米国特許法改正規則ガイド (第4回) - 特許・商標・著作権全般 - 専門家プロファイル

河野 英仁
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米国特許法改正規則ガイド (第4回)

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米国特許法改正規則ガイド (第4回)

 第1回

河野特許事務所 2012年4月23日 執筆者:弁理士  河野 英仁

 

 

(4)「規則1.41 特許出願人」についての規則改正

(i)規則1.41(a)(3)についての注意点

 規則改正により、国籍の記載が不要となったことから、規則1.41(a)(3)においては非仮出願で宣誓書・宣言書が存在しない場合に、国籍の記載が不要であることを確認的に規定したものである。

 

(ii)規則1.41(a)(4) についての注意点

 米国特許法第371条に基づく国内段階出願における発明者名の修正を容易にしようとする改正である。現行規則では国内段階出願における発明者の修正には手間がかかるという問題があった。

 本改正規則では国内段階出願を、通常の米国特許法第111(a)に基づく出願と類似した取り扱いとするものである。すなわち、規則1.48(f)[1]と同じく宣言書または宣誓書の最初の提出により、発明者の誤りを修正することができる。

 

改正前

改正後

規則1.41 特許出願人

    (a) * * *

 (3) §1.63によって規定されている宣誓書若しくは宣言書を添付せずに提出される非仮出願,又は§1.51(c)(1)よって規定されている添状を添付せずに提出される仮出願に関しては,その出願書類が§1.53(b)又は§1.53(c)に従って提出される時に,実際の発明者と考えられる各人の名称,居所及び国籍が提供されなければならない。

 

 

(4) 35 U.S.C.第371条に基づいて国内段階に移行する国際出願に係る発明者名は,当該国際出願に記載されている発明者名であって,PCT規則92の2に基づいて行われた変更を含む。国際出願において名称表示がされている発明主体とは異なる発明主体の名称表示をしているか,又はPCT規則4.17(iv)に基づいて提出された宣言書の作成の後に,PCT規則92の2に基づいて発明主体についての変更が行われている場合の宣誓書若しくは宣言書の提出に関しては,§1.497(d)及び(f)を参照(35 U.S.C.第371条に基づいて国内段階に移行する国際出願には,§1.48(f)(1)は適用しない)。

 

 

 

 

 

*****

(c) 出願人からの委任を受けている者は,発明者の代理として,特許出願を物理的又は電子的に特許商標庁に届けることができるが,出願に関する宣誓又は宣言(§1.63)は,§1.64に従ってのみ行うことができる。

規則1.41 特許出願人

    (a) * * *

    (3)規則1.63(宣誓書又は宣言書)によって規定されている宣誓書若しくは宣言書を添付せずに提出される非仮出願,又は規則1.51(c)(1)(仮出願の添状)よって規定されている添状を添付せずに提出される仮出願に関しては,その出願書類が規則1.53(b)(非仮出願)または1.53(c)(仮出願)に従って提出される時に,実際の発明者と考えられる各人の名称及び居所が提供されなければならない。

  (4)第371条(国内段階)に基づいて国内段階に移行する国際出願に係る発明者名は,規則1.63(d)(継続・分割出願における宣誓書または宣言書)に規定された場合を除き、PCT規則4.17(iv)( 発明者である旨の申立てであつて実施細則に定める署名がされたもの)に基づき行われる宣言書、若しくは、規則1.497(第371条(c)(4)に基づく宣誓書又は宣言書)の規定に基づく宣誓書または宣言書の最初の提出に記載された発明者名である。

PCT規則4.17(iv)に基づきなされる宣言書も規則1.497に基づきなされる宣誓書または宣言書の何れも、国内段階出願の継続中に提出されない場合、発明者名は当該国際出願に記載されている発明者名であって,PCT規則92の2(願書又は国際予備審査請求書の表示の変更の記録)に基づいて行われた変更を含む。

*****

(c)出願人からの委任を受けている者は,発明者の代理として,特許出願及び関連文書(料金を含む)を物理的又は電子的に特許商標庁に届けることができ、また規則1.33(a)( 通信宛先及び昼間電話番号)に従う通信宛先を提供することができるが,出願に関する宣誓又は宣言(§1.63)は,§1.64(宣誓又は宣言をする者)に従ってのみ行うことができ、補正及び他の書面には規則1.33(b)( 補正書その他の書類)に従って署名しなければならない。

 

