- 平 仁
- ABC税理士法人 税理士
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対象:税金
最近の車離れの影響からでしょうか、利便性の高いマンションでは、
マンションに設置された駐車場の利用者が減少し、
空き駐車場が生じてしまうケースが増加しているようです。
駐車場収入を管理費収入の不足分の穴埋めのあてにしている
マンション管理組合も多いのではないでしょうか。
そこで、空き駐車場の有効利用として、外部者に空き駐車場を開放して、
駐車料収入を得たいと考える組合も多くなってきたのでしょう。
しかし、この駐車料収入が、税務上微妙な問題になるんですね。
「課税対象ではないのか?」と。
この点について、平成24年2月13日付けで、国税庁は国土交通省からの
問い合わせに答える形で、文書回答事例を公表しました。
http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/bunshokaito/hojin/120117/index.htm
これによると、マンション管理組合が収益事業を営んだ場合には
法人税が課される旨、指摘されています。
法人税法上の収益事業とは、「販売業、製造業その他一定の事業で、
継続して事業場を設けて行われるもの」(法人税法2条13号)なので、
マンション管理組合が継続してマンション駐車場という常設された
付属施設で駐車場業を営む場合には収益事業に当たる、としています。
今回の文書回答事例では、3つのケースが想定されており、
(1)区分所有者と外部利用者の区別なく、駐車場業を行う場合は、
民間の駐車場業者と何ら変わらないので、全面的に収益事業
(2)駐車場利用者の募集は区分所有者と外部利用者の区別がなく、
外部利用の状態で区分所有者からの使用希望があった場合には
一定期間内に外部利用者が駐車場を明け渡さなければならないケースでは、
区分所有者については、管理業務の一環としての共済的事業なので
駐車料収入は非課税になりますが、外部利用者については、収益事業
(3)外部利用者からの利用希望に応じて、区分所有者の利用の妨げに
ならない範囲内で、ごく短期的に行うケースでは、外部利用といえども
共済的事業に当たり、駐車料収入はいずれも非課税
という見解が示されました。
実は、私が副理事長をやっているマンションの管理組合では、
すでに数年前から、リフォーム業者等の一時駐車について、
駐車場の空きスペースを使って若干の駐車料を頂いていました。
これを始めるに当たって、当時の理事長からご相談を受け、
非課税になるでしょう、と答えましたが、
今回の文書回答事例の公表により、お墨付きを得たわけです。
ホッとしましたね。
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