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もうひとつ準確定申告の話~相続編~

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相続税・贈与税の基礎知識

皆さんこんにちは。


確定申告も本格的にスタートしました。

私たちの事務所でも、他の会計事務所さんほどではありませんが、相続税の申告作業に合わせ、確定申告の作業にもスタッフが追われる日々です。


さて、前回のコラムでは「もうひとつの確定申告の話(導入編)」として消費税の仕組みについて取り上げてみました。

今回は相続が発生した場合の、「消費税」の申告について取り上げてみたいと思います。


所得税でも取り上げていますのでお分かりかと思いますが、亡くなった方は税金の申告をすることが出来ませんから、当然、亡くなった方の相続人が亡くなった方に代わって消費税の申告を行うことになります。


まず、いつまでに行うのでしょうか?

これも所得税と一緒です。消費税の「準確定申告」も亡くなってから4か月以内(正確には相続開始を知った日の翌日から4か月を経過した日の前日まで)に申告を行わなければなりません。

簡単に申告期限を整理してみましょう。

(1)所得税・消費税→相続開始から4ヶ月以内。

(2)相続税→相続開始から10ヶ月以内。


では誰が行うのでしょうか?

これも所得税と一緒です。原則として相続人全員で1枚の申告書に連署の上、申告を行うことになります。


次に申告書の提出先です。これももうお分かりですね。

被相続人の納税地(一般には住所地が多いと思います)を管轄する税務署(税務署長)へ提出することになります。


ここまでお話しますと、「消費税の準確定申告といっても、毎年1月1日から相続開始日までの消費税を集計・納付すればいいだけだから、そんなに難しい作業ではないじゃないか?」とお思いでしょうが、消費税には他の税目にはない、もう一つの山があります。

それが、前回、取り上げました「小規模事業者の消費税の納税義務」と「簡易課税制度」です。

相続開始年の被相続人の消費税の納税義務については、前回の導入編からご想像いただけるかも知れませんが、整理を兼ねて、一つ例を挙げてみましょう。


平成22年の2月28日に相続が開始したとします。

問題は「22年」の消費税です。(図をご参照下さい)

1)被相続人の2年前(20年)は3,000万円の(消費税を預かる)売上がありますから、22年の2月28日までの売上について、消費税の準確定申告を行わなければなりません。

2)では、22年(相続及び事業継承があった年)の3月1日からの売上(2,800万円)についてはどうでしょう?これは親の20年の売上、或いは事業継承した子の20年の売上のいずれかが1,000万円を超えていると消費税の納税義務が生じます。

3)その翌年の23年以降は、親と子の売上を合算して1,000万円超かどうかによって、消費税の納税義務の有無を判断します。


では、親が「簡易課税制度」の適用を受けていた場合、子はどうなるのでしょうか?

「簡易課税制度」はあくまでも個人個人での選択になりますので、親が受けていたからといって、自動的に子供が「簡易課税制度」を受けられるようになるとはなりません。

相続開始年(例では22年)の簡易課税制度の選択期限は、事業継承した子がそれ以前も事業を行っていたのか否か、親が簡易課税制度の適用を受けていたのか否かによって変わってきます。

1)子が事業を行っていた場合→22年(相続開始年)の初日(1月1日)の前日(つまりは平成21年12月31日のことですが、消費税においてはこう表現します。事業開始年を中心に考えるからですね)

2)子が事業を行っていなかった場合、又は親が簡易課税制度の適用を受けていた場合→22年(相続開始年)の年末

当然、2年前の消費税の課税売上高が5,000万円以下という事が、「簡易課税制度」の適用を受けるための前提になります。


さらに「相続」ですので、これに『遺産分割』の問題も絡んできます。

複数の相続人がいた場合、すぐに「遺産分割協議」がまとまれば何の問題も生じないのですが、未分割で各申告期限を迎えた場合には、被相続人の売上を法定相続分で按分して計算することによって消費税の納税義務を判定することになります。


このように消費税は「相続開始年の2年前の消費税を預かる売上で、その年の消費税の納税義務を判定する、あるいは「簡易課税制度」という制度の適用を認める」という小規模事業者向けの条文がありますが、かえって相続財産は多いが事業だけが小規模な「小規模事業者」の負担を増幅している面があるのではないか?と感じることがしばしばあります。


いずれにせよ、各種届出に関して、他の税法よりもさらに期限が細かい消費税ですので、提出忘れのないように心がけたいものです。

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