ISO維持のために、よい審査とは? - ISO・規格認証全般 - 専門家プロファイル

人見 隆之
ISOマネジメント研究所 所長
ISOコンサルタント

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対象:ISO・規格認証

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閲覧数順 2024年04月19日更新

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ISO維持のために、よい審査とは?

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ある審査機関の営業の方から、
審査のクレームとなりやすいのは、
審査員の言葉使いやマナーだということを聞きました。

確かに、
審査を受ける企業は、相対的に審査というサービスを
比較できませんから、サービスの良し悪しは、どうしても
来てくれる審査員の応対に比重が高くなります。

そして、その結果、受審企業にとって、
よい審査とは、審査員の言葉使いやマナーがよいものと
なりがちです。

しかし、コンサルタントの立場で見ると、
数多くの審査現場に立ち会いをして感じたことは、
よい審査とは、以下のような視点を考慮している
審査だということです。

1.相手としっかりコミュニケーションを取って、
適合性や有効性を判断しているか?


例えば、いきなり相手に、環境側面は?と聞かずに、
相手の仕事の状況などを聞いて、審査の手がかりを
見出していっているか、
規格要求事項の言葉を、そのまま使うのではなく、
相手の理解に応じて、理解しやすいように言葉を
変換しているか、
このようなコミュニケーションを取っているかが
大事だと思います。

2.杓子定規(単に規格要求事項をなぞるだけ)とならずに、
組織の実態を考慮しているか?


例えば、内部監査の実施において、
部門はあっても、他部門との兼務が多い、
中小企業を考えた場合、
内部監査員は自らの仕事を監査しては
ならないというISOの要求事項をそのまま
当てはめて判断されても、困るものです。

あるべき論ではなく、
三現主義(現場、現物、現実)によって、
その会社の実情を把握していくことが
ぜひとも必要だと思います。

3.組織の問題意識と合致し、納得感のある指摘が出せているか?

単にISOの規格に適合していない、という説得感だけの
指摘では、相手はあまり意味を感じません。

なぜ、それがうちに必要なのか?
これが受審企業側の問題意識と合致していないと、
指摘を軽く見てしまう、意義を感じないということに
なります。

ISO規格の要求事項には、それをやるべく背景がありますから、
そういうことも説明して指摘をした方がよいと感じます。

実際の審査では、なかなか難しいのかもしれませんが、
ああ、なるほど、それはしっかりやらなくては、
と相手が納得したものでないと、相手はやろうとは
思わないものだと思います。


ISOの認証の維持には、お金が掛ります。

お金が掛るから安く済ませたい、というのも
一つの考えですが、そもそもお金が掛っている
認証審査を活用できているのか、ということも
考えてみる必要性があると思います。

満足した審査を受けていないのであれば、
審査機関に、要望を出すことも可能ですし、
審査機関を変更することも可能です。

言葉使いやマナーがよいだけの審査では、
組織にとって、メリットも少ないと思います。

まずは、審査機関を精一杯活用して、
ISOを会社のために使ってほしいと思います。


ISOマネジメント研究所

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