耐震リフォームのチェックポイント コラム③ - 耐震検査 - 専門家プロファイル

菊池 猛
株式会社 アイジーコンサルティング 不動産インスペクション課 課長
静岡県
中古住宅専門家

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対象:住宅検査・測量

伊藤 裕啓
伊藤 裕啓
(一級建築士)
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(一級建築士)
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閲覧数順 2024年04月18日更新

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耐震リフォームのチェックポイント コラム③

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大地震時には人命を守ること、中規模地震の場合には建物という財産を守ることを目標とするのが、建築基準法の考え方です。 

これに対し、耐震診断では人命を守ることに重点を置き、「大地震時に倒壊しない」ための耐震性確保を目的にした考え方が一般的です。

大地震と中規模地震という2段階を設定する建築基準法と異なり、耐震診断では大地震への対応という1段階で考えることになります。

※大地震とは建物が建っている間に遭遇するかどうかという極めてまれな地震(数百年に一 度起こる震度6強クラスの地震)のことです。また中規模地震とは、建物が建っている間に何度か遭遇する可能性のある地震(震度5強程度)のことです。


耐震診断:どのような耐震診断を行えばいいのか

耐震診断は大きく分けて4つの方法があります。

1.自分で出来る簡易診断(図面上の判断のみ)

2.一般診断法(目視・非破壊検査による診断)

3.動的耐震診断(弱点が分かりづらく、一般診断を併用する必要あり)

4.精密診断(破壊検査のため費用がかかり、あまり現実的ではない)

上記1~4の診断方法のうち 2.一般診断法 を推奨します。


理由)本来、精密診断を行うためには家の各箇所を破壊して調査する必要があり、破壊した場合は当然ながら復旧の費用もかかってしまいます。

破壊調査を行わず、精密診断を目視のみで行うとすると構造体内部の劣化が判定できず、結果として一般診断に比べて診断の精度が落ちてしまう可能性があります。

それに比べ一般診断では、精密診断を行う場合に考えられる構造体の劣化等をあらかじめ織り込んだ診断となっています。

詳細な検討を建物のすべての部位では行わず、代表的な部位で平均的な評価を行うこととなります。

主として評価される部分は壁の強さ、壁の配置、劣化度、柱と壁の接合部分等であり、目視・非破壊にて検査を行います。調査時においてどのように判断すればよいかが曖昧な場合は、原則として「安全側」=より評価が低くなる方に判断することとなります。

そのため、家の各箇所を破壊して診断を行う精密検査に比べ、正確さでは一歩譲るものの、破壊調査等も行わないためスピーディーで、より安価な診断結果を出すことができるのです。評価は4段階に分かれ、数値で表されます。この数値がより小さい方が耐震性能が低く、危険であることを示しています。(画像1参照)


地震による被害の大きさは、震源地の深度や距離、時間、揺れ方など一様ではないのですが、この診断法で「倒壊しない」と評価された場合、だいたい関東大震災なみの震度6強の地震がおきても、建物が潰れてしまわないレベルと考えてよいでしょう。

一般耐震診断は、下記の内容に基づき行なわれています。

「木造住宅の耐震診断と補強方法」(画像2参照)

監修:国土交通省住宅建築指導課 発行:財団法人 日本建築防災協会


さて、住まいの耐震診断をするには、その建物がどういう状態なのかを調べる現地調査が必要となります。

次回は、調査のチェックポイントや、その見方などをご紹介します。





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