- 西田 淑子
- サクセスインサイド・コミュニケーション 代表・コミュニケーショントレーナー
- 大阪府
- ビジネスコーチ
対象:コーチング
20歳代の平社員の頃の話です。職場で毎日、課長にいじめのようなお叱りを、されていたことがありました。家で「なんで、私だけが怒られなアカンねん、仕事はちゃんとやっとるのに」とおばあちゃんに訴えると、「あんた、誰かにその課長の悪口を言ってへんか」と反対に聞かれました。確かに、そう聞かれれば、職場のパートのオバチャンに、悪口を言ってました。
まさか、そのオバチャンは私の味方のはず、一緒に課長の悪口を言っているではないか、と思ったのだけど、おばあちゃんの見解は違いました。
「人に合わせて悪口言うような人は、相手が変わったらまたその人に合わせるもんや。そのパートのオバチャンは、課長に好かれてないか?」。はっ、としました。確かに課長は、そのパートのオバチャンには、猫なで声で「○○さあ~ん」と話しかけていました。
昔から「火のないところに煙はたたない」と言います。原因がなければ結果はない、ということです。原因がないのに、いじめられるわけがない、とおばあちゃんは、思ったのです。原因は自分が作ってへんか、ということを言う代わりに、「誰かに悪口を言ってへんか」と聞いたわけです。うまい聞き方です。原因が分かってたら、自分で対処して、この問題は解決しています。原因が分からないから、悩みになるわけです。そんな私に「原因はあんたが作っている」と言ったところで、私に分かるわけがないんです。だから具体的な事例を出して、おばあちゃんは私に質問したわけですね。
それから、オバチャンに悪口を言うのを止めたら、課長からのいじめのようなお叱りも、ぴったり無くなりました。
テレビドラマ「相棒」で杉下右京が、「犯罪の痕跡を消したなら、痕跡を消した痕跡もまたあるはずです」と言いました。全ては原因と結果からなっている、ということを、改めて考えます。
人間関係の真相は、人と関わることにその答えがあります。おばあちゃんは、その多くを経験から知るに至ったのでしょう。人と関わり続けることは、私たちに人間としての真相を教えてくれる勉強である、と言ってもいいかもしれません。
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