エコロジーはエコノミーでないと意味がありません。エコロジーにお金を掛けると、お金を掛けた分だけ環境に負荷が掛かってしまうのです。出来るだけ単純な方がエコロジーです。
画像中央の金属パイプがダクトです。
構造は床下からロフトまでダクトを貫通させて、ダクトファンを取り付けます。
夏は床下からロフトに吹き上げ、冬はロフトから床下に空気を送り込むだけです。
特別な、蓄熱タンクや熱交換器を必要としません。北海道や特別寒い地域ならもっと慎重にエコハウスを考えますが、Ⅳ地域以南であれば十分快適な室内環境を得られます。
●原理
★冬は太陽高度が下がる為、部屋の奥まで日差しが入り込みます。南面のロフトに開口部を設け太陽光をダイレクトに取り込む間取り構成を考案します。
それによって暖められた空気はロフト付近に集まります。
その空気を、ダクトを通して床下まで送り込むのです。暖かい空気は上に上がります。
床下から通気ガラリを通って一階に入り、吹き抜けや階段・通気ガラリを通って、二階へとあがり再度ロフト周辺に上がり、循環を繰り返します。
★夏になると太陽高度が上がり、庇のお陰で室内に日差しが入り込まなくなります。
それでも、このままではロフト部分の温度が上がってしまいます。
そこで今度は床下からロフトに向けてダクトを使って床下の空気を吹き上げます。
地中の温度は年間を通じて16℃前後と一定な為、基礎は夏の大気よりも冷やされています。
またコンクリートは熱容量が大きいので床下の空気を充分に冷やしてくれます。
その空気をロフトまで吹き上げるのです。
吹き上げられた冷えた空気は、周囲の空気より重たいですから、吹き抜けや階段・通気ガラリを通り、床下まで降りて来て再び循環を繰り返します。
このコラムの執筆専門家
- 福味 健治
- (大阪府 / 建築家)
- 岡田一級建築士事務所
木造住宅が得意な建築家。
建築基準法だけでは、家の健全性は担保されません。木造住宅は伝統的に勘や経験で建てらていますが、昨今の地震被害は構造計算を無視している事が大きく影響しています。弊社は木造住宅も構造計算を行って設計しています。免震住宅も手掛けています。
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