日経記事;"成熟産業でも「高品質」「特化」に活路"に関する考察 - 各種の新規事業・事業拡大 - 専門家プロファイル

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 代表
神奈川県
経営コンサルタント
専門家の皆様へ 専門家プロファイルでは、さまざまなジャンルの専門家を募集しています。
出展をご検討の方はお気軽にご請求ください。

日経記事;"成熟産業でも「高品質」「特化」に活路"に関する考察

- good

  1. 法人・ビジネス
  2. 新規事業・事業拡大
  3. 各種の新規事業・事業拡大
情報・知識 ビジネス雑感

皆様、
おはようございます。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

3月5日付の日経新聞に、『成熟産業でも…「高品質」「特化」に活路 男前豆腐店、国産原料で丁寧に製造 沢の屋旅館、外国人客比率9割に』のタイトルで記事が掲載されました、

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『成長が見込みづらい成熟産業で好業績を維持している中小企業がある。価格競争に巻き込まれないよう高い品質を前面に出して消費者に訴求する豆腐店やウイスキーメーカー。

顧客のターゲットを変えて絞り込み、稼働率を上げる旅館もある。少子高齢化が進展し、多くの分野で市場の縮小が始まっている。各社の取り組みは生き残りのヒントを含んでいるといえそうだ。

男前豆腐店(京都府南丹市、伊藤信吾社長)の2012年3月期の売上高は約60億円と直近の5年間でほぼ倍増する見込みだ。

国内の豆腐市場は縮小が続いている。総務省の家計調査によると11年は1世帯当たりの年間購買額が平均で4697円と直近のピークである06年に比べ644円(12%)も減った。

男前豆腐店の成長の原動力は品質。原料の大豆は北海道産か北陸産に限っている。大豆を煮る工程では、町の豆腐店が使う小型サイズの釜を使い、味のムラができにくくする。製造に他メーカーの3~4倍の時間をかけ、「大量生産でも昔ながらの豆腐店の味わいを追求する」(伊藤社長)。

さらに単身世帯向け商品は1個60グラムと通常の約6分の1サイズの豆腐を6個セットにして売るなど商品設計もきめ細かくしている。

スーパーなどで主力商品の実売価格は1丁120~130円。平均的な他社製品の2倍近い水準を維持し、価格競争と一線を画す。

ベンチャーウイスキー(埼玉県秩父市、肥土伊知郎社長)は、直近ピークの1998年度に比べ、国内消費量が3割強減ったウイスキー市場に2004年に参入した。12年3月期の売上高は前期比2割増の1億5000万円を見込む。

「昼夜の温度差が大きく、熟成が進みやすい」(肥土社長)という秩父市内で08年に蒸留所を開設。販路をバーと百貨店、高級専門店に絞った。1本(700ミリリットル)当たりの希望小売価格は6000~1万円程度と、量販店の売れ筋価格帯の3~5倍に相当する。

東京・台東の老舗、沢の屋旅館(沢功館主)は主な顧客層を外国人旅行客に切り替えた。夕食は出さず、12室のうちバス・トイレ付きは2室のみ。

しかし1人部屋で1泊5040円という低料金と周辺の下町情緒などが受け、10年までの3年間は外国人客の比率が9割を超え、部屋の稼働率も9割を確保した。東日本大震災の影響で11年の稼働率は75%に落ち込んだが、今年は80%まで回復する見込みだ。

海外に活路を見いだす企業もある。加藤吉平商店(福井県鯖江市、加藤団秀代表)の11年9月期の売上高は約25億円。ここ数年2ケタ増を続ける最大の要因は輸出で、前期はその前の期に比べ約2割増となった。

醸造アルコール無添加の純米酒に特化、主力の「梵」の商標登録を100カ国以上で取得した。加藤代表の海外出張は年40回に上り、パリやニューヨークの三つ星レストラン数十店に販路を広げている。』


