日経記事;"海外生産、輸出拡大にFTA活用 トヨタ・東芝"考察 - 海外展開 - 専門家プロファイル

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日経記事;"海外生産、輸出拡大にFTA活用 トヨタ・東芝"考察

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皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

3月18日付の日経新聞に、『海外生産、輸出拡大にFTA活用 トヨタ・東芝 関税下げで国際競争力強化』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『日本の主要製造業が自由貿易協定(FTA)を活用し、海外生産を拡大する。東芝はインドの火力発電用タービン工場の能力を2015年度までに倍増し、東南アジアなどへ輸出する。トヨタ自動車は米国工場から韓国への輸出を始めた。

こうした海外工場の第三国向け輸出は10年度で1888億ドル(約15兆7千億円)と10年間で3倍強になった。関税など貿易の障害を相互に撤廃するFTAの広がりに対応し、最適地からの輸出に切り替えて国際競争力を高める。

東芝は2月、石炭火力発電向け蒸気タービンで海外初となる工場をインドで稼働させた。生産能力は300万キロワット分で、当面はインド国内に供給する。15年度までに能力を600万キロワット分に倍増させたうえで、インドとFTAを結んでいる東南アジアのほか中近東などへ輸出を始める。総投資額は約130億円。

火力発電所は東京電力福島第1原発の事故後、代替エネルギーとして需要が国内外で急増している。設備容量は35年に08年比75%増の5585ギガワットとなる見通し。発電効率を高めて二酸化炭素(CO2)排出量を抑制する技術を生かし、新興国向けインフラ輸出に力を入れる。

トヨタは米韓FTAの締結を受け、米国工場で生産したセダン「カムリ」やミニバン「シエナ」の対韓輸出をこのほど始めた。FTA発効で米国から輸出する乗用車の関税は8%から4%に引き下げられた。17年に撤廃される予定で、輸出競争力が高まる。

13年からは多目的スポーツ車「ハイランダー」のロシアや豪州への輸出分も、米国に移管する。日本に次ぐ生産能力を持つ米国を輸出拠点として最大限に活用する。

トヨタは12年に過去最高となる870万台規模の世界生産を計画しており、13年には900万台前後に増やす見通し。増加分は原則、海外の既存拠点や工場増設で対応する。最適地生産を進めて収益力を高める。

日本企業は海外生産の拡充に合わせ、輸出拠点の比重を国内から海外に移してきた。経済産業省の海外現地法人動向調査によると、海外拠点からの第三国向け輸出額は01年度の617億ドルから、10年度には1888億ドルとなった。11年度は円高で日本からの輸出採算が悪化したこともあり、2千億ドルに迫る勢いだ。

国内の製造現場の雇用は増えにくくなるが、海外子会社が輸出で稼いだ分は、子会社からの配当金という形で日本企業に還流する。財務省によると、11年に直接投資から得た収益は3兆8136億円。直近ピークだった08年を上回り過去最高を記録した。

産業空洞化に歯止めをかけるには、環太平洋経済連携協定(TPP)や欧州連合(EU)などとの経済連携協定(EPA)交渉を加速するといった政府の支援も必要となる。』

FTAとは、自由貿易協定のことで、Free Trade Agreementの頭文字になっています。物品の関税、その他の制限的な通商規則、サービス貿易等の障壁など、通商上の障壁を取り除く自由貿易地域の結成を目的とした、2国間以上の国際協定が基本となります。

FTAの基本的な枠組みは、最近国内で議論が始まっていますTPPと同じです。TPPは関係諸国によるFTAの拡大版と理解しています。

日本はこれまでにアセアン諸国やメキシコ、チリ、スイスなどとFTAを締結しました。韓国とはFTAの交渉中であり、まだ締結していません。

今回の記事では、トヨタは、米国が韓国と結んだFTAを利用して、米国内で生産した乗用車を韓国に輸出するやり方で事業拡大を図ります。FTAの基本は将来的には関税撤廃ですから、韓国車と同じ競争条件化で競争でき、商品力のある乗用車が勝ち残れます。

このような企業間競争は、顧客のメリットなると共に、企業にとってもフェアな条件下で合理的な競争が出来ますので、切磋琢磨してより良い商品・サービスを提供出来るようにして勝ち組に入ることが可能ですし、そうする必要があります。

政府が不要な規制を取りはらって、企業がフェア且つ自由な経済環境下で事業出来るようにすれば、経済合理性に基づいて実力のあるところが事業展開を行い、勝ち残れます。

本日の記事にあります、東芝やトヨタの事業展開は、その一つです。

自動車業界では、最近までメキシコに製造拠点を置く動きが活発化してきました。メキシコは1990年代初頭から積極的にFTAを追求してきた。米国・カナダとの間の北米自由貿易協定(NAFTA)を手始めに、99年にはチリ、2000年にはEU、01年には欧州自由貿易連合(EFTA)諸国との協定を発効させました。ブラジルとは2002年に締結しています。

3月16日付の日経によると、メキシコとブラジルは、ブラジル向け乗用車輸出を2012年から14年までの3割削減することになったと発表しています。これは、ブラジル側の輸入超過による事態を改善するためです。

メキシコには、日産やマツダの国内自動車メーカーが生産拠点を置いていますので、この輸出規制から影響を受ける可能性があります。

このように、FTAを結んだからといっても、ある期間、上記制約・規制が生じる可能性もあります。しかし、FTAを結んでいる限り、基本的にはこのような制約は限定的とみています。

海外に進出・投資する企業は、柔軟に且つしなやかにこのような環境変化に対応することが、世界市場で勝ち残るために必要な条件の一つです。

世界市場をみていますとFTAは大きな流れになっています。政治・経済環境によって多少の混乱や停滞はありますが、TPPを含めて世界市場に根付いていくとみています。

国内企業は、世界市場を相手にしないと勝ち残っていけません。FTAや他の規制を柔軟に克服・活用して事業す「るしたたかさ」が必要です。

政府には規制緩和や撤廃を急いで行うことを期待しますが、各企業は並行して現在の環境下で世界市場にどう向かうか考え・実行する必要があります。

世界市場で事業する中小企業も同じです。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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