを共通化。開発コストを2割削減した。VWは年末にも発売予定の主力小型車「ゴルフ」や「パサート」、「ポロ」でも共通化を推進。3車種で年400万台規模の販売を目指す。

日産自動車も新しい車両設計技術を導入した新型車を13年以降に順次発売する。車種を超えて部品を可能な限り共通化。開発費を従来に比べ27%削減する。新設計技術の導入で現在4割にとどまる部品の共通化比率を最終的には8割に高める。

世界の自動車大手の売上高に占める研究開発費の比率は、おおむね4~5%程度。部品の共通化で先行するVWは11年12月期の売上高研究開発費比率が4.5%と前の年に比べて1ポイント近く下がった。

日本勢の12年3月期の研究開発費比率は、会社計画ベースでホンダは6.7%に達する。部品共通化などの取り組みで今後どこまで開発体制を効率化できるかが、焦点となる。』

自動車企業や電機各社は、新興国需要を取り込む活動を活発化させています。その一つのやり方として、新興国の市場に合せた仕様・機能・価格の商品開発を積極的に行っています。

この現地対応のやり方は、欧米や韓国、台湾企業が先行しています。自動車市場では、VWがアジアや中国で先行し売上を伸ばしています。

トヨタ、日産自、ホンダなどの国内企業も同じやり方を採用して追い上げています。この動きの中で、国内企業が直面し、解決しようとしているのが開発コストの削減です。

記事によると、VWの開発費は対売上比で4.5%であり、前年から1%減っているとのこと。トヨタの場合、09年度の研究開発費の売上高比率は、08年度比1.3ポイント増の4.9%となっています。ホンダの場合は、記事にありますように6.7%となっています。

トヨタは、新興国市場のビジネスから利益を確保するため、量産車のプラットフォーム共通化と共に、使用部品も共通にすることで開発コストと製造原価を下げるやり方を取ります。

現地ニーズに合った車を作りながら、開発・製造コストを下げることで、先進国市場向け新車開発などの資金確保とする考えです。

他の国内企業が一斉にこのやり方を採用することがみこまれます。その結果、関連部品メーカーは大きな影響を受ける可能性があります。

従来ほどではありませんが、自動車部品メーカーは各自動車企業の系列に依存・関係しています。系列下に入っていなくても今まで続いてきた取引実績を持つ部品メーカーも存在しています。

自動車企業がに共通化した部品を使うようになると、調達先や調達場所、或いは、工場までの供給物流体制などにも大きな影響が出る可能性があります。

共通部品に対して自動車企業から要求されるのは、品質や機能は当然のこととして、価格や供給数量、供給時期など今までより厳しい条件が提示される可能性があります。

部品メーカーにとっては、大きな事業機会を得られる可能性もあります。今まで取引実績のなかった系列外の企業から注文が入ることがあるからです。

部品メーカーは今までと同じやり方を取っていると競争に負ける可能性が高くなります。それは、共通部品に関しては自動車企業からの要求内容が価格重視になることは間違いないからです。

自動車企業は、同じ部品を複数の部品メーカーから調達します。部品の供給元を1社にすることで供給元にトラブルが発生して供給不能になることを避けるためと、複数社から見積もりをとって価格の安いところから調達するためです。

共通部品に対しては、価格低下の圧力が大きくなります。部品メーカーは量産効果でコストダウンを図る必要が出てきますので、大きな注文が取れないメーカーは競争から脱落していくことになります。

製造コストを下げるため、部品メーカーは最適な製造場所を探す動きも出てくるとみています。各部品メーカーは今までのやり方にとらわれずに、どの自動車企業からも注文を取って供給するようにするなど積極的な動きをして勝ち残っていく必要があります。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁

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