米国特許法改正規則ガイド (第6回) - 特許・商標・著作権全般 - 専門家プロファイル

河野 英仁
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米国特許法改正規則ガイド (第6回)

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米国特許法改正規則ガイド (第6回)

 第1回

河野特許事務所 2012年4月27日 執筆者:弁理士  河野 英仁

 

(9)規則1.64「宣誓又は宣言をする者」の改正、及び

規則1.67「宣誓書または宣言書の非順守」の改正

(i)規則1.64(b) の注意点

 規則1.64(b)では法定代理人の国籍は不要とする点改正された。宣誓書または宣言書において発明者の国籍の記載要件が米国特許法第115条から排除されたため、同様に法定代理人の国籍の記載も不要としたものである。

 

(ii)規則1.67の改正の注意点

 規則1.64は宣誓書または宣言書に不備がある場合の取り扱いについて規定している。USPTOが修正を要求することができるほか、出願人も修正を要求することができる。なお、改正前に存在していた補充(supplemental)宣誓書、及び補充宣言書は削除された。

 

改正前

改正後

規則1.64 宣誓又は宣言をする者

* * * * *

(b) 宣誓又は宣言をする者が発明者でない場合(§1.42,§1.43,§1.47又は§1.67)は,その宣誓書又は宣言書は,当該人と発明者との関係,及び発明者が陳述を要求される情報及び信念に基づく事実を,陳述しなければならない。宣誓又は宣言をする者が死亡した発明者の法定代理人である場合は,その宣誓書又は宣言書はまた,当該人が法定代理人であること,並びに当該法定代理人の国籍,居所及び郵便宛先を陳述しなければならない。

規則1.64 宣誓又は宣言をする者

* * * * *

(b)宣誓又は宣言をする者が発明者でない場合(規則1.42(発明者が死亡または法的無能力である場合),規則1.47(発明者が署名を拒絶するか又は発明者と連絡が取れない場合)又は規則1.67(宣誓書または宣言書の非順守))は,その宣誓書又は宣言書は,当該人と発明者との関係,及び発明者が陳述を要求される情報及び信念に基づく事実を,陳述しなければならない。

宣誓又は宣言をする者が死亡または法的無能力発明者の法定代理人である場合は,その宣誓書又は宣言書はまた,当該人が法定代理人であること,並びに当該法定代理人の居所及び郵便宛先を陳述しなければならない。ただし、当該情報が規則1.76(出願データシート)に従う出願データシートにて提供されている場合は除く。

(a) 先に提出された宣誓書又は宣言書に存在している不備又は不正確を訂正するために,§1.63又は§1.162の要件を満たす補充宣誓書又は補充宣言書を,特許商標庁は要求することができ,又は発明者及び出願人は提出することができる。

(1) 全ての発明者又は出願人(§1.42,§1.43又は§1.47)に関する不備又は不正確は,全ての発明者又は出願人によって署名された補充宣誓書又は補充宣言書をもって訂正することができる。

(2) 全ての発明者又は出願人より少ない者(§1.42,§1.43又は§1.47)に関する不備又は不正確は,発明主体全体を特定しているが,過誤又は不備に係る発明者又は出願人のみによって署名された補充宣誓書又は補充宣言書をもって訂正することができる。

(3) 宣誓書又は宣言書において§1.63(c)の要件を満たさなかったことによる不備又は不正確(例えば,発明者の郵便宛先の遺漏の訂正)は,§1.76に従った出願データシートをもって訂正することができる。

(4) 補充宣誓書若しくは補充宣言書又は出願データシート(§1.76)の提出は,その補充宣誓書若しくは補充宣言書又は出願データシートに署名しなければならない者に関する部分を除き,§1.33(a)(2)及び本条(b)に準拠する。

(b) 当初に提示された発明若しくはクレームの記述において,提示され若しくは説明されてはいたが,実質的には包含されていなかった事項についてクレームが提出される場合,又は明細書及び所要の図面が提出された後に§1.53(f)に従って提出された宣誓書若しくは宣言書が,新規事項を含む補正に明示して,かつ,不適切に言及している場合は,§1.63の要件を満たす補充宣誓書又は補充宣言書が提出されなければならない。非仮出願の出願日以後は,補充宣誓書又は補充宣言書が提出されたとしても,その出願に新規事項を導入することができない。適切な状況においては,ここで要求されている宣誓又は宣言は,発明者以外の出願人が情報及び所信に基づいて行うことができる。

