【世界を旅する働くレシピ（５）】　ラオスで「働く」を考える

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「働く」を応援するシリーズⅡ
　　世界を旅して働くレシピ（５）　ラオス編
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ラオスに行ったのは
20代の一番最後の年

会社から
1週間休暇をもらい
バックパックを背負ってまた航空券だけ片手に
ラオスに行った

ラオスでは何もしなかった

ただ毎日毎日
朝起きたらぶらぶらとメコン川沿いを散歩して
お昼にはメコン川沿いのカフェでお茶をして本を読む
夕日が沈む時間にメコン川まで降りていき
ずっと沈む夕日を眺めて
夕日が沈んだら
近くの屋台で川で取れた魚介類を焼いてもらって食べた

何もしなかった
いろんなことを考えたようで
何も考えなかった

ただなんとなく
自分がこのまま20代を終えてしまうことを
どこかでふと立ち止まって考える時間が欲しかった

欲しかったのに
1週間という自分だけの時間の中でも
何も考えられなかった

その頃はどこかで考えたら
止まってしまうと思っていたのかもしれない

会社員って
いろいろなしがらみの中で生きていて
そのしがらみを一つ一つほどいていくことを
罪悪感に感じる

それをほどいてしまったら
もうこの場所にはいられなくなるんではないかという思い
もう走れなくなるのではないかという不安

いろんなしがらみがあって
だからこそ走り続けなければいけないと思える

そうやって
自分で自分にたくさん鍵をつけて
重い楔を自分に科して
「サラリー」をもらって働いている人間だから
って言い聞かせていたのではないかな

メコン川に沈む夕焼けは
最高にきれいだったし
きれいな記憶が残っているのに
今ではあの時何を考えていたのかまったく思い出せない

人生の一時期くらい
そう思って突っ走る時期があってもいいのかな

でもどこかで必ず立ち止まって
自分につけた鍵をちゃんとほどいて
ありのままの自分を考えてあげる時は必要

うまく説明できないけど
メコン川のきれいな景色と
ああ、あの時あんな風に感じたんだった
って思いが一緒に蘇ってくるような状態を自分に作ってあげる事



だって
私はラオスに行ったことを
自分の脳のICチップに記録しているのではないから


ラオスに行った経験を
その時の思いを
私の中で感じたいだけなのだから




（LAOS　in2009)

ラオスで「働く」ことを考える

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