ファンドマネジャーの腕前はインフォメーション・レシオで測る

昨日は、ポートフォリオの収益率とリスクの関係をみる測度として、シャープレシオを紹介しました。その他の測度をご紹介します。

シャープレシオはファンド(ポートフォリオ)の収益率から無リスクの収益率を引いたものをリスクで除することにより、ポートフォリオの運用同士を比べることが出来ます。
ただ、引くのは無リスク資産の収益率ですので、全てのファンドを同じ条件で比較しますので、夫々のファンドの運用者の制限事項、例えば国内株式を対象とするファンドであれば、国外債券や外国株式を組み入れる事が出来ません。
この為、そのファンドのファンドマネジャー腕前以外の要因で当該ファンドの良さ・悪さに決まる場合があります。
それを改善した測度として、インフォメーション・レシオが年金運用などの機関投資家の世界で使われています。

インフォメーション・レシオが対象とするのは、アクティブ・リターンです。アクティブリターンとは、投資信託等で超える事を目標としているものとして使われるベンチマークとの差をベースとしています。

インフォメーション・レシオとは
(ポートフォリオのアクティブ・リターン)÷(ポートフォリオのアクティブ・リターンの標準偏差)
になります。これにより、多くの国内株式を対象とするファンドは、TOPIXをベンチマークとしていますので、アクティブ・リターンはTOPIXのパフォーマンスとの差になります。
また、国外先進国株式を対象とするファンドでMSCIコクサイをベンチマークするものはMSCIコクサイのパフォーマンスとの差になります。

このことにより、各ファンドのベンチマークをどの程度上回ったのかの良さ・悪さを比較できます。
そして、この値が、ベンチマークを超えなかった場合にはマイナスになりますから、そのファンドはベンチマークに連動するインデックス・ファンドに劣ることになります。

一般投資家として、保有する投資信託の運用レポートを読む際には、どの程度ベンチマークを上回ったかを確実に押さえて下さい。もし、上回ることが少なければ、ベンチマークを対象とするインデックス・ファンド又はETFに切り替えることをご検討下さい。
概してコストが下がる分だけ、パフォーマンスが改善されます。

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文責
ファイナンシャル・プランナー  日本FP協会認定CFP(R)
ロングステイ財団登録ロングステイアドバイサー
宅地建物取引主任者
独立系顧問料制アドバイザー　吉 野　充 巨
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