日経記事;"復活ビッグスリー,国際再編狙う生き残り実利優先"考察 - アライアンス・事業提携 - 専門家プロファイル

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日経記事;"復活ビッグスリー,国際再編狙う生き残り実利優先"考察

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皆様、
おはようございます。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。
 
3月26日付の日経新聞に、『復活ビッグスリー、国際再編狙う 生き残りへ「実利」優先』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『自動車の合従連衡が再び加速してきた。米ゼネラル・モーターズ(GM)が仏プジョーシトロエングループ(PSA)に7%出資したのに続き、独BMWとも提携交渉を進める。米クライスラーとイタリア・フィアットの米欧連合も一段の再編に意欲を見せる。復活したかつてのビッグスリー(米自動車大手3社)が新たな国際再編を仕掛ける。

「我々の欧州事業を統合できないだろうか」。今年初め、フィアットとクライスラーの最高経営責任者(CEO)を兼ねるセルジオ・マルキオーネ氏は、GMのダン・アカーソンCEOにこう切り出した。赤字の欧州事業を統合した上で欧米3社連合を形成する大風呂敷を突きつけたという。

だが、アカーソン氏はこれと前後する形で水面下で交渉を進めていたPSAのフィリップ・バランCEOとデトロイト市内のGM本社で会い、提携することで大筋合意。マルキオーネ氏の3社連合構想はごく短期間で幻と消えた。

実現すれば年間販売台数の合計が約1300万台の巨大連合が誕生するところだったのに、なぜGMはPSAを選んだのか――。その選択の裏には、自動車の世界再編の表舞台に久々に登場したGMのスタンスの変化が見て取れる。

自動車産業が誕生して100年余り。その歴史は合従連衡の繰り返しだった。大が小をのみ、日米欧の先進国を舞台に販売台数を競い合うのが基本的な図式だった。

だが、2008年の金融危機を機に各社を取り巻く環境はガラリと変わった。新興国市場が成長する一方で、エコカーに必要な巨額の開発費負担がのしかかる。低迷が続く欧州事業のてこ入れも急務だ。新興国、環境、欧州と方向が異なる3つのテーマに正面から向き合う必要があり、すべてを単独でこなすのが難しくなった。

そこで再編の新たなキーワードに浮上したのが徹底した実利志向だ。GMはPSAに7%出資したものの「あくまで買収ではなく提携」(アカーソン氏)とした。部品の調達やクルマの基本骨格となるプラットホーム(車台)の開発など、共同プロジェクトの実行を優先する構えだ。

「我々のドアはオープンだ」。スティーブン・ガースキー副会長が強調するようにGMのアプローチは全方位だ。帝人と炭素繊維の共同開発に着手。電池では米ベンチャーや韓国勢と組む。燃料電池車など次世代エコカーではBMWとも提携協議を進める。

米アルミニウム大手アルコアでM&A(合併・買収)計画を取り仕切ったジュリア・ステイン副社長を引き抜いてM&A専門役員に起用し、次の一手を練る。実利を得られるならどことでも組む姿勢にかつての覇権主義の面影はない。

こうした姿勢は他のビッグスリーも同じで、米フォード・モーターはマツダとの提携を実質的に解消する一方、ハイブリッド車技術を求めてトヨタ自動車に接近した。

GMとの提携を逃したマルキオーネ氏も、早くも次のターゲットを探し始めた。独フォルクスワーゲンとの提携が不調なスズキやフォード傘下から離れたマツダを有力なパートナー候補と公言。生産や開発における日本勢の高い技術力に目を付けたようだ。

かつての資本の論理による主従関係から、実利を求める緩やかな連携に――。世界の自動車大手は利害が複雑に絡み合う連合体を築く方向に動き始めた。』

自動車業界は、先進国市場では環境対応を急ぐ必要に迫られているのと同時に、今後この成熟した市場では急激な売り上げ増加を見込めません。

片一方、新興国では需要拡大が続いており、当面、事業拡大はこれらの成長市場で行うことになります。

新興国やその次の新・新興国では、現地仕様に合った価格・機能・性能が顧客より要求されますので、かって行っていた先進国仕様の自動車をそのまま販売することは難しくなっています。

自動車企業は、環境対応や各国に合った自動車の開発・製造など、複雑な事業環境下で多様な要求事項に対応していく必要があります。

世界市場相手に開発・製造を行うには、巨額の投資が必要であり、1社単独ではリスクが高くなります。

米ビッグスリーも同じであり、多種多様な開発案件などにリスクを低くして対応するため、他社との連携・提携で解決しようとしています。

昔、ビッグスリーが元気っだころは、世界市場で売上・シェアの拡大や経営効率化を上げようとして大型のM&Aを積極的に行いました。

結果として、全てのM&Aは失敗しました。失敗の大きな要因の一つが買収した側と買収された側の組織融合の未達成でした。

例えば、欧米企業間では企業経営の仕組みや価値観、人事制度、或いは企業文化などが異なりますが、多くの場合ビッグスリーは米国のやり方の採用を試みました。意志疎通や決定プロセスなどが上手く機能せず、大型組織を持て余す結果となりました。

今回の場合、ビッグスリーが一時期経営を失敗し、経営陣が一新されたことなどから、全く過去と異なる経営手法で連携・提携を軸に、世界展開を行っています。

「Win/Win」の関係が取れる相手と組んで、ハイブリッドや電気自動車に関するコア技術を共同開発したり、技術供与を求めたりしています。次世代エコカーとなる燃料電池車の開発でも、GMがドイツのBMWと組んだりしています。

国内企業も、是々非々ベースで「Win/Win」関係の構築出来る相手や事業分野で柔軟に連携・提携を行ってスピード感を持った経営をしないと、世界市場で勝ち残れなくなる可能性があります。

ほとんど他社と組んだことのないホンダを除いて、国内企業は海外勢と連携・提携を行ってきています。

今までの事業環境と異なる点は、ビッグスリーの動きです。ビッグスリーに業界の主導権を取られて後塵を拝しないように、トヨタや日産自などの国内企業は、世界市場で勝ち残るための動き方を行う必要があります。

連携・提携の効果を最大限出るように動きつつ、「Win/Win」の関係が崩れたら直ちに連携・提携を止める決断が必要です。

国内企業は、優れた技術を持っていますので、それを武器に連携・提携の主導権を取ってしたたかに且つ柔軟に動くことが重要です。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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