- 平 仁
- ABC税理士法人 税理士
- 東京都
- 税理士
対象:税務・確定申告
- 近江 清秀
- (税理士)
- 平 仁
- (税理士)
国税庁は、法人契約の終身がん保険について、通達改正を予定して、
2月29日、パブリックコメントの募集を明らかにしました。
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=410240007&Mode=0
問題となっているがん保険は、掛け捨て保険で満期返戻金がないことから
その全額が損金算入されていますが、保険契約の失効や解約等の場合に、
保険金の払込み期間に応じた払戻金があるタイプのものです。
日本系の生保会社では、予定されている通達改正を予想して、
すでに発売が停止されている場合が多いと思いますが、
外資系の中には、まだ販売を続けているところもあるようですね。
払戻金があるということは、支払った保険料の中に、将来の保障を
購入するための前払保険料が含まれているということになりますから、
理論的にも、全額が損金算入されることが許されないはずです。
しかし、
法人契約の「がん保険(終身保障タイプ)・医療保険(終身保障タイプ)」
の保険料の取り扱いについて(平成13年8月10日付課審4-100)
という法令解釈通達により、
終身払込の場合にはその支払の都度損金の額に算入し、
有期払込の場合には保険期間の経過に応じて損金の額に算入する
ことになっていたため、問題がある保険だと考えられています。
我々税理士も節税商品としてこの保険を販売してきたのですが、
国税庁も理論的には問題のある保険の販売を見過ごすことはできず、
額を損金算入し、半額を資産計上するよう、通達改正を行うようです。
パブリックコメントの募集は2月29日~3月29日ですので、
そこまでは通達改正は行われませんが、
締め切り後はいつ改正されるかわかりませんし、
最高裁平成23年9月22日判決、同9月30日判決の
いわゆる不利益遡及立法事件の判旨を考えれば、
改正通達の遡及適用も十分に考えられます。
くれぐれもご注意頂きたい。
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