規則1.67 宣誓書または宣言書の非順守

(a)宣誓書または宣言書が米国特許法第115条または規則1.63(宣誓書または宣言書)若しくは1.162(出願人,宣誓書又は宣言書)の要件に従わない場合、規則1.63または規則1.162の要件に合致する宣誓書または宣言書を提出して先に提出した宣誓書または宣言書中の不備または不正確部分を修正することをUSPTOが要求してもよく、または、発明者若しくは出願人が提出してもよい。

 (1) 全ての発明者又は出願人(規則1.42(発明者が死亡または法的無能力である場合),または規則1.47(発明者が署名を拒絶するか又は発明者と連絡が取れない場合) )に関する不備又は不正確は,全ての発明者又は出願人によって署名された米国特許法第115条及び規則1.63または規則1.162に従う宣誓書または宣言書をもって訂正することができる。

 (2) 全ての発明者又は出願人より少ない者(規則1.42,または規則1.47)に関する不備又は不正確は,発明主体全体を特定しているが,過誤又は不備に係る発明者又は出願人のみによって署名された米国特許法第115条及び規則1.63または1.162に従う宣誓書又は宣言書をもって訂正することができる。

 (3) 宣誓書又は宣言書において§1.63(b)(郵便宛先、居所)の要件を満たさなかったことによる不備又は不正確は,規則1.76(出願データシート)に従った補充出願データシートをもって訂正することができる。

(b) 非仮出願の出願日以後は,先に提出された宣誓書または宣言書に存在する不備または不正確を訂正するために宣誓書又は宣言書が提出されたとしても,その出願に新規事項を導入することができない。

 

(10)規則1.76「出願データシート」の改正

(i)規則1.76(a) の注意点

 出願データシートは米国特許法第371条(国内段階)に基づく国際特許出願において提出しなければならない書類であることが明確化された。規則1.55(外国優先権の主張)及び規則1.78(先の出願日の利益の主張及び他の出願との相互参照)の改正に伴い、先の出願の利益を主張する場合も出願データシートの提出が義務づけられることとなった。

(ii)規則1.76(c) の注意点

 出願データシート、宣誓書または宣言書について補正を行う場合、出願データシートではなく、補助的出願データシートを提出すべき旨明確化したものである。出願データシートは出願の一部となり、原則として署名は不要である。一方補助的出願データシートは当該出願に対する補正に該当し、規則1.33(b)( 補正書その他の書類)に従って署名しなければならない。

(iii)規則1.76(d) の注意点

 出願データシート、明細書の補正、宣誓書または宣言書等の間での記載に齟齬がある場合、最新の書類の記載が適用される旨規定している。ただし、発明者名は、最新の宣誓書または宣言書の記載が優先される。

 また優先権及び先の出願の利益を主張する場合は、最新の出願データシートが適用される。すなわち、明細書にて優先権主張、先の出願の利益主張に関する補正をしても効力を生じないことになる。

 

改正前

改正後

規則1.76 出願データシート

(a) 出願データシート

出願データシートとは,仮出願又は非仮出願の何れにおいても任意に提出することができる書類であって,特許商標庁が指定した書式により整えられた書誌的データを含むものである。出願データシートには「出願データシート」の表題が付されなければならず,また,(b)に列記した項目見出しの全てを,個々の項目見出しに該当するデータを付して,含んでいなければならない。出願データシートが提供された場合は,そのデータシートは,その提出に係る仮出願又は非仮出願の一部となる。

*****

(c) 補充的出願データシート

(1) 補充的出願データシートは,その後,先に提出した出願データシート又は§1.63若しくは§1.67に基づく宣誓書又は宣言書の情報を訂正又は更新するために,発行手数料を納付する前に,提出することができる。ただし,発明者名の変更には§1.48が適用され,通信宛先の変更には§1.33(a)が適用され,国籍の変更には§1.63又は§1.67が適用される。及び

(2) 補充的出願データシートは,「補充的出願データシート」という表題が付されていなければならず,(b)に列記した全ての項目見出しを含み,各項目見出しに該当する全ての情報を含まなければならず,また,変更される情報を特定しなければならず,その方法としては,挿入部分に下線を,除去する文言に取消線又は括弧を付すことが望ましい。

(d) 出願データシートと他の書類との間の不統一

本条に基づく出願データシート及び他の書類の双方によって提供される情報の間に不統一がある場合は,(1) (d)(3)に定める場合を除き,情報の提供が出願データシート,明細書の補正,通信宛先の指定によるものか,又は§1.63若しくは§1.67の宣誓書又は宣言書によるものかに拘らず,その内の最後に提出された情報が適用される。

