米国特許法改正規則ガイド (第7回) - 特許・商標・著作権全般 - 専門家プロファイル

河野 英仁
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米国特許法改正規則ガイド (第7回)

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米国特許法改正規則ガイド (第7回)

 第1回

河野特許事務所 2012年5月1日 執筆者:弁理士  河野 英仁

 

(12)規則1.172「出願人」、

規則1.175「再発行宣誓書または宣言書」、

規則1.311「許可通知」の改正、及び、

規則1.497「米国特許法第371条(c)(4)に基づく宣誓書又は宣言書」の改正

 

 規則1.172及び規則1.175は再発行出願についての宣誓書または宣言書について規定したものである。規則1.311では米国特許法第118条の改正に伴う許可通知に関する改正が行われ、規則1.497では米国に国内移行する際に必要な宣誓書または宣言書について改正が行われた。

 

(i)規則1.175(a) の注意点

 出願人は、再発行宣誓書または宣言書において再発行の根拠となる各理由を特定する要件が明確化された。具体的には、以下のうち当てはまる理由を述べなければならない。

 (1) 瑕疵のある明細書または図面

 (2)特許権者が特許に関して主張する権利を有するものより多く主張したこと、または、

 (3)特許権者が特許に関して主張する権利を有するものより少なく主張したこと、また変更がクレームの拡大を理由とする場合、広がったクレーム及び明細書の広がった部分を特定すること。

 

(ii)規則1.175(c) の注意点

  新規の過誤についてのみ言及しなければならず、再発行宣誓書または宣言書にて過去の過誤に言及する必要はないということを明確化したものである。これはMPEP1414.01,Iにも従うものである。

 

(iii)規則1.311(c)

 改正米国特許法第118条では「長官が発明者以外の者により本章に基づき申請された出願に係る特許を認めた場合、当該特許は、長官が条件を満たすと判断したことを発明者に通知することにより、実際の利害関係のある当事者に対し認められる。」と規定された。当該規定に対応すべく、規則1.42(発明者が死亡または法的無能力である場合)または規則1.47(発明者が署名を拒絶するか又は発明者と連絡が取れない場合)に基づき出願した場合、出願人は出願の所有権の変更を、登録料の納付前にUSPTOに通知しなければならないとする規則1.311(c)を新設した。当該通知がない場合、USPTOは出願の所有権に変更がないものとして取り扱う。

 

改正前

改正後

 

規則1.172 出願人、譲受人

(a) 別段の定めがある場合を除き(§1.42,§1.43,§1.47参照),再発行宣誓書の署名及び宣誓,又は宣言書の作成は,発明者によって行われなければならず,また,特許に関する不可分の権利を有する譲受人がいるときは,宣誓書若しくは宣言書には,譲受人全員による同意書が添付されていなければならないが,出願が原特許のクレームの範囲の拡大を求めないときは,再発行宣誓書の作成及び宣誓,又は宣言書の作成は,権利全体の譲受人が行うことができる。再発行に同意する全ての譲受人は,再発行出願に関して,§3.73(b)の規定による提出物を提出することにより,自己の所有権を確認しなければならない。

(b) 再発行特許は,その権利が示されるところに従い,原特許権者,その法定代理人又は譲受人に付与される。

規則1.172 出願人

(a) 再発行特許出願人は、特許に関する不可分の権利を有する譲受人がいるときは,譲受人全員による同意書が添付された宣誓書または宣言書を提出しなければならない。

(b)宣誓書または宣言書

 (1)クレーム範囲を広げない再発行:出願において元の特許のクレーム範囲の拡大を求めない場合、宣誓書または宣言書には以下の者が署名しなければならない。:

  (i)死亡者または法的無能力者の法定代理人、または、非署名発明者に対する規則1.47(発明者が署名を拒絶するか又は発明者と連絡が取れない場合)に基づく出願人を含む発明者

  (ii)権利全体の譲受人;または

  (iii) 死亡者または法的無能力者の法定代理人、または、非署名発明者に対する規則1.47(発明者が署名を拒絶するか又は発明者と連絡が取れない場合)に基づく出願人を含む、権利が譲受されていない全発明者に加え全ての部分的な譲受人

 (2) クレーム範囲を広げる再発行:出願人が元の特許のクレーム範囲の拡大を求める場合、宣誓書または宣言書は以下の者により署名しなければならない。:

  (i)死亡者または法的無能力者の法定代理人、または、非署名発明者に対する規則1.47(発明者が署名を拒絶するか又は発明者と連絡が取れない場合)に基づく出願人を含む発明者;または

  (ii)2012年9月16日またはそれ以降に提出された再発行出願に関しては、原特許に係る出願が権利全体の譲受人により提出されている場合(すなわち、規則1.42または規則1.47に基づき当該譲受人により宣誓または宣言が行われている場合)、権利全体の当該譲受人

