間取りを考える前に、建設現場の法規制を調べなければなりません。隣地との間隔はどの程度空ければよいのでしょうか?
一番簡単は方法は、現場付近で新しそうな建物を見つけて、何cm離しているか測ることです。大体の検討がつきます。
確実な方法は市役所の建築指導課へ行って尋ねることです。その際に住宅地図とか場所を特定出来る資料を持っていけばスムーズです。
図面を事前に引いておくのは良い事です。建築指導課に行ったついでに、建蔽率と容積率も確認しておきましょう。どれ位の延べ坪が限界か把握出来ます。ついでにもう一言「北側斜線の制限はありますか?」と尋ねましょう。「制限区域内です」と言われれば内容を確認しておきましょう。
さてプランする前に、事前の作業として行うことがあります。それはご家族の希望をまとめることです。ご家族全てが気持ちよく住まう為の第一歩です。それとご家族のライフスタイルを考えることです。主人は朝起きて寝るまで何をしているか?主婦の一日はどうか?子供はもっぱら何処で過ごしているか?その辺を観察することです。
新築した自宅を、15年先にリフォームすると考えて、その頃まで家に手を加えることなく快適に過ごせるプランを考える事です。
新築の家で15年先にリフォームするのはもったいないと考えてしまいますが、実際の15年先は今の家庭環境と全く異なっています。5歳の子供が20歳になる時の移り変わりは、ライフスタイルが全く変る事を意味しています。キッチンやユニットバスの耐用年数を考えると15年先を目途にリフォームすることが、快適な生活を持続させるコツなのです。
逆に云うと、新築で目一杯お金をつぎ込んでも、15年先には手を加えなくては、快適な生活を持続出来ないのです。キッチン・ユニットバスと云った、住設機器も1年毎に新製品が出ます。どんな安物でも15年は持ちます。初期投資でどんとお金が掛かる時点では、住設機器は最低ランクの製品に抑えてコストダウンをはかるべきです。構造的には大きな部屋から小さな個室へ区切るのは容易ですが、小さな部屋を大空間に改造するのは容易ではありません。小さな子供でも将来は個室を欲しがるだろうから初めから、個室を造っておくと考えるのは、間違いとは云いませんが、初期投資を考えると無駄です。仕切る壁一枚でも費用は掛かるのですから、その費用は15年先のリフォームに残しておいて、それまでは広い空間を楽しむべきかと思います。
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このコラムの執筆専門家
- 福味 健治
- (大阪府 / 建築家)
- 岡田一級建築士事務所
木造住宅が得意な建築家。
建築基準法だけでは、家の健全性は担保されません。木造住宅は伝統的に勘や経験で建てらていますが、昨今の地震被害は構造計算を無視している事が大きく影響しています。弊社は木造住宅も構造計算を行って設計しています。免震住宅も手掛けています。
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