- 鈴木 克彦
- 株式会社マクス 代表取締役
- 建築家
対象:住宅設計・構造
では、何故この伝統工法を良いと思うのか?
「伝統だから良い」では、さすがに無理がありますね。
簡単に良いますと、伝統工法というのは、伝統的に受け継がれてきたものであるので、永い間、受け継がれて来たという事にはそれなりの理由がある、と言う事です。
その理由、つまり、その伝統的に受け継がれて来た理由、それは日本の気候に合わせて発生し、改善・発達し、受け継がれて来た、と言う事だと思うのです。
やや回りくどい言い方ですが、伝統工法=伝統的にその地にあった工法、だと思うのです。
伝統的にその地に合うとは、要は日本の特有の【高温多湿&地震】に強い、と言っていいと思います。
命より大切な穀物を、高温多湿から守る知恵、そしていつしか、穀物のみならず、大切な宝を高温多湿や地震から守る知恵、それがまさに板倉だったわけです。
写真は、伊豆の国市の古民家の蔵です。
板倉工法で、外壁は漆喰で作られています。
築百年は間違いなく超えていますが、ビクともしていないばかりか、内部はカビ一つありません。
この板倉を住宅に応用する、それが伝統工法から生まれた板倉造り工法の住宅です。