(c)譲受人の所有権:再発行に同意する全ての譲受人は,再発行出願に関して,§3.73(b) (商標または特許事項における行動を要求または取るための譲受人権利の確立)の規定による提出物を提出することにより,自己の所有権を確認しなければならない。

(d) 再発行特許は,その権利が示されるところに従い,原特許権者,その法定代理人又は譲受人に付与される。

 

規則1.175 再発行宣誓書または宣言書

 (a) 再発行宣誓書又は宣言書は,§1.63の要件を満たすことに加え,次の事項も記載しなければならない。

(1) 出願人は,瑕疵のある明細書若しくは図面を理由として,又は特許権者が,特許に関して主張する権利を有するものより多く若しくは少なく主張したことを理由として,原特許の全部又は一部が作用しない又は無効であると考えていること。これに関しては,再発行のための理由として使用する過誤の少なくとも1を記載しなければならない。及び

(2) 再発行出願において,本項に基づく宣誓書又は宣言書の提出時までに訂正される過誤の全てが,出願人の側の詐欺的意図がなく生じていたこと

(b)(1) (a)に基づいて提出される宣誓書又は宣言書によって取り扱われていない過誤の訂正に関しては,出願人は,当該過誤が出願人の側での詐欺的意図がなく生じたことを申し立てる補足の宣誓書又は宣言書を提出しなければならない。本項によって要求される補足の宣誓書又は宣言書は,特許許可前に提出されなければならず,また,その提出は,

(i) 許可前に補正書と共に,又は

(ii) 本項に基づく補足の宣誓書又は宣言書の提出により審査官が行う35 U.S.C.第251条に基づく拒絶が克服される旨の指示があった場合は,その拒絶を克服するために,行うことができる。

(2) 許可後に訂正を求める過誤に関しては,訂正されるべき過誤が出願人の側での詐欺的意図がなく生じたことを陳述する補足の宣誓書又は宣言書が,訂正要求に添付されなければならない。

(c) (a)(1)に規定されているとおりに,再発行の理由とする1の過誤について記述した後,宣誓書又は宣言書において前に記述された過誤の全てが訂正されない場合を除き,(b)に基づくその後の宣誓書又は宣言書が訂正されている他の過誤を明示して特定する必要はない。

*****

(e) 親再発行出願に代わるものではない,継続する再発行出願の提出は,宣誓書又は宣言書であって,(a)(1)に従って,親再発行出願又は先の再発行出願によって訂正済みとはなっていない原特許における過誤の少なくとも1を特定するものを含んでいなければならない。宣誓書又は宣言書に関する他の要件の全ても満たされなければならない。

規則1.175 再発行宣誓書または宣言書

(a) 再発行宣誓書又は宣言書は,規則1.63(宣誓書または宣言書)の要件を満たすことに加え,再発行のための理由として使用する米国特許法第251条に従う少なくとも一つの過誤を明確に特定し、出願人が原特許の全部または一部が作用しないまたは無効であると考えていることを、以下のうち当てはまる理由によって述べなければならない。

 (1) 瑕疵のある明細書または図面

 (2)特許権者が特許に関して主張する権利を有するものより多く主張したこと、または、

 (3)特許権者が特許に関して主張する権利を有するものより少なく主張したこと、また変更がクレームの拡大を理由とする場合、広がったクレーム及び明細書の広がった部分を特定すること。

 (b)何らかの点において広がったクレームは、本セクションパラグラフ(a)(3)に従う広がったクレームとして取り扱われ、かつ、特定せねばならない。

(c)本セクション(a)に従う再発行宣誓書または宣言書において既に特定された全ての過誤がもはや再発行の理由として使用することができない場合、再発行の理由として使用している新たな過誤は、本セクションに従う再発行宣誓書または宣言書において特定されねばならず、その陳述は当該新たな過誤についてのみ言及しなければならない。

*****

(e)継続的再発行出願:

 (1)継続的再発行出願が先の再発行出願に取って代わる場合、規則1.172(出願人)に従う再発行宣誓書または宣言書の要件は、取って代わる先の再発行出願の再発行宣誓書または宣言書の写しにより満たされる。

  (2)継続的再発行出願が先の再発行出願に取って代わらない場合、規則1.172に従う再発行宣誓書または宣言書の要件は、以下により満たされる。:

  (i)先の再発行出願により修正されなかった原特許における少なくとも一つの過誤を特定する新たになされた再発行宣誓書または宣言書、または、

  (ii)特定された過誤が先の再発行出願にて修正されなかったこと、または、特定された過誤が先の再発行出願とは異なる形態でどのように修正されているのか、のいずれかを説明する陳述を伴う利益主張系統範囲内での先の再発行出願の再発行宣誓書または宣言書の写し

