日経記事;"JT、時価総額でNTTに急接近 海外展開で明暗"考察 - 海外展開 - 専門家プロファイル

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 代表
神奈川県
経営コンサルタント

注目の専門家コラムランキングRSS

対象:新規事業・事業拡大

専門家の皆様へ 専門家プロファイルでは、さまざまなジャンルの専門家を募集しています。
出展をご検討の方はお気軽にご請求ください。

日経記事;"JT、時価総額でNTTに急接近 海外展開で明暗"考察

- good

  1. 法人・ビジネス
  2. 新規事業・事業拡大
  3. 海外展開
経営コンサルタントの活動 海外展開支援

皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

4月5日付の日経新聞に、『JT、時価総額でNTTに急接近 海外展開で明暗』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『日本たばこ産業(JT)の時価総額がNTTに急接近している。4日の東京株式市場ではJTの時価総額が終値ベースで4兆7950億円と、NTTに875億円差に迫った。

1999年のITバブルのピーク時にはNTTが28兆円強上回っていたが、逆転が視界に入ってきた。ともに旧国営公社だが、M&A(合併・買収)を軸にJTが海外展開を加速、成長力の「明暗」を映す格好になった。

時価総額は発行済み普通株式数(政府保有分含む)ベースで計算した。JTの株価は4日、一時4%上昇し、3日連続で年初来高値を更新。時価総額が一時、NTTを上回る場面もあった。終値ベースでも時価総額は3年7カ月ぶりの水準まで高まった。

時価総額接近の背景には海外を軸にした買収戦略の巧拙がある。JTは国内でのたばこ市場の縮小を見据え、早くから国内の合理化に着手。02年に25あった国内工場は6工場まで減らした。

一方で米RJRナビスコの海外たばこ事業、英ガラハ―など、90年代後半から計3兆円以上を海外の買収に投じ、海外の事業基盤を拡大してきた。

さらに日本市場以外を統括する「海外本社」、JTインターナショナルをスイスに設け、買収先を含め海外人材を積極的に登用。

経営の国際色を強めるとともに、海外で収益のほぼ半分を稼ぐ体質に変えた。連結営業利益は03年3月期に1889億円だったが、前期は3650億円に拡大する見込み。

JTでの海外でのたばこ販売は数量ベースで7割がロシアなど新興国。同地域の所得水準の高まりを受け「海外たばこ事業の収益は為替の影響を除けば今後3年、年平均10%以上の成長を続けられる。」(木村社長)

NTTの海外売上高比率は12年3月期で7%程度にとどまったもよう。00年前後に欧米の携帯会社などに総額2兆5000億円出資したが、ITバブルの崩壊で投資先の財務が悪化し、巨額の損失計上を迫られた。

10年にIT大手、ディメンション・データ(南アフリカ)を約2800億円で買収したが、収益の寄与度は限定的だ。

海外展開の遅れに加え国内の通信事業は競争が激化。前期の連結営業利益は03年3月期に比べ8%減の1兆2500億円にとどまる見通し。

JTは85年に旧日本専売公社から事業を継承し発足。94年10月に上場した。2兆円強だった当時の時価総額は現在2倍以上に膨らんだ。

NTTも旧日本電信電話公社が母体。90年代後半のITバブルに乗って時価総額は99年に30兆円に増えたが、バブル崩壊とともに急減した。

両社の成長力の格差は今後も続く可能性があり、株式市場での評価に表れそうだ。』

JTとNTTの差は、国内市場でおかれた立場・状況の違いと、その後の対応・実行のやり方から来ています。

たばこは、日本を含めた先進国市場では健康、特に肺がんになる大きな原因であり、有害商品のレッテルが貼られています。当然のごとく、喫煙人口は急減していきますので、たばこ市場は毎年縮小していくことは明白なものでした。

極論しますと、将来的にはたばこ産業は、先進国では存在しなくなる可能性があります。急激に縮小していくたばこ市場では、ただ1社の供給者であっても事業継続は不可能です。

事業継続・拡大のために取るべき手段は、新規事業・市場の開拓です。たばこは嗜好品ですのでどの地域・国にもたばこ会社は存在します。

JTは、短期的に市場を買取、事業を立ち上げるためにM&Aを考え、実行しました。また、記事によると、02年に25あった国内のたばこ工場を6工場まで減らす合理化を実行しています。

国内の及び先進国市場では、たばこ事業の継続は難しく、言わば退路を断つ形での事業展開を迫られた上での決断だとみます。

国内の大手企業の中で、JTは国際展開を上手く行っておりその経営手腕が高く評価されています。その結果の一つとして、現在の株式の時価総額の高さに表れています。

JTのように国内市場の基盤が急激に減少する事態に直面する企業は少ないです。JTはその当時相当の切迫感と緊張感を持って経営施策を考え、実行したとみます。

M&Aで手に入れた企業をもとに行う海外展開を効率よく行うために、スイスに海外本社をおき、海外人材を経営陣に積極的に登用しているとのこと。

スイスに拠点をおく総合食品企業である「ネスレ」と同じような事業展開をしています。

手元にあった資金を上手く活用してM&Aを行い、たばこの新市場とその事業基盤及び、たばこ以外の医療器具、医科向け医薬品、加工食品、清涼飲料水などの事業も手に入れました。現在の製品別売上高比率では、たばこ以外の事業は23%を占めており、多角化が進んでいることを示しています。

片一方のNTTは、国内市場では最も大きな通信会社であり、国内市場が一定規模の大きさを持っているため、海外展開は今までそれほど切羽詰まった選択肢でなかったとみます。

海外展開に会社の命運を賭ける必要があったJTとの差がここにあります。私はNTTと何回かお付き合いしてきた感じで言いますと、保守的な面がまだ残っているとの印象を持っています。

NTTが今後海外市場で事業拡大するためには、今までのやり方にとらわれないで柔軟に、且つ、しぶとく一貫性を持って行う必要があります。

これは、今まで国内市場を中心に事業を行って来た多くの企業が海外進出する時に直面する課題と同じです。

事業拡大するには、海外市場開拓は必要です。このための経営手法として、M&A、連携、出資などのやり方があります。

海外展開を行う時には、自社のコア事業領域、販路開拓、その実現方法や行動計画などを明確にした事業計画を作成してぶれないようにして実行することが成功のポイントの一つになります。

JTのように海外展開を上手く行っている多くの国内企業が存在しますので、それらの企業の動き方を参考にしながら自社の経営にあった形で取り入れていくやり方もあります。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 

カテゴリ このコラムの執筆専門家

(神奈川県 / 経営コンサルタント)
グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 代表

起業・企業存続の為の経営戦略立案・実行と、ビジネススキル向上

起業及び、事業拡大や経営合理化を目指す企業に対して経営コンサルを行います。大手メーカーで得た経験を活かし、補助金活用、アライアンスやM&A、市場分析に基づいた事業戦略策定・実行や事業再生を支援します。OJT研修でのビジネススキル向上を支援します。

カテゴリ 「経営コンサルタントの活動」のコラム