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村田 英幸
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(弁護士)
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日経記事;"日立、コスト圧縮4500億円 インフラ事業に配分"考察

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経営戦略 集中と選択;事業撤退

2012年3月27日
皆様、
おはようございます。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

3月27日付の日経新聞に、 『日立、コスト圧縮4500億円 インフラ事業に配分 生産・調達見直し』にタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『日立製作所は2015年度までに年間約9兆円のコストの5%に相当する4500億円を削減する。売り上げが伸び悩むなか、生産機能の集約や原材料の共同購買など全社的にコスト構造を見直し、投資余力を高める。

環境配慮型都市「スマートコミュニティー」をはじめとする社会インフラ事業や情報通信事業など成長分野でM&A(合併・買収)も視野に重点投資する。

パナソニックやソニーなどが11年度に巨額の最終赤字を計上するなか、社会インフラ事業への経営資源をシフトしてきた日立は11年度に2800億円の最終黒字見通し。

ただ、売上高営業利益率見通しは4.2%と競合する米ゼネラル・エレクトリック(GE)の14%(11年度)、独シーメンスの12%(同)との開きは大きい。

日立は15年度の売上高営業利益率を10%台に引き上げ、売上が伸び悩むなかでも投資余力を確保。攻めにつながるコスト構造改革を目指す。

日立の総コスト(売上原価と販売費および一般管理費)は11年度8兆9000億円、12年度は現状のコスト構造では9兆円を超える見通し。

調達関連で2000億円、生産関連で1000億円、間接業務で1500億円の削減効果をそれぞれ見込む。

調達ではグループ全体で共同購買を拡大する。10年度に28%だった共同購買比率を12年度に35%に高める。海外調達比率も36%から50%にする。

生産では世界各国の工場に分散している電子部品の実装ラインを集約するなど生産効率向上に向けた取り組みを急ぐ。

間接業務では米国、東南アジアなど海外主要地域別に構築している社内ITシステムをクラウド型に切り替え、サーバー台数を減らすなどで運用費を削減。社宅や社員寮など福利厚生施設も減らす。

比較的業績が底堅い他社でも収益力拡大に向けたコスト削減を急ぐ動きが相次ぐ。東芝は部材の海外調達比率を2年前倒しして11年度内に6割から7割に引き上げる。

キャノンはデジタル一眼レフカメラ用のレンズ工場で自動化に踏み切るほか、研究開発も効率化。12年12月期から4年間で4千億円以上の合理化効果を見込む。』

日立はここ2~3年の間に行ってきました経営方針の変更(特定事業への集中化)効果が出始めたようです。日立は、かっては総合家電メーカーの代表格でしたが、事業の方向性を環境を含めた「社会インフラ」に集約して、研究所、事業所などを統合・集約してきました。

東芝と同様に、事業を集約して経営効率を上げると共に、社会インフラ事業で勝ち残る体制作りを行ってきました。

まだ、途中半ばですが、11年度は収益を上げています。パナソニック、ソニー、シャープなどの他の家電メーカーも目指すべき方向性を明確化して、その当該事業分野で勝ち残れる体制作りが急務です。

本日の記事は、日立が更に収益力を高めて、世界市場での競合先となるGEやシーメンスとの競争に勝ち残るための次のステップに進む方向性について書いています。

いわゆる集中と選択による合理化の再徹底です。集中と選択はやり方を誤ると、単なる合理化で終わってしまい、「企業が発展できない縮小均衡型」になってしまう可能性があります。いわば今の日本経済と同じです。

日立の場合、社会インフラ事業に特化して競争力を高めるという方向性がありますので、その軸がぶれない限り、社会インフラ事業を強化するための原資づくりとしての一層の合理化は妥当性があります。

東芝も日立と同じように、2年前から総合電機メーカーの看板をおろし、環境対応事業に集中するやり方を取っています。記事にありますように、東芝も日立と同様に収益力を上げるため、合理化を強化してコスト圧縮を図ります。

パナソニックの場合、家庭用市場での環境事業強化を打ち出していますので、今後の課題は環境事業へ特化しつつ、テレビに代表される赤字事業の立て直しを如何に短期間に終わらすかになります。

パナソニックは赤字を出しながら環境事業強化を行うのは難しく、環境事業への集中投資を行いつつ、抜本的な合理化や事業集約で赤字事業の早期解決を行う必要があります。

スピードがパナソニックにとって重要です。海外の競合他社は待ってくれませんので。

ソニーとシャープは、今後特化する事業の方向性を早期に明確化する必要があります。専業化やある事業への特化は、資本力や人材などが劣る中小企業にとって勝ち残るための必須事項でしたし、今も変わりません。

大手企業は中小企業ほど専業化する必要は今までありませんでしたが、海外企業が急速に力をつけている事業環境下では、世界市場で勝ち残るために自社の経営資源を特定分野に集中投資して競争力をつける必要があります。

ソニーとシャープは、新社長のもとで自社の得意分野を明確化して、縮小均衡ではない発展的に事業拡大する道を早期に探し出して、動き出すことが重要です。

決して合理化のみを最優先して行ってはいけません。そうすることでじり貧になった多くの企業が存在しています。

ソニーとシャープが現在の苦境を脱して新規に特化した事業の方向性を出して発展することを強く期待します。

日立、東芝、パナソニック、ソニー、シャープなどの大手企業が、それぞれの得意分野で勝ち残れば、中小企業の良い参考例になります。

これらの企業の経営手法に大いに関心を持って注目し、中小企業経営の参考事例とします。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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