(f)米国特許法第115条(h)(1)に従い提出された再発行宣誓書または宣言書は、何時提出されたものでも、再発行出願の包袋書類内で取り替えられる。ただし、USPTOによりレビューされない。

 

規則1.311 許可通知

* * * * *

(c)譲受人、発明者が発明を譲渡する義務のある者、または、それ以外に当該事項に関する十分な経済的利害関係を証明する者が規則1.42(発明者が死亡または法的無能力である場合)または規則1.47(発明者が署名を拒絶するか又は発明者と連絡が取れない場合)に基づき出願した場合、出願人は出願の所有権の変更を、登録料の納付前にUSPTOに通知しなければならない。USPTOは、そのような通知がなければ、出願の所有権に変更がないものとする。

規則1.497 米国特許法第371条(c)(4) (国内段階、発明者の宣誓書または宣言書)に基づく宣誓書又は宣言書

(a) 国際出願の出願人が,§1.495に従って,35 U.S.C.第371条に基づく国内段階へ移行することを希望し,かつ,その国際出願に関して,本条に従った宣言書(申立書)が,PCT規則26の3.1に定められている期間内に,PCT規則4.17(iv)に基づいて事前に提出されていない場合は,出願人は,次の条件を満たす宣誓書又は宣言書を提出しなければならない。

(1) §1.66又は§1.68の何れかに従って作成されること

(2) それが対象としている明細書を特定すること

(3) 各発明者及び各発明者の国籍を特定すること,及び

(4) 宣誓又は宣言をする者が,記名されている発明者を,クレームされており,特許が求められている主題についての本来かつ最初の発明者であると考えている旨を記述すること

(b)(1) 宣誓書又は宣言書は,§1.42,§1.43又は§1.47に定められている場合を除き,実際の発明者全員によって作成されなければならない。

(2) 宣誓書若しくは宣言書,又は補充宣誓書若しくは補充宣言書を作成する者が発明者でない場合(§1.42,§1.43又は§1.47)は,その宣誓書又は宣言書は,当該人と発明者との関係,並びに情報及び所信に基づいて,発明者が陳述することを要求されたであろう事実を記述しなければならない。宣誓書又は宣言書に署名する者が死亡した発明者の法定代理人である場合は,宣誓書又は宣言書は,当該人が法定代理人であること,並びに法定代理人の国籍,居所及び郵便宛先も記載しなければならない。

(c) (f)に従うことを条件として,宣誓書又は宣言書が(a)及び(b)の要件を満たしている場合は,その宣誓書又は宣言書は,35 U.S.C.第371条(c)(4)及び§1.495(c)に適合しているものとして受理される。ただし,その宣誓書又は宣言書がまた§1.63の要件を満たしてはいない場合は,§1.63に適合する補充宣誓書若しくは補充宣言書,又は出願データシートが,§1.67に従って要求される。

規則1.497 米国特許法第371条(c)(4) (国内段階、発明者の宣誓書または宣言書)に基づく宣誓書又は宣言書

(a)国際出願の出願人が,§1.495に従って,35 U.S.C.第371条に基づく国内段階へ移行することを希望し,かつ,その国際出願に関して,本条に従った宣言書(申立書)が,PCT規則26の3.1に定められている期間内に,PCT規則4.17(iv)に基づいて事前に提出されていない場合は,出願人は,規則1.63に従う宣誓書または宣言書を提出しなければならない。

(b) 以下の条件を満たす場合、宣誓書又は宣言書は,米国特許法第371条に基づく国内段階への移行目的に関し米国特許法第371条(c)(4)及び規則1.495(c)(国内段階への移行)に適合しているものとして受理される。

 (1)宣誓書または宣言書が、規則1.66(宣誓をさせる権限を有する職員)または規則1.68(宣誓書に代わる宣言書)のいずれかに従ってなされていること。

 (2)宣誓書または宣言書が、それが対象としている出願を特定すること。

 (3)宣誓書または宣言書が各発明者を特定していること。

 (4)宣誓書または宣言書が、宣誓又は宣言をする者が,記名されている発明者を,出願に係るクレーム発明の本来の発明者または本来の共同発明者であると考えている旨を記述していること

 (5)宣誓書または宣言書が、出願が発明者によりなされ、または、発明者によりなされる権限を与えられている旨を記述していること。

 (6)宣誓書または宣言書が発明者によりなされていない場合、規則1.42(発明者が死亡または法的無能力である場合)及び規則1.47(発明者が署名を拒絶するか又は発明者と連絡が取れない場合)の適用可能な要件に従うこと。

(c)規則1.497(b)の要件に合致する宣誓書又は宣言書がまた規則1.63の要件に合致しない場合,規則1.63に適合する宣誓書または宣言書、若しくは、補充的出願データシートは,規則1.67(宣誓書または宣言書の非順守)に従って要求される。

以上

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