当社では、宅建業法で説明が定められている「重要事項説明書」「売買契約書」とは他に、
『物件調査報告書』を作成し、同時に説明しています。
その添付資料の中には、「重要事項説明書」では説明しないことや、物件そのもの問題
というよりは、その地域、その場所の特色のような情報も載せています。
そしてこれらの情報は、不動産の専門知識や、経験値から育まれる洞察力が必要となる
不動産の現地調査、役所・法務局調査などとは違い、誰でもその状況を理解したり、
物件選びの参考にできる情報です。
その中から、ネット上で簡単に検索して閲覧できるものを、いくつかご紹介いたします
ので、是非、物件選びの参考にしてください。
本日は・・・
犯罪発生マップです。
このマップは、各地域ごとの犯罪の発生密度を色彩で表されています。どの地区がどの
くらい危険なのか分かり安くなっています。
罪種は「ひったくり」「住居対象侵入盗(空き巣等)」「事務所等侵入盗(事務所荒らし等)」
「車上ねらい」「粗暴犯」の5罪種です。粗暴犯とは暴行罪・傷害罪・傷害致死罪・脅迫罪・
恐喝罪・凶器準備集合罪を言います。
詳細地図には、各地500m四方の犯罪発生件数を、棒グラフで示しており、発生密度だけで
なく、増減傾向も分かるようになっています。
このマップでは、やはり利便性の高い都心部が赤い(率が高い)ことが分かります。
都心は郊外と比較して、駅が近い、近くにお店が多い、賃貸や売却が比較的しやすいなど
のメリットがありますが、価格が高い、物件の規模が小さいなどのデメリットもあり、
ご自身の理想とするライフスタイルに合っているのかを、ご家族がいれば一緒に良く検討
することが大切です。
郊外か都心かで悩まれる方がいらっしゃると思いますが、その判断材料の一つとして、
犯罪の発生状況も見てみてはいかがでしょう。
尚、このマップにある色がいくら真っ赤だったとしても、実際の発生状況はどうなのか、
それだけで判断しないように気を付けましょう。
現地で聞き込みなどをしてみると、少し離れた、ある同じ建物だけで空き巣が多発して
いる場合であれば、本地はそれ程犯罪の色濃い物件ではないことが考えられます。
逆に郊外で犯罪が少ない地域と思いきや、聞き込みでは本地の目の前が引ったくりの
スッポットであったり、本地建物には連続して空き巣被害が起こっていたりすれば、
それは犯罪が起こりやすい、行いやすい状況(人通りが少ない、人目に付きにくい)が
そろっている立地の可能性もあります。
この「犯罪発生マップ」の情報はあくまで参考ですから、大切なのは実際に現地に出向き
、自分で周辺状況を観察したり、古くから住んでいそうなお宅に聞き込みしてみたりと、
ネット情報などと照合して判断できる、地域の生の声なども拾ってみることです。
『犯罪発生マップ』
http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/toukei/yokushi/yokushi.htm
このコラムの執筆専門家
- 藤森 哲也
- (不動産コンサルタント)
- 株式会社アドキャスト 代表取締役
将来必要なお金を把握せずに、家を買うのって怖くないですか?
売ってしまえば終わり・・・になりがちな不動産業界の現状に疑問を抱き、不動産購入には欠かせないお金の勉強をスタート。FP資格を取得。住宅購入に向けての資金計画、購入後の人生設計までトータルにサポートする「一生涯のパートナー」を目指しています。
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