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日経記事;"自動車災害に強い部品供給網,共通仕様で生産分散"考察

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皆様、
おはようございます。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

3月10日付の日経新聞に、『自動車、災害に強い部品供給網へ 共通仕様で生産分散「ルネサス・ショック」教訓に』 のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『東日本大震災でルネサスエレクトロニクスの那珂工場が被災し、マイコン不足で国内外の自動車生産などが止まった「ルネサス・ショック」。あれから1年。産業界では「強いサプライチェーン(供給網)」の構築が進んでいる。

ルネサスとトヨタ自動車など自動車大手各社は、半導体マイコンの標準化に取り組む。メーカー、車種ごとに特注品を供給しているマイコンの仕様を共通化し、1つのマイコン工場が被災しても他工場ですぐに代替生産ができる体制を目指す。

国産車の機能の差異化のため少量多品種の特注品を開発し続けてきたことなどから、ルネサスのマイコンは型名が10万種類に及ぶ。米テキサス・インスツルメンツ(TI)など海外大手は他の全製品合わせても4万程度とみられ、ルネサスの品種の多さはコスト高の原因にもなっている。

震災時には那珂工場で作っていた特注品の代替生産ができず、自動車の生産復旧に時間がかかった。

この教訓を生かし、ルネサスと自動車各社は、機能が似通っているマイコンの使用共通化を検討している。

自動車メーカーが標準仕様のマイコンを使うようになれば、震災などで仮にどこかの生産工場が停止しても、他工場で素早く代替生産ができ、車の生産活動にも遅れが生じないようになる。

ルネサスは同じ種類のマイコンを2工場で生産する体制作りを進めている。1つの工場の生産が止まった場合、流通在庫工場の復旧時間、代替生産への移行時間を試算。顧客の生産に支障が出ないようにする。

生産分散を要請

トヨタの佐々木真一副社長は「国内のどの地域が被災しても、2週間以内に生産を再開できる体制を目指す」と話す。

トヨタは昨年7月、3次、4次以下の素材や構成部品メーカーを含め国内の約1500工場の場所と生産品目をデータベース化した。

特定の工場が被災した場合にどの部品に影響が出るかをさかのぼって検索できる「逆引き」システムを導入。昨年10月のタイの大規模洪水ではこのシステムを活用し、不足部品の早期特定につなげた。

地震発生の確率が高い地域の地図とサプライチェーンを重ねたリスクマップも作製。大規模な災害があった場合にどの工場が被災する可能性があるかを即時に把握できるようにした。

本社(愛知県豊田市)の電算ビルが被災して使えなくなった場合に備え、グループのダイハツ工業と日野自動車のデータセンターにバックアップシステムを用意。災害時には使用可能な方のシステムを使って全世界に生産指示などを飛ばせる体制を整えた。

東日本大震災とタイ洪水で部品が不足し、生産再開の足かせとなった一部の電子部品については、メーカーに生産拠点を2カ所以上に分散する「マルチファクトリー化」を要請。

拠点の分散が困難な場合は生産リードタイムに合わせた在庫を常備してもらうよう指示した。大部分の電子部品は3月末までに在庫確保が整うという。』

昨年の大震災でルネサスの工場は壊滅的な打撃を受け、半年間自動車向け半導体マイコンを生産・供給できない事態に直面しました。

自動車メーカーは、各自動車ごとに異なる要求仕様のマイコン供給をルネサスに求めていたため、供給再開に更なる時間がかかりました。

その反省から、自動車メーカーとルネサスの間で今後の改善策が検討された結果、ルネサスは車用マイコンの品種の数を削減することになったのです。

昨年は10万種のマイコンが存在していたとのこと。海外メーカーのテキサス・インスツルメンツは全部合わせても4万種といいますから、数の多さは群を抜きます。

各自動車メーカーは、自社の車の差別化・差異化を行うために独自仕様のマイコン使用を要求してきました。家電メーカーが先に経営破たんしたエルピーダに独自仕様のDRAM供給の要求をしていたことと同じです。

国内の電機や自動車メーカーは、今まで独自仕様の半導体やマイコンを供給メーカーに要求してきたため、エルピーダやルネサスが、製造コストを下げられない要因の一つになっていました。

エルピーダが韓国のサムスンに負けた原因の一つが、汎用品生産数量の差からくるコスト競争力です。

ルネサスも同じ問題ん直面していました。今後、自動車メーカーとの間でマイコン共通化が進めば、ルネサスも製造コストを下げられますし、自動車メーカーもより低価格で安定した形でマイコン供給されますので、「Win/Win」関係が成り立ちます。

ルネサスも更なる価格競争力を持って世界市場で販売し、海外企業と戦って勝ち残る必要があります。それには、マイコンの共通化・標準化は大きな援軍になります。

自動車も今後、ハイブリッド車や電気自動車などの普及により、開発、設計、生産が家電製品やパソコンなどとと同じように水平分業化が進みます。
更に、新興国市場で勝ち残るには、機能や仕様を絞って現地ニーズにあった低価格車を提供する必要があります。

部品メーカーも自動車メーカーも、水平分業化、汎用化、低価格化などの課題を克服しつつ、差別化・差異化を実現して世界市場で勝ち残る工夫が必要です。

競争力の源泉は、技術や製品の開発力と製造コストの削減力になります。世界市場で勝ち残る新しいルネサスの姿に注目し、且つ、期待します。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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