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日経記事;"会社研究 ブリヂストン スリムな巨人へ着々"考察

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皆様、
おはようございます。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

2月28日付の日経新聞に、『会社研究 ブリヂストン スリムな巨人へ着々』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『ブリヂストンは2012年12月期、連結経常利益が2500億円と4割増え、5年ぶりに最高益を更新する。

今月中旬の決算発表で示した強気の予想を市場も好感。株価も上昇した。値上げの浸透などが大幅な増益を支えるが、見逃せないのはここ数年の改革による経営効率の高まりだ。

昨年10月に深刻化し始めたタイの洪水被害。ブリヂストンの対応は素早かった。生産への影響は軽微だが、同国内のタイヤ需要は落ち込む。

こう状況を把握すると、サイズだけで約1000種類にのぼる生産品目と世界の需要をつなげ直し、1週間ほどで日米欧への輸出に振り向けた。

力を発揮したのは世界の工場を東京で集中管理する仕組み。リーマン・ショック時、現地任せで減産対応が遅れ、業績悪化が長引いた反省から構築したものだ。

本社の「需給オペレーションセンター」が各国の販売や在庫を分析。景気や災害、政治情勢などによる需要変化に即応し、全体の収益が最大になるように生産を柔軟に組み替える。

世界の工場を一体的に運営できるようになり、拡大一辺倒で来た設備の仕分けも可能になった。09年以降、収益性が低いオーストラリアなどのタイヤ工場を閉鎖。中国とイタリアでは部材工場を売却した。

原価償却費を上回る投資を続けたにもかかわらず、この3年で資産はむしろ減った。

体質が引き締まったところで迎える今回の最高益。利益水準以上に目を引くのは「質」の向上だ。前回、最高益だった07年12月期の総資産利益率(ROA)は4%。これが今期は6%に高まる。

「筋肉質で戦略的な経営」を目標にしてきた。(荒川社長)。。。』


多くの輸出企業が円高や欧州市場の混乱などから来る売り上げ減・利益減で苦しんでいる中、ブリヂストンの好調さは目を引きます。

最大の要因は、記事にありますように、東京本社におく「需給オペレーションセンター」で、世界中の販売、生産、在庫を集中管理し、各工場や販売会社に在庫や生産数量の調整や工場ごとの生産品目などを一元的にコントロールし、命令する仕組みを作ったことです。

一時、国内のグローバル企業の間で、全世界の工場と販売会社をネットワークでつなぎ、販売数量、在庫量、生産数量を一元的にみえるサプライチェーンシステムの構築が活発に行われました。

私も会社勤務時にそのシステムの構築と運営に携わった経験があります。このサプライチェーンシステムの考え方は極めて合理的なもので、上手に活用すれば最高に効率的な生産、販売、在庫についてコントロール出来ます。

また、ネットワークを含めたITは便利なツールを提供してくれます。課題は、その運用と活用です。本社で一元的にみえても、世界中の販売会社や工場に適切な指示を出し、コントロール出来る仕組みがないと上手く機能しません。

ブリヂストンの場合、リーマン・ショック時に現地任せで行った結果、減産対応が遅れた反省から経営トップ主導で、本社一元管理の仕組みを導入したとのこと。ここが重要です。

ハード・ソフトのツールがそろっても、これを経営に活用して子会社の一元管理するには、強力なリーダーシップが必要です。

国内企業は、役割分担が明確になっていないケースがあります。本社と子会社間の役割分担が明確になって、その役割と結果に責任が伴えば、一元管理は上手く機能します。

ブリヂストンは、経営トップの明確な意志と方針のもとで、一元管理を実現し運営しているとみます。経営数字が証明しています。

また、上記記事にあります6%のROAは、ライバル企業である仏ミシュランの7%に比べて見劣りします。これは円高が要因とのこと。

海外生産比率は70%まで上げていますが、更に検討を要するとしています。また、円高に強い高付加価値新商品を出して、ミシュランに対抗しようとしています。

ブリヂストンは決して奇策を行っているのではなく、極めて常識的で合理的な経営手法を取り入れて、円高対策や災害時の最適化対応を着実に行った結果、現在の国内大手メーカーの中で良い経営数値を出しています。

中小を含めた他の製造会社にとってブリヂストンの経営のやり方は参考になります。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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