(5)「 規則1.42発明者が死亡した場合または法的無能力者である場合」、及び

「規則1.47 発明者が署名を拒絶するか又は発明者と連絡が取れない場合」についての規則改正

 

(i)規則1.42(a)の注意点

 規則1.42(a)は、米国特許法第115条(d)の代替説明書の規定新設に伴い設けられたものであり、米国特許法第115条(d)(2)(i)と(ii)とをカバーしている。発明者が死亡した場合または法的無能力者である場合、譲受人等が宣誓書または宣言書に署名することができる。

 

(ii)規則1.47(b)の注意点

 上述した規則1.42(a)と同様に、米国特許法第115条(d)(2)(B)をカバーするものである。すなわち、発明者が宣誓または宣言を拒否した場合に、譲受人等が宣誓書または宣言書に署名することができる。

 

(iii)規則1.47(c)の注意点

 本セクションに基づき宣誓または宣言を行う際の嘆願書の要件について規定したものである。旧規則1.47(b)の証明の一つ「回復不能の損害を防止するために必要である旨の証明」は1.47(c)に盛り込まれなかった。これは、改正米国特許法にはこのような要件が課されていないからである。

 

(iv)規則1.47(d)の注意点

 旧規則1.47(c)とほぼ同じ規定である。ただし、継続的出願(Continuing application)という文言に変更された。これは継続出願、分割出願だけではなく、一部継続出願(CIP: Continuation-In-Part)も含まれる趣旨である。

 

改正前

改正後

規則1.42 発明者が死亡した場合

発明者の死亡の場合は,死亡した発明者の法定代理人(遺言執行人,遺産管理人等)は必要な宣誓又は宣言をすること及び特許を出願し,かつ,取得することができる。発明者が出願からそれに係る特許の付与までの間に死亡した場合は,特許証は,適切な介入によって,法定代理人に対して発行させることができる。

規則1.42発明者が死亡した場合または法的無能力者である場合

(a) 発明者が死亡した場合または法的無能力者である場合は,死亡または法的無能力となった発明者の法定代理人(遺言執行人,遺産管理人、保護者または後見人等)、譲受人、または、発明者が当該発明を譲渡する義務のある者若しくはそれ以外に、当該事項に関する十分な経済的利害関係を証明する者が、規則1.63(宣誓書又は宣言書)に基づき宣誓または宣言を行うことができる。ただし、宣誓書または宣言書が、規則1.63(a)及び(b)の要件に従っており、かつ、死亡または法的無能力となった発明者を特定していることを条件とする。当該事項に関する十分な経済的利害関係を証明する者は、死亡または法的無能力となった発明者に代わり宣誓または宣言を行う。

(b)発明者が発明を譲渡する義務のある者またはそれ以外に本セクションに基づき行動する当該事項に関する十分な経済的利害関係を証明する者は、規則1.17(g)(特許出願及び再審査の処理手数料)に規定される料金と共に、嘆願書、及び、関連事実の証明を含む以下のいずれかを示す方法によって行わなければならない:

  (1)死亡したまたは法的無能力の発明者が発明を当該者に譲渡する義務がある事、または、

 (2)当該者が、死亡した発明者または法的無能力の発明者の代わりに規則1.63(宣誓書または宣言書)に従う宣誓または宣言を行うのに十分な、当該事項に関する経済的利害関係を有し、かつ、当該行為がその者の権利を維持するために不可欠であること。

(c)発明者が出願と特許成立との間に死亡した場合、特許証は本セクションに従う適切な介入に基づき法定代理人または譲受人に対して発行される。

規則1.47 発明者が署名を拒絶するか又は発明者と連絡が取れない場合の出願

(a) 共同発明者が特許出願に参加することを拒絶するか,又は適切な努力をした後で,所在不明であるか若しくは連絡が取れない場合は,出願は,他の発明者が本人及び非署名発明者を代表して行うことができる。当該出願に係る宣誓書又は宣言書には,関連事実に関する証拠,§1.17(g)に規定されている手数料,非署名発明者について最後に分かっていた宛先を含む申請書が添付されなければならない。非署名発明者は,その後,§1.63の要件を満たす宣誓書又は宣言書を提出することにより,出願に参加することができる。

