日経記事;"電機崖っぷちの苦闘 成長の芽、外から取り込む"考察 - 各種の事業再生と承継・M&A - 専門家プロファイル

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日経記事;"電機崖っぷちの苦闘 成長の芽、外から取り込む"考察

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経営戦略 集中と選択;事業撤退

皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

2月25日付の日経新聞に、『ニッポンの企業力:電機崖っぷちの苦闘 成長の芽、外から取り込む 第4部 サバイバル(1)』のタイトルで特集記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『パナソニックとソニー。2012年3月期の最終赤字予想は合計1兆円。ともにテレビの赤字が膨らんだ。今、何をすべきか。

日立製作所と三菱電機の2社は今期、減益ながら1千億円以上の純利益を見込む。息を吹き返すきっかけは不採算事業からの撤退だった。

口火を切ったのは三菱電機。パソコン、DRAM、システムLSI(大規模集積回路)、携帯電話から次々撤退。工場の自動化設備など、地味ながらも利益率の高い事業にシフトした。日立も半導体や薄型パネルなど浮き沈みの大きい事業を分離し、「得意とする社会インフラにシフトした」(社長の中西宏明)。

日立の場合、00年代の10年間は1兆2321億円の最終赤字だったが、11~12年の2年間で4388億円の純利益を計上する。過去最高だった1980年代(1兆5762億円)を上回るペースだ。

「引き算」の経営の要諦は、撤退を決断するタイミングにある。NECはプラズマ、液晶パネル、半導体、パソコンなど変動が大きい事業を遠ざけた。取り組みは日立と似ているが業績低迷から抜け出せない。今期の売上高はピークに比べ4割減り、2期連続最終赤字になる見通し。

NECは投資負担の重い半導体の抜本処理が遅れ、強みを持っていた通信機器やIT(情報技術)サービスの強化が後手に回った。社内に成長をけん引する事業が見当たらない。

電機大手8社の今期の売上高は、日本が貿易黒字国となった81年と比べると3倍だ。一方、稼ぐ力を示す売上高営業利益率は低下傾向をたどり直近では2%と、30年前の4分の1。「規模を追求するあまり、経営資源を拡散させ利益を犠牲にしてきた」(神戸大学教授の三品和広)

その間にデジタル技術が陳腐化するスピードは加速し、今や世界シェアが1位でも利益を出せるとは限らない。年間6兆円のテレビ用液晶パネル市場。世界1、2位の韓国サムスン電子とLGディスプレーは、11年12月期にそろって営業赤字に転落した。両社合わせたシェアは5割を超えるが、部門営業赤字は合計で1兆6740億ウォン(約1200億円)。

テレビの価格が急落し、中国企業の参入で供給過剰が強まる液晶パネル業界。競争相手が脱落するまで巨額の投資を続け、生き残った者が利益を手にする「勝利の方程式」さえ崩れた。

サムスンは日本勢が量産をためらう高精細の有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)パネルに成長のフロンティアを求める。生産能力を増強し、「テレビは有機EL」という新時代の幕開けを演出する戦略だ。

メリルリンチ日本証券マネージングディレクターの片山栄一は「韓国に出遅れた有機ELテレビを、日本勢が大型投資して勝負する必要はない」と言い切る。成長の芽が社内に乏しければ、稼ぎの糧を外に求めざるを得ない。

2月3日。パナソニックの決算会見で社長の大坪文雄は、三洋電機の買収は失敗だったのではと問われ、語気を強めた。「もし買収していなければ、大きな成長分野を見いだせたでしょうか」

同社は三洋買収に伴う「のれん代」を約2500億円も減損処理する。だが大坪が強調したかったのは、環境に配慮した都市づくりやエコカーに不可欠な太陽電池や蓄電池など、パナソニックにはない技術を手にしたことの意義だ。海外での勝負はこれからだ。

「聖域を設けず検討しましょう」。昨年末、大阪府門真市のパナソニック本社に三井物産社長の飯島彰己と全営業本部長が顔をそろえた。世界の商機に網を張る商社と、新エネルギーなど成長事業で協力する可能性を探るため。異例の協議は2日間に及んだ。

不採算事業の縮小後に必要なのは、稼ぐ力を外から取り込む「足し算」の発想。ソニーは不正会計で揺れるオリンパスへの出資に執念を燃やす。医療機器を成長の柱に据えるためだ。

企業の存亡をかけた戦いが始まった。テレビの赤字にあえぐ電機だけではない。サバイバルに必要な企業力を考える。』

日経は今まで大手電機メーカーの赤字や売上の伸び悩みにについてたびたび特集を組んできました。

パナソニック、ソニーなどは、徹底的、且つ、迅速に集中と選択を行う必要があります。具体的には、事業撤退と新規事業立上です。

テレビ事業に関しては、国内企業はかっての成功体験がずっと足を引っ張ってきました。また、テレビは家庭のリビングに置かれ、家庭の中心的な製品であり、自社ブランド品のテレビがないと、国内企業としての存在に影響する、とテレビ事業にこだわる企業の説明を聞いた記憶があります。

テレビは既に汎用製品になっており、この製品分野で自社での開発や製造にこだわる必要がみえません。

アップルのiPhoneやiPad、或いはMacパソコンなどのように、ハードウエアは外部から調達して、基本的な開発や商品企画、ハードの中に差別化・差異化できる組み込みソフトの開発などに経営資源を集中するやり方もあります。

国内の製造力を確保するために、自動化などでコストが見合えば、国内企業のテレビ製造を第三者企業に集中して行い、電気メーカーはそこからOEM提供を受ける仕組みも考えられます。

記事にありますように、日立と東芝は総合電機メーカーのカンバンを下ろし、社会インフラ事業と環境事業に集中しつつあります。

パナソニックは、蓄電池を中心にした環境事業を強化しようとしています。この方向性は間違っていません。蓄電池事業に集中して、家庭、車、事業所などあらゆるところで自社製品が使われるようにして、他社に圧倒的な差別化・差異化を行うことが重要です。

蓄電池も既に中国企業との価格競争が始まっています。自動化や海外生産の強化などで価格競争力を確保して他社に勝ち抜くための、継続性が大事でありこのためには経営資源の集中がポイントになります。

国内企業は切れ味の良いカミソリで既存事業を見直し、強みを徹底的に洗い出してそこに集中して勝ち残るやり方が必要です。

電機メーカーの動きは、中小企業にとって差別化・差異化を行える強みの出し方と事業展開のやり方を考える時の参考になります。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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