成熟産業・市場では、一般的に売上は伸びないのでそこで収益を上げるには、高いシェアを取って新規投資を控える方法が取られます。

成熟産業・市場でも、顧客が存在する限り、当該産業・市場は残りますので、参入企業数が少なくて寡占化が進んでいれば、上記のやり方が通用します。

しかし、フイルム産業のように顧客がほとんど存在しなくなると、当該事業基盤自体が消滅し、変化が出来ない企業は、米映像機器大手イーストマン・コダックのように経営破綻に追い込まれます。

産業は成熟していても見方を変えれば新市場が存在する、或いは、開拓出来ることがあります。上記時の中では、東京の沢の屋旅館(「澤の屋」旅館)がこのケースに当たります。

国内市場は、人口減と激しい競争で価格競争に入っていますので、小・中規模旅館・ホテルの勝ち残りは難しい状況です。澤の屋は、かって修学旅行生の受け入れで業績を伸ばしてきたが、1970年の大阪万博を境に、宿泊客は一気に減少したとのこと。

澤の屋旅館は、顧客を国内から海外に変えたのが成功の要因です。海外からの観光客数は、大震災や原発事故の影響で一時期だいぶ落ち込みましたが、現在は回復基調にあります。

海外からの観光客に、夕食なしで1人部屋で1泊5040円。朝食は食パン2枚を自分で焼いて食べるスタイルで200円、これに簡単な卵料理を付けて300円で提供している。この料金は開始当初から変えていない、とのこと。

澤の屋がある谷中・千駄木界隈は、震災や戦災を免れた古い町並みがそのまま残っています。澤の屋の強みは、宿泊料金の安さとこの下町情緒です。

宿泊客は、当然夕食を取る必要があります。澤の屋は、近所の飲食店と協力して、宿泊客に好みの夕食を取れるところを紹介しています。

他の中小企業の場合も同じことが多い筈です。市場の伸び悩みや競争激化で、販売数量が伸びない、顧客単価が下がる、などの理由で収益が大幅に低下する問題に多くの企業が直面しています。

しかし、自社の強みを再確認し、市場の見方を変えて、異なる切り口で事業すると、澤の屋旅館のように全く新しい顧客を対象に、差異化・差別化出来ることにより新規顧客を対象に勝負できることがあります。

上記記事にありますベンチャーウイスキーも、味の良さを武器に販路をバーと百貨店、高級専門店に絞って高級品を売っています。ニッチな市場ですが、価格競争なしにオンリーワンの事業を行っています。差別化・差異化要因は味の良さです。

中小企業は、規模の拡大よりも、オンリーワンの事業が出来るようにするための、差異化・差別化出来るものの育成・確保とその対象市場の絞り込みが重要です。

ニッチな市場でも安定した収益を確保できます。上記記事は中小企業が勝ち残っていくためのヒントがあり、参考になります。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

カテゴリ このコラムの執筆専門家

(神奈川県 / 経営コンサルタント)
グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 代表

起業・企業存続の為の経営戦略立案・実行と、ビジネススキル向上

起業及び、事業拡大や経営合理化を目指す企業に対して経営コンサルを行います。大手メーカーで得た経験を活かし、補助金活用、アライアンスやM&A、市場分析に基づいた事業戦略策定・実行や事業再生を支援します。OJT研修でのビジネススキル向上を支援します。

カテゴリ 「情報・知識」のコラム

このコラムに類似したコラム

日経記事;『(社説)「ものづくり」はデジタルで進化する』に関する考察 山本 雅暁 - 経営コンサルタント(2012/12/25 09:57)

日経記事;『丸紅、穀物軸に「総花」脱す』に関する考察 山本 雅暁 - 経営コンサルタント(2012/08/14 08:32)

日経記事;"総人口、過去最大の25万9千人減 1億2779万人に"考察 山本 雅暁 - 経営コンサルタント(2012/04/18 10:34)

日経記事;"東南アで市場を創る省エネ,介護,中小が積極進出"考察 山本 雅暁 - 経営コンサルタント(2012/03/19 10:40)