●いきなりプランを書き始める事はプロでも行いません。
プランニングの初めはヒヤリングから始めます。自分の事は自分が一番良く知っていると思えば失敗します。もちろんご自分一人で住まわれるのであれば、それでも構いませんが、ご家族がどの様な意見を持っているかじっくり聞くことです。今の暮らしにどの様な不便を感じているか、将来の家にどの様な夢を抱いているのかなどです。
●固定観念を取り除く
それらをまとめて箇条書きにして基礎資料とします。その資料を元にどの様な空間が望ましいかを考えます。「部屋」ではなく「空間」です。「部屋」単位で家を考えますと固定観念が邪魔をして自分達が本当に欲している空間が見つからなくなります。LDK○○帖、寝室○○帖の延長には理想の間取りはありません。
●既製の部屋には限界がある
証拠に、今の間取り構成からはみ出している設備があります。パソコンです。パソコンは何処に置くのが最も良いとお考えですか?その解決策が見つからない為にノートパソコンが普及したと言っても過言ではありません。
パソコンスペースがきっちりと決められていれば、安価で、壊れ難く、スペックの高いデスクトップパソコンを家に置くことができます。
●新しい空間を創出する
その延長でご自分のライフスタイルを見直して下さい。玄関にある下駄箱は機能していますか?個室の物入れはゴミ箱になっていませんか?予備室は納戸になっていませんか?
こう考えて行くと欲しい「空間」がぼんやりと頭に浮かんできます。その「空間」に「空間」の機能を一言で言い表す名前をつけます。その名前が結果的に「寝室」や「リビング」であっても構いません。自分の欲しい部屋はそのように決めて行くのです。「リビング」や「寝室」が初めからあるのではありません。
●間取りを考えるテクニック
欲しい部屋が明確になれば、それらを繋ぎ合わせます。と云ってもここでもまだ間取りを描いてはいけません。付箋に部屋名を書いて、あれこれ並べ替えて最も動線の短くなる配置を考えます。この時はまだ部屋の大きさは考えません。
大きさを考えるのは、敷地の形状がはっきりしている場合のみです。敷地のカタチが決っていたら、日当たりや、風通し等の地域性・気候風土を加味して間取りを当てはめて行きます。
その際に大きさ的にどうしても気に入らない場合は、もう一度付箋の段階にまで戻って配置を練り直します。
下記URLで無料間取り講座を行っています。参加されませんか?
http://www.jin.ne.jp/oado/benkyou.html
このコラムの執筆専門家
- 福味 健治
- (大阪府 / 建築家)
- 岡田一級建築士事務所
木造住宅が得意な建築家。
建築基準法だけでは、家の健全性は担保されません。木造住宅は伝統的に勘や経験で建てらていますが、昨今の地震被害は構造計算を無視している事が大きく影響しています。弊社は木造住宅も構造計算を行って設計しています。免震住宅も手掛けています。
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