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日経記事;パナソニック取引先1万社と温暖化ガス削減に関する考察

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皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

2月19日付の日経新聞に、『パナソニック、取引先1万社と温暖化ガス削減 国際基準「スコープ3」に先手』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。
 
記事の主な内容は以下の通りです。

『パナソニックが原材料や部品の調達先1万社超と温暖化ガスの削減に取り組む。4月から全取引先に排出量の把握を求め、排出の少ない生産手段や製品の開発を促す。

企業活動のあらゆる領域を対象とする温暖化ガス算定の国際基準「スコープ3」に沿った取り組みで、新基準が世界規模で広がるとみていち早く対応する。取引先とともに削減余地を洗い出し、製品競争力の向上につなげる。

スコープ3への国内企業の主な取り組み
▽パナソニック
4月から原材料や部品の全調達先に温暖化ガスの排出量把握を求める
▽キリンホールディングス
09年の排出量を推計し、削減余地を把握。調達基準見直しなど検討
▽大林組
建設中の複合ビルを対象に算出。環境配慮型ビルの販売提案に活用
▽富士通
環境省の研究会に参加し、算定ノウハウを蓄積。本格導入に備える
 
スコープ3は世界の有力企業で構成する団体などが定めた新しい基準で、昨年10月に確定版が公表された。自社の生産活動だけでなく、原材料の調達先や生産の外部委託先から出るガスも算定の対象とする。

対応は企業の自主的な判断にまかされ、排出量の削減義務や拘束力はない。しかし、海外では米小売り大手のウォルマート・ストアーズや日用品大手のプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)などが、対応できる企業に限り取引するなど調達先選別の尺度とする方針を打ち出している。

パナソニックは今後、スコープ3への対応が国内外で重要になるとみて導入を決めた。調達先に協力を求める作業は短期では費用と手間がかかるが、サプライチェーン(調達網)全体で排出量を減らせれば節電などコスト低減につながる。

広大な裾野産業を抱える電機大手が資本関係を超えて取引先と削減に取り組む決断は、企業に一段の温暖化対策を迫るきっかけになりそうだ。

原材料の調達基準を改め、取引先に温暖化ガスの把握を求める方針を盛り込んだ。生産活動などで生じる温暖化ガスを調べ、把握できる取引先にはデータ開示を求める。調達先には中国など新興国企業も多く、現地企業に担当者を派遣して理解を求める。

パナソニックは生産活動と商品の使用時に生じる二酸化炭素(CO2)排出量を2018年度に減少に転じさせる中長期目標を立てている。パナソニックグループが世界で排出する温暖化ガスは10年度で400万トン程度。試算では調達先企業はパナソニックグループの約3倍排出している。

パナソニックは排出量データの提出を取引継続の条件とはしない。しかし、13年度からの中期経営計画では新基準に従って算出した取引先を含む温暖化ガスの排出量を公表、世界規模で削減を進める。

キリンホールディングスもスコープ3に沿ってCO2排出量を推計、原料や資材の製造・輸送段階で大量に排出していることがわかり調達基準を見直す検討に入った。大林組は東京都港区で建設中の複合ビルを対象に排出量を試算した。』


温暖化ガス算定の国際基準は、世界の有力企業が加盟する「持続可能な発展のための世界経済人会議(WBCSD)」と米シンクタンク「世界資源研究所(WRI)」が定めた温暖化ガス排出量を算定するものです。

算定範囲は以下の通り。

★スコープ1(導入済み)
自社で所有する工場や車両など
★スコープ2(導入済み)
自社で消費する電力など
★スコープ3(新基準)
原材料や製品の輸送・流通、従業員の通勤・出張、消費者による自社製品の使用、フランチャイズチェーン店、外部企業への業務委託分など

スコープ3は、2011年10月に最終確定版が公表されました。自社の工場や車両などが対象になっていました従来のスコープから、関連企業を含む全事業活動範囲が対象になります。

何回か報道されました様に、温暖化ガス削減交渉は各国、特に米国、中国、インドなどの反対で合意が成立していません。多分、当分無理でしょう。

日本は、一部の先進国のみが不利益を被るとの理由で、京都議定書の延長に参加していません。片一方で、世界レベルで環境対策を取ろうとして動きが、スコープ1から3に至るものです。このスコープには強制力はありません。

しかし、世界の有力企業が足並みをそろえて環境対策を強化しますと、これらの企業と取引をしている会社は当該対策に協力しないと取引の継続が出来なくなります。特にスコープ3は、明確にこのような規制を打ち出しています。

記事によると、パナソニックはスコープ3が世界企業の間での採用が進むと判断。先手を打って協力企業に対応要請することを決めたとのこと。

どの国の消費者も環境への関心が強くなっています。特に先進国では高い状況になっています。これらの消費者に対して、スコープ3を導入した企業は、自社製品・サービスに対する環境対策をアピール出来ますので大きな宣伝広告になります。

スコープ3が多くの世界企業で採用されますと、消費者はスコープ3を採用していない企業の製品・サービスを購入しない可能性もあります。

世界企業の取引先の中で、まだ環境対策をしていない企業は、大きな影響を受けます。環境対策が出来ない企業は取引を停止される可能性があります。

逆にいますと、環境対策を取れる企業はそれを世界企業にアピールすれば、今まで取引がなかった当該企業との取引が出来る機会が生まれます。

通常、国内の中小企業が国内の世界企業と取引が出来る(世界企業に当該企業に対する取引口座を持ってもらう)には、売上規模を含む経営状況などから判断されてハードルが高く難しくなっています。

スコープ3レベルの要求を満たせる中小企業が出てくれば、今まで取引のなかった世界企業との商売が始まる可能性があります。

国内企業は環境対策が得意であり、海外の企業から当該対策に絡む新規開発や技術・部品・製品の提供などの要求が出され、新規事業獲得の可能性も出てきます。

取引先から温暖化対策の協力要請があれば、積極的に応じることが必要かもしれません。当然、費用対効果で判断することになります。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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