設計事務所の報酬の内訳を書きますと大体以下の様な配分になります。
事前調査費30000~50000円
基本設計50000~100000円
模型製作50000~100000円
パース一点30000~60000円
確認申請料150000~300000円
実施設計料600000~700000円
設計監理料400000~500000円
その他消費税+申請手数料位は必要です。
工務店さんに設計も一式でお願いする【設計施工】であれば、1/2~1/3の値段で済みます。しかし、1/2~2/3の費用が消えて無くなる訳ではありません。設計事務所に費用が渡らないだけです。
設計施工の見積りの場合は、見掛けの上の設計料は安く押さえられていますが、何処かに同様の費用が紛れています。実施設計料を抑えて図面枚数を少なくすれば、現場での打ち合わせ回数が増えて諸経費や現場管理費が多くなっているはずです。設計監理料の項目が無ければ、基礎工事・大工工事・屋根工事等々の各工種に監理費用が何割か上乗せして計上されて、元請の工務店さんの収入になっているだけです。
信頼のおける工務店さんであれば、設計事務所にお金が渡ろうが、工務店さんが取ろうが建築主には関係ありません。どちらでも良いことです。
しかし、馴染みの工務店さんがいない場合、工務店さん仕事を誰が監理するのでしょうか?
建築工事途中で工務店さんの手抜きが不安で、疑心暗鬼になってしまった結果、yahoo知恵袋等の質問コーナーに愚痴をこぼす人が数多くいます。設計事務所の費用が高いとセルフジャッジしてしまった結果の災難です。
設計事務所は、建築主の代理人として工務店をしっかり監理する役目も負ってます。その為の設計監理料です。この費用が、設計施工では設計者の手に渡らず、工務店が取ってしまうために工務店を監理する人がいません。
人それぞれ価値観が違います。良心的な工務店さんでさえも、建築主と価値観が違えばセルフジャッジにまつわるトラブルに無縁とは云えません。
建築工事には、工務店さんとは独立した客観的な判断が出来る、設計事務所が不可欠です。
このコラムの執筆専門家
- 福味 健治
- (大阪府 / 建築家)
- 岡田一級建築士事務所
木造住宅が得意な建築家。
建築基準法だけでは、家の健全性は担保されません。木造住宅は伝統的に勘や経験で建てらていますが、昨今の地震被害は構造計算を無視している事が大きく影響しています。弊社は木造住宅も構造計算を行って設計しています。免震住宅も手掛けています。
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