金利が上昇すれば債券の価額は下がり、金利が下落すれば債券の価額は上がります。新興国債券は先進国の債券に比べ信用力が低いため、経済状況が不安定になったりすると、投資家はリスクが大きい分だけより大きな金利を要求することになります。そのため先進国債券より金利は上昇しやすく、その価額は大きく下がることになります。実際、11月に入って、サブプライム問題が長期化する懸念が強まるとリスク回避の売りが加速しています。
一方で、外貨準備の積み上がりを通じて、新興国の信用度は高まっています。2007年9月現在の新興国34カ国の格付けは投資適格を表すトリプルB以上は全体の40%を占めるとのことです。鉄鉱石などの一次産品の輸出が良好な経済状況を下支えしています。
今後、サブプライムの問題がさらに深化したり、インフレ加速により金利が高まるようだと、先進国債券より大きく売られる状況が続く可能性はあります。為替も先進国債券に比べ流動性が低いため大きく変動しやすくなります。新興国債券に投資は、所有する全資産のうちの一部分にとどめることが大切でしょう。
保有期間中かかってくる信託報酬にも注意が必要です。先進国債券に比べ、新興国に投資するファンドは高めに設定されているようです。
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このコラムの執筆専門家
- 佐々木 保幸
- (京都府 / 税理士)
- 税理士法人 洛 代表
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