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三瀬 宏太
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節税商品だった法人契約のがん保険が改正で半額損金扱いに!?

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さて、今回は節税対策でがん保険を適用している、若しくは、これから適用を検討しているお客様向けの情報提供です。先月の29日に国税庁は、「法人契約の『がん保険(終身保障タイプ)・医療保険(終身保障タイプ)』の保険料の取扱いについて」(課審4-100、平成13年8月10日付)の一部改正案をHPで公表し、行政手続法に基づく意見公募を始めました。

(注)現状では従来の取り扱い(終身払込の場合は、全損扱い。有機払込の場合は、保険期間の経過に応じて損金の額に算入。)のままです。

↓パブリックコメント

http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=410240007&Mode=0

法人契約のがん保険は、その保険料に含まれる前払保険料の割合が低率であり、かつ、保険期間の終了に際して支払う保険金が無いことから、終身払込の場合には、その支払いの都度損金の額に算入することが認められていたため、節税対策商品として、保険会社が法人向けに強く営業をしていました。実際に、私も何度となく、保険の外交員から勧められた事があります。

しかし、保険会社各社の商品設計が多様化し、前払保険料や解約返戻金の割合が変化していることから、上記「法人契約の『がん保険(終身保障タイプ)・医療保険(終身保障タイプ)』の保険料の取扱いについて」(課審4-100、平成13年8月10日付)について、課税体制が実態にそぐわないため、改正案が検討されている次第です。これによりどの様な影響があるか具体的数値を使って考えると以下の通りです。

改正前

A社 売上1,200千円 費用200千円 法人税等 400千円

   →節税対策によりがん保険を500千円支払う。

    売上1,200千円 費用700千円 法人税等 200千円

改正後

A社 →節税対策によりがん保険を500千円支払う。

売上1,200千円 費用450千円 法人税等 300千円

(注) 簡便的に、法定実効税率を40%として計算し、がん保険の契約内容については、以下を前提としています。

 契約者:A社  被保険者:役員又は使用人(これらの者の親族を含む。)

 主たる保険事故及び保険金:初めてがんと診断→がん診断給付金 がんによる入院→がん入院給付金 がんによる手術→がん手術給付金 がんによる死亡→がん死亡保険金

 保険期間:終身  保険料払込期間:終身払込  保険金受取人:A社、役員又は使用人

 払戻金:保険料は掛け捨てであり、いわゆる満期保険金はないが、保険契約の失効、告知義務違反による解除及び解約等の場合には、保険料の払込期間に応じた所定の払戻金が保険契約者に払い戻されることがある。

この様に、今までは全額損金扱いにできたがん保険も改正案が通った場合には、半額までしか損金計上できなくなり、節税効果が薄れることになります。

この改正は、だいぶ前からいつかこうなるだろうと多くの人の間で言われていましたが、問題は、いつから契約のがん保険について、適用されるのかというところでした。これについても、今回のパブリックコメントのP2を見てみれば、「平成○年○月○日前の契約に係る「がん保険」の保険料については、なお従前の例によります。」とあるため、改正が入ったとしても、既に契約済みのものについては、全額損金扱いが出来そうですね。現在、がん保険を使っているお客様にとっては、朗報で良かったです。

 

税理士 三瀬 宏太

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