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日経記事;"音楽業界,アップルモデルに活路 ネット配信強化"考察

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経営戦略 集中と選択;事業撤退

皆様、
おはようございます。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

2月23日付の日経新聞に、『音楽業界、アップルモデルに活路 ネット配信強化』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『米アップルは22日、クラウド型音楽配信サービス「iTunesイン・ザ・クラウド」のサービスを日本で開始した。

日本ではクラウド型の音楽配信における著作権の線引きが曖昧で、音楽業界もインターネットを介した配信に後ろ向き。しかしCD販売とネット配信の市場が同時に縮小する危機的な状況を受け、日本の音楽業界もネット配信に活路を見いだす方向にかじを切り始めた。

新サービスで市場縮小に歯止めをかけられるか。注目が集まる。

新サービスは利用者がインターネットのコンテンツ配信サービス「iTunesストア」で購入した楽曲をアップルのサーバーに保存、スマートフォン(高機能携帯電話=スマホ)のiPhone(アイフォーン)やパソコン、タブレット端末など多様な機器で、聞きたいときにいつでも呼び出せる。

グーグルのスマホ向け基本ソフト「アンドロイド」を搭載した端末では利用できない。

同サービスは海外では昨年10月に始まり、米国など37カ国で利用できる。日本では著作権上の問題などで開始が遅れていた。アップルが日本でのサービス開始に踏み切った背景には、著作権などを巡り日本の音楽業界との歩み寄りがあったからとみられる。

著作者の権利を守る日本音楽著作権協会(JASRAC)は「(アップルへの)許諾を前提に、一定の条件を示して交渉中」としている。

世界の音楽配信市場では日本の低迷が際立っている。日本を除けば、世界の配信市場は拡大基調。IFPI(国際レコード産業連盟)によると、2010年は09年比8%増の46億4300万ドル。音楽産業に占める配信の割合は29%に達している。米国では昨年、初めて配信売上高がCD販売額を上回ったとみられる。

ところが日本では11年の配信市場は10年比16%減の719億円と2年連続の前年割れ。日本では従来型携帯電話への配信市場をけん引してきたソニー・ミュージックエンタテインメントなどの「着うたフル」もスマホでは機種によって利用できず、スマホシフトが逆風になっている。

クラウドサービスが始まる前の音楽配信でも日本は大きく出遅れた。アップルのiTunesストアが日本で利用できるようになったのは米国より2年以上遅い。日本の音楽業界が1曲100円程度という安価な価格設定に難色を示したからだ。

しかし結果的には日本の音楽市場は世界と異質な「ガラパゴス化」が進み、音楽産業全体が縮小する結果を招いた。日本レコード協会によると、11年のCDの生産額は10年比6%減の2084億円。

13年連続で前年実績を下回っている。日本レコード商業組合に加盟する音楽CD店は635店(11年4月時点)で前年比11%減。この10年で3分の1の水準に減少した。

米欧の音楽大手は動画共有サイト「ユーチューブ」に無料で演奏映像を流して広告で稼いだり、ライブの集客やTシャツなどの物販を増やしたりするなど、音楽配信から派生するビジネスを育てて収益の多角化を進めている。

日本の音楽業界もCD頼みの体質をどこまで早く転換できるかが問われることになりそうだ。』

昨日、出版取次最大手の日本出版販売(日販)が書店からの返品を制限する「買い切り制」を導入する方向で大手出版社や書店と協議に入ることについてブログ・コラムを書きました。

これは、アマゾンが近々に日本市場でキンドルを端末として電子書籍事業展開することに対応するためとみています。

電子書籍はネット配信で購入でき、しかもキンドルは紙の感覚で読書を楽しめるため、多くの顧客から支持されました。その結果、既存の書店は売り上げ減から何社が倒産しました。

音楽業界でも同じことが既に起こっています。音楽の伝達媒体がCDからネットに移行しつつあります。それもかなりの速度で。

国内の音楽市場規模は、CD及びネット配信の両方で縮小しています。記事によると、11年のCDの生産額は10年比6%減の2084億円。また、11年のネット配信市場は10年比16%減の719億円と2年連続の前年割れとのこと。

アメリカの場合は、CDの売上が大きく減少しても、ネット配信は伸びています。

音楽提供に関わる企業は、何故アメリカでネット配信が顧客に支持されているか冷静に考える必要があります。

国内企業の弱いところの一つは、急激な変化に対する対応力です。例えば、家電企業はかってテレビにCRT(ブラウン管)が使われていたころ世界市場を席巻しました。その後LEDが使われ始めても、CRT事業で収益を稼いでいた複数の企業は、LEDのような新規デバイス開発に積極的に投資をしなかったため、現在大きく出遅れています。

CDも同じです。テープやCDのような物理的媒体に音楽や映画を記録して販売するやり方は、国内企業のお家芸でした。

ソニーの場合、音楽配信のソフト、及びCDやCD再生装置などのハードの両方の事業を行っていますので、CD全盛期の時は大いにビジネスをエンジョイ出来ました。

ネット配信は、その事業基盤を崩すものになります。当然のごとく、これはアップルの狙いでもあります。

顧客からネット配信の利便性に対して支持を得ながら、CDから音楽市場を奪いつつあります。勿論、ソニーも音楽のネット配信に力を入れていますが、既存CD事業をを持ちながら
では、アップルのような単純明快な事業展開は出来ないものです。

そのことが国内音楽市場の縮小に表れています。ネット配信は顧客から支持されています。利便性の高さと価格の安さです。

書籍や音楽の世界は、この顧客志向の変化を正確にとらえて大胆に「集中と選択」を行って、迅速な対応を行える企業のみが勝ち残れます。

ネットがベースとなる事業で、国内企業が勝ち残るには顧客からの支持をどれだけ取って市場を獲得できるかが重要です。

ネットは、ボーダーレスで国境がありません。アメリカや日本で起こっていることは、ネット環境が整っている国・地域ではどこでも同じことが起こるとの前提で事業する必要があります。

ネットは、既存事業の基盤を大きく且つ、急速に変えていきます。これを積極的に取り入れて変化していくことが重要です。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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