規則1.76 出願データシート

(a) 出願データシート

出願データシートとは,仮出願、非仮出願または米国特許法第371条(国内段階)に基づき国際特許出願において提出しなければならない書類であり、かつ、米国特許法第119条(優先権主張出願、仮出願)、120条(継続出願)、121条(分割出願)または365条(c)(合衆国を指定国とする国際出願の継続出願)または365条(優先権)に基づく優先権または先の出願の利益を主張するために提出しなければならない書類である。出願データシートは特許商標庁が指定した書式により整えられた書誌的データを含むものである。出願データシートには「出願データシート」の表題が付されなければならず,また,(b)に列記した項目見出しの全てを,個々の項目見出しに該当するデータを付して,含んでいなければならない。出願データシートが提供された場合は,そのデータシートは,その提出に係る仮出願又は非仮出願の一部となる。

*****

(c) 補充的出願データシート

 (1) 補充的出願データシートは,先に提出した出願データシート又は規則1.63(宣誓書または宣言書)若しくは§1.67(宣誓書または宣言書の非順守)に基づく宣誓書又は宣言書の情報を訂正又は更新するために,本セクションパラグラフ(a)に基づく出願データシートが出願時に提出されているか否かにかかわらず、出願後かつ発行手数料納付前にのみ,提出することができる。ただし,発明者名の変更には§1.48が適用され,通信宛先の変更には§1.33(a)が適用される。及び

 (2) 補充的出願データシートは,「補充的出願データシート」という表題が付されていなければならず,(b)に列記した全ての項目見出しを含み,各項目見出しに該当する全ての情報を含まなければならず,規則1.33(b)( 補正書その他の書類)に従って署名されていなければならず、また,変更される情報を特定しなければならず,その方法としては,文言の挿入部分に下線を,除去する文言に取消線又は括弧を付すこと。

(d)出願データシートと他の書類との間の不統一

 (1)出願データシート、明細書の補正,通信宛先の指定,または、規則1.63(宣誓書または宣言書)若しくは規則1.67(宣誓書または宣言書の非順守)による宣誓書又は宣言書の間で不統一がある場合は,提出書類の内、最新のものが適用される。ただし、発明者名(規則1.41(a)(1) 非仮出願に係る発明者名)については、最新の宣誓書または宣言書(規則1.63または規則1.67)が適用され、外国優先権(規則1.55外国優先権の主張)または国内利益(規則1.78先の出願日の利益の主張及び他の出願との相互参照)の主張に関しては最新の出願データシートが適用される。

*****

 

(11)規則1.78「先の出願日の利益の主張及び他の出願との相互参照」の改正

 規則1.76(2)(i)は、

「非仮出願又はアメリカ合衆国を指定国とする国際出願であって,1又は2以上の先にされ,同時に係属している非仮出願又はアメリカ合衆国を指定国とする国際出願の利益を主張するものは,先にされた当該各出願への言及を含むか又は含むように補正されなければならず,その際,それらの出願を出願番号(シリーズ・コード及び一連番号によって構成されているもの)又は国際出願番号及び国際出願日によって特定し,双方の出願の間の関係を表示しなければならない。」

 と規定している。

 クロスリファレンスに関する言及は、出願データシートまたは補充的出願データシートにより行わなければならないと改正された。現在審査官は優先権主張の判断にあたり、明細書、明細書に対する補正書、及び、出願データシートを確認する必要があり、非常に手間がかかるという問題があった。実務上は数多くの優先権が主張されるため、これら書類間で不一致が存在したとしても、出願データシートまたは補充的出願データシートを参照することとしたものである。

 

改正前

改正後

規則1.78 先の出願日の利益の主張及び他の出願との相互参照

(a) * * *

  (2) * * *

  (iii) 後にされる出願が非仮出願である場合は,本項によって要求される言及が出願データシート(§1.76)に含まれるか,又は明細書がその表題の後の第1文に当該言及を含むか,若しくは含むように補正されなければならない。

*****

    (5) * * *

  (iii)後にされる出願が非仮出願である場合は,本項によって要求される言及が出願データシート(§1.76)に含まれるか,又は明細書がその表題の後の第1文にその言及を含むか,若しくは含むように補正されなければならない。

*****

規則1.78 先の出願日の利益の主張及び他の出願との相互参照

(a) * * *

  (2) * * *

  (iii) 後にされる出願が非仮出願である場合は,本項によって要求される言及は、出願データシート(§1.76)に含まれるか,または、補充的出願データシート(規則1.76(c))に含まれていなければならない。

*****

    (5) * * *

  (iii) 後にされる出願が仮出願である場合は,本項によって要求される言及は、出願データシート(§1.76)に含まれるか,または、補充的出願データシート(規則1.76(c))に含まれていなければならない。

*****

 

(第7回へ続く)

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