日経記事;"ホンダや第一三共、世界40億人の低所得者を開拓"考察 - 海外展開 - 専門家プロファイル

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日経記事;"ホンダや第一三共、世界40億人の低所得者を開拓"考察

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皆様、
おはようございます。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

4月2日付の日経新聞に、『ホンダや第一三共、世界40億人の低所得者を開拓 ホンダ 5万円切る二輪』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『途上国などの低所得層を対象とするビジネスが広がっている。ホンダは5万円を切る低価格二輪車をタンザニアで組み立てる。第一三共はマラリア治療薬をインドで発売。

ファーストリテイリングはバングラデシュで販売を増やす。年間所得が3千ドル以下の低所得層は世界で約40億人。生活基盤を整備しつつ、将来の成長市場で足がかりを築く。

欧米企業が先行してきたが、中国など新興国市場での競争が激化する中、日本企業も新市場の開拓を急ぐ。

低所得層は所得ピラミッドの底部を構成することから、「ベース・オブ・ピラミッド(BOP)」と呼ばれる。新興国に続く購買層になるとみて欧米企業はBOPビジネスに積極的。一方、日本企業は出遅れていた。

ホンダはタンザニアで二輪車のノックダウン(KD)生産を始める。政府の許可を受け次第着工し、年5000~1万台の生産を見込む。

中国やインドで製造した部品を輸入し、人手で組み立てる。大型設備は不要で、投資額は数千万~1億円程度ですむ。

すでにナイジェリアで低価格二輪車のKD生産を始めており、アフリカの他国にも広げる。未開拓の途上国を専門とする営業部隊を発足させる。

第一三共のインド子会社ランバクシー・ラボラトリーズは、自社で開発したマラリア治療薬を近く売り出す。インドに続き、アフリカなどでの投入を検討する。BOP層への販売を通じ、2012年に同社の売上高を11年比約5%増の22億ドルに増やす。

エーザイは13年から20年にかけ、計22億錠のフィラリア症薬をケニアやハイチなど37カ国2億5千万人の患者らへ無償で供給。知名度を高めて将来のビジネスにつなげる。フィラリア症は蚊によって流行し、足が大きく腫れるなどの症状が出る。

「ユニクロ」を運営するファーストリテイリングはバングラデシュの委託工場で、専用商品を生産。農村部出身の女性たちが売り込む。

取扱商品はTシャツや開襟シャツなどで、価格は1~3ドル程度。初年度の販売枚数は5万着程度だったもよう。15年度は100万枚まで増やす計画だ。

ヤクルト本社は中国やインド、ブラジルなど海外14カ国で現地の女性を訪問販売員「ヤクルトレディ」として登用。乳酸飲料「ヤクルト」を売り込んでいる。

BOP事業では欧米企業が先行する。仏ダノンがバングラデシュで低価格ヨーグルトを販売するなど、食品や日用品のメーカーが多い。製品を小分けして価格を抑えるなどの工夫をしている。』


BOPとは、年間所得が3000ドル(約24万円)以下の人たちのことで、世界中で約40億人いるとされています。この人口は世界の6割を占めています。

過去20~30年位の間、先進国が生産工場などを作って投資してきた中国などの国々の人たちは、労働者として雇われて収入が増え、上記BOP層に所属する人達の割合が減って「中間層;年間所得が3000ドル~2万ドル以下(約160万円)」の割合が増えました。

この「中間層」は、世界で約25億人いるとされており、新しい購買層として注目されています。

欧米企業は、旧植民地であった国々の社会・経済状況を熟知しているところが多く、以前かBOP対象に事業を行ってきました。

日本企業がBOPの存在と潜在需要の大きさに気がついたのは最近のことです。これは、海外市場としては、今まで欧米中心で事業が出来てきたので、多くの日本企業がBOPに関心を持たなかったためです。

現在多くの日本企業が新興国で事業展開しています。この経験からBOPの存在と中間層への発展の可能性を学習してきました。

従来から日本企業は安い労働コストを求めて海外に進出し工場を作りました。数年経つと、現地の人たちの賃金も上がり、安い労働コストだけではその地で工場を維持運営するのは難しくなり、中国でいえばより賃金が安い内陸部に工場を移転したり、或いは、ベトナム、バングラデシュなどの低賃金国に工場を移したりしてきました。

最近になって、欧米や日本企業が工場進出した地域の所得水準があがり、現地が工場立地の適切地域から消費市場に移行しつつあることに日本企業は気が付きました。いわゆる「中間層」が増え始めたのです。

欧米企業は以前からその潜在性に注目して、地道に市場開拓を行ってBOPから中間層まで幅広く顧客を獲得するやり方を行っています。

BOPが多くしている地域・国に進出して工場を作ったり、低価格で売れるように小分けして販売するなどの工夫をして、販売網を作り知名度を上げてきました。

進出した地域や国で所得水準が上がりBOPから中間層に移ると、非常に大きな市場に拡大し、高い知名度は大きな武器になります。

日本企業がこの欧米企業のやり方を取り入れ始めています。ホンダ、ユニクロ、第一三共、エーザイ、ヤクルトなどが本日の記事で紹介されています。

多くの中小企業も安い労働コストを求めて海外進出を開始しています。対象国は、新興国や新・新興国と呼ばれている、インドネシア、ベトナム、バングラデシュ、カンボジアなどです。

過去の日本企業の海外投資の結果をみていますと、当初、安い労働コストを求めて進出しても現地賃金が上昇し、安い製造コストだけを優先して事業を継続する場合、他地域や他国に工場を移転させる必要が出てきます。

当初から労働集約型の作業で安い労働コストのみを求めて工場運営するのであれば、最適な場所で事業継続すれば良いことになります。

しかし、海外進出した工場の多くが、従来の顧客との取引継続が難しくなる問題に直面しています。これは、顧客が他企業から購買を始めたり、顧客自体が撤退したりするために起こります。

これから新・新興国などに海外進出を行う中小企業は、進出先が将来BOPから中間層が増える可能性も見込んで、進出前に販路開拓のことを検討し、事前準備しておくことが重要です。

現在、注文を出してくれている顧客は、何時でも変わってしまうリスクを十分に理解して、前倒して対応していくことが海外進出の成功の一つです。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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