23年度まで、100万円の助成金がついた長期優良住宅ですが、24年度は制度が変りメリットが薄れつつあります。それでも税制優遇・ローン控除・地震保険等でメリットがありますがありますが、それよりも不動産価値の向上の方が大きなメリットかと思います。
一般の家についての不動産価値は、25~30年つまりローンを完済する頃には無価値となります。実質的にも50年持ってくれるか疑問です。
長期優良住宅は竣工時にその建物の特徴に沿って、点検マニュアルが整備されていますので、そのマニュアルに沿ってメンテナンスすれば、不動産価値は50~60年に延びると云われています。
実質的な耐久性能も100~200年を目指す仕様となっています。
つまり、複数世代がその家に住み続ける事を主眼に置いた家造りが長期優良住宅の趣旨となります。
現在の家造りは1世代の寿命しかなく、1世代毎にスクラップ&ビルドが繰り返されて来ました。
地球環境に与える負担も大きく、なんといっても不経済で、親世代が築いた資産を子世代が引き継ぐ事が出来ません。親と同じローンの負担を強いられています。
西欧の国々が年間所得が日本より低いにも関わらず、日本よりゆとりのある生活が送れるのは、住宅ローンの負担分が大きいのです。長期優良住宅を建設して、次世代に資産として継承する。それが長期優良住宅の最も大きなメリットです。
このコラムの執筆専門家
- 福味 健治
- (大阪府 / 建築家)
- 岡田一級建築士事務所
木造住宅が得意な建築家。
建築基準法だけでは、家の健全性は担保されません。木造住宅は伝統的に勘や経験で建てらていますが、昨今の地震被害は構造計算を無視している事が大きく影響しています。弊社は木造住宅も構造計算を行って設計しています。免震住宅も手掛けています。
「●家を建てよう!!」のコラム
建築条件付土地分譲の弊害を考える(2017/04/07 15:04)
秀光ビルドの家を調査しました(2017/03/27 12:03)
防火構造と準耐火構造(2017/02/09 08:02)
火災対策(2017/02/04 11:02)
割安なハウスメーカーは?(2017/01/11 09:01)
このコラムに類似したコラム
日本の家はほとんどがハウスメーカーで建てられてるの? 福味 健治 - 建築家(2012/03/30 07:12)
JHLの地域型住宅の助成金制度が満杯になりました 福味 健治 - 建築家(2013/12/02 08:21)
長期優良住宅完成見学会満員御礼!(^_^;) 浜田 肇一 - 工務店(2013/04/20 15:22)
吉野悠久の家完成見学会第二弾! 福味 健治 - 建築家(2013/03/30 08:27)
長期優良住宅って何だろう? 浜田 肇一 - 工務店(2013/01/20 11:26)