(b) 発明者全員が特許出願の作成を拒絶するか,又は適切な努力をした後で,所在不明であるか若しくは連絡が取れない場合は,発明者がその発明を譲渡したか若しくは書面により譲渡することに同意した相手である者,又はそれ以外に当該手続を正当化する事項に関する十分な財産的権利を証明する者は,発明者全員のために及びその代理人として,特許出願をすることができる。そのような出願における宣誓書又は宣言書には,関連事実についての証拠,当該手続が当事者の権利を保全するために又は回復不能の損害を防止するために必要である旨の証明,§1.17(g)に規定されている手数料,及び発明者全員についての最後に分かっていた宛先を含む申請書が添付されなければならない。発明者は,その後,§1.63の要件を満たす宣誓書又は宣言書を提出することにより,その出願に参加することができる。

(c) 特許商標庁は,出願についての通知を,その出願に参加していない全ての発明者に対し,前記申請書に記載されている宛先に名宛して送付し,かつ,出願の通知を公報に公告する。特許商標庁は,継続又は分割出願については,先の出願に関する通知が非署名発明者に与えられている場合は,通知規定の適用を省略することができる。

規則1.47 発明者が署名を拒絶するか又は発明者と連絡が取れない場合

(a)発明者または法定代理人(規則1.42)が規則1.63(宣誓書または宣言書)に基づく宣誓または宣言を拒否した場合、または、適切な努力をしてもなお所在不明であるか若しくは連絡が取れない場合は、非署名発明者の譲受人、発明者により発明の譲渡を受ける権利のある者、または、それ以外に当該事項に関する十分な経済的利害関係を証明する者が、規則1.63に基づき、非署名発明者に代わり宣誓または宣言することができる。当該事項に関する十分な経済的利害関係を証明する者は、非署名発明者に代わり宣誓または宣誓を行う。

(b)発明者または法定代理人(規則1.42)が規則1.63(宣誓書または宣言書)に基づく宣誓または宣言を拒否した場合、または、適切な努力をしてもなお所在不明であるか若しくは連絡が取れない場合は、残りの発明者が、規則1.63に基づく宣言または宣誓を、当該発明者及び非署名発明者の代わりに行うことができる。

(c)本セクションに従う宣言または宣誓は、規則1.63(a)及び(b)(宣言書またが宣誓書)の要件に従わなければならず、かつ、以下を含む嘆願書を添付しなければならない。

 (1)規則1.17(g)(処理手数料)に規定された料金を含み;

 (2)非署名発明者名を特定し、かつ、非署名発明者の既知の最新住所を含み;

 (3) 出願書類の写しを提出する際に、発明者または法定代理人が適切な努力をしてもなお連絡が取れないか、あるいは、規則1.63に基づく宣言または宣誓を拒否したかのいずれかを、妥当な事実証明と共に言及し、

 (4)非署名発明者が発明を譲渡する義務がある者、または、本セクションパラグラフ(a)に基づき当該事項に関する十分な経済的利害関係を証明する者は、以下のいずれかの妥当な事実証明を含む説明を示す事:

  (i)非署名発明者が当該発明をその者に譲渡する義務があること。

  (ii)その者が、非署名発明者に代わりに規則1.63に従う宣言または宣誓を行うために、当該事項に関する十分な経済的利害関係を有する事、及び、当該アクションが当事者間の権利を維持するのに不可欠であること。

(d)特許商標庁は,出願についての通知を公報に公告し,また、当該出願についての通知を非署名発明者へ本セクションに基づく嘆願書に記載された住所宛に送付する。特許商標庁は,継続的出願については,先の出願に関する通知が非署名発明者に与えられている場合は,通知規定の適用を省略することができる。

(e)非署名発明者または法定代理人は、規則1.63に基づく宣誓書または宣言書または宣誓書を提出することにより、後に、出願に参加することができる。本セクションに基づき非署名発明者または法定代理人が嘆願認可後に宣誓書または宣言書を提出することにより、非署名発明者または法定代理人が委任状を無効にしたり許可したりすることはできない。

 



[1]規則1.48(f)  (1) 非仮出願-作成された宣誓書/宣言書の提出は発明者名を訂正する

 正しい発明者の名称が,発明者の何れかによって§1.63に基づいて作成された宣誓書又は宣言書を伴っていない,§1.53(b)に基づく仮出願の出願時に表示されていない場合は,その出願の係属中における,発明者の何れかによって§1.63に基づいて作成された宣誓書又は宣言書の初めての提出は,発明者名についての先の特定を訂正する役割を果たすものとする。

 

(第5回へ続く)

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