日経記事;『電機、「選択と集中」の誤算』に関する考察 - 事業・企業再生戦略 - 専門家プロファイル

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日経記事;『電機、「選択と集中」の誤算』に関する考察

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皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

3月25日付の日経新聞に、『電機、「選択と集中」の誤算 縮小均衡繰り返す 新事業の芽摘み中核つまずく』のタイトルで記事が掲載されました。
 
本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『NEC、ソニー、シャープ、パナソニック……。今期の巨額赤字や人員削減を相次いで発表した電機メーカーには共通項がある。バブル後の「失われた15年」を克服すべく1990年代後半から2000年代にかけ事業の選別を迫られた企業だ。

一時は苦境を脱したかに見えたが、リストラ途上で新事業の芽を摘んだり、集中投資が思惑外れとなった例が目につく。成功体験にとらわれ見通しを誤ると、「選択と集中」は縮小均衡を繰り返す悲惨な結果を招く。

1月26日、NECは12年3月期(以下、決算は連結)の最終損益が1000億円の赤字に転落する見通しと「1万人規模の人員削減」を発表した。09年にも2万人を削減したばかり。遠藤信博社長は「円高の進行や欧州(情勢)がどの程度日本に響くかが見えていなかった」と釈明した。

かつて通信や半導体、パソコンで一世を風靡したNECは、皮肉にもインターネットの普及で一連のIT(情報技術)が統合され始めた90年代後半から失速。ハード事業を縮小しシステム開発などサービス化路線を鮮明にしたのはこの1~2年だ。

サービス化への転換に成功した米IBMでは、93年にルイス・ガースナーCEO(最高経営責任者)が大改革を始めた。NECは海外勢から20年近く遅れたことになる。

半導体や携帯電話の事業を他社と統合させ、懸案だったパソコン事業も11年1月に中国のレノボ・グループとの合弁会社に移管。NECの売上高はピーク時の01年3月期から42%も減少し、12年3月期は3兆1000億円になる見通しだ。

利益が出ているならまだいいが、過去12年間の最終損益を通算すると5427億円の赤字。遠藤社長は一昨年策定した来期(13年3月期)売上高4兆円、最終利益1000億円の目標も「無理だと思っている」と語る。

ソニー、シャープ、パナソニックの3社は巨額の集中投資をしたテレビ事業でつまずいた。

ソニーは04年に韓国サムスン電子と折半出資でテレビ用液晶パネルの製造会社を設立したが、テレビ事業は05年3月期から今期まで8期連続赤字の見通し。その一因は合弁会社から買う割高のパネルにあると指摘される。昨年末に合弁を解消、自在にパネルを調達できるようにした。

ソニーが次世代テレビ用パネルのFED(電界放出型ディスプレー)から撤退した6年前、社内では「液晶につられ、次のマーケットを失った」「ものづくり精神が消えてしまう」など経営陣への不信感が漏れた。

04年、パナソニック(旧・松下電器産業)は薄型テレビ用プラズマパネルの大型工場の建設構想を発表した。液晶はこの頃から大型化技術が進み、プラズマとの価格競争が激化。同社は採算悪化に見舞われた。

11年3月期までにプラズマ製造など2工場の建設に投じた額は計4000億円以上。要素技術の流出を防ぐ「ブラックボックス」戦略で、国産品の競争力は維持できると同社は主張したが、04年に1インチ1万円だったテレビ用薄型パネルの価格は、昨年1000円程度まで急降下した。

シャープやパナソニックに対してはかねてアナリストから「テレビ一本足打法で大丈夫か」と危惧する声があった。両社には他の有望事業もあるが、テレビの穴を埋めるほどの収益性は現状では期待できない。

現在、大手電機8社のうち最も好調なのは日立製作所。HDD(ハードディスク駆動装置)子会社の売却益もあり、12年3月期は過去最高益を2期連続更新する可能性が高い。

日立は09年3月期に7873億円という国内製造業で最悪の最終赤字を計上。不振事業のリストラに手間取る半面、グループ経営のガバナンス(統治)不全も指摘されていた。

09年4月に会長兼社長に就任した川村隆・現会長は「100日プラン」に着手。不振事業を「本体から遠ざける」という手法で対応。赤字の垂れ流しを止めV字回復への道筋をつけたほか、1100社超の子会社群はほぼ温存した。パナソニックのような本社機能強化によるモノカルチャー路線と異なり「野武士集団」といわれた日立伝統の多様性を維持した。。。

激変する市場で生き残るために事業の取捨選択は不可欠だ。だが、その場しのぎのリストラや一分野への過大な投資は、企業の創造力を阻害し、未来の芽を摘んでしまう。間違った「選択と集中」は必ず復讐する。』


どの企業にとっても長期間の経営を行う中で、経営状態の悪化に苦しむ時期があります。この苦境時期をどう克服するかで、その後の会社経営の運命が決まります。

中小企業も例外ではなく、経営者の判断ミスは命取りになり、中堅・大手企業と異なり直ぐに倒れてしまうリスクがあります。

また、中小企業にとって、大手企業がどのようにして苦境から脱却していくかをみることは良い参考事例になります。

集中と選択は、苦境化に陥った会社が取る経営改善の手法の一つです。合理化やコストカットは、一旦実行指針が出れば、多少の困難さを伴う場合がありますが、実行しやすく短期的な効果が得られます。

しょうしょう極論的に言いますと、合理化はどの経営者でも出来る仕事です。集中と選択作業でもっと大事でかつ、重要なことは、次世代の事業の柱をどこにおくかということです。

これも色々な手法があります。市場規模や潜在的な成長性などをみて対象市場を決めてから、新規事業を立ち上げる方法があります。やりやすい手法でもあります。

しかし、私の経験では、中小企業の新規事業立上ではこの方法は有効ではありません。市場から先に見てしまいますと、既に世の中に存在するものしか目に入らなくなる傾向が高くなり、横並び的なものしか出てこなくなることがあります。

最初は市場を見ずに、自社の強みを条件や制約をつけないで徹底的に棚卸を行って検討・明確化して、最終的にみえた強みを最大化するやり方で新規事業立上を行うのです。

このやり方をベースに、対象市場を選定後、仮説を作りネット上の2次データを使って市場調査して、行動計画となる事業計画を作成するプロセスで、何社かの中小企業の新規事業立上を支援し、成功しています。

今後共上記3社の動きを注目し、再生を期待します。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 

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