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日経記事;"ファナック,国内新工場 スマホ部品向け工作機械"考察

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皆様、
おはようございます。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

2月12日付の日経新聞に、『ファナック、国内新工場 スマホ部品向け工作機械 生産能力を倍増』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『ファナックは国内で工作機械の大幅増産に乗り出す。茨城県筑西市の拠点に新工場を建設、年内に生産能力を現在の2倍の月5千台に増強する。

スマートフォン(高機能携帯電話=スマホ)市場の拡大を受け、主要部品を造る工作機械の需要が急増しているのに対応する。

出荷先の大半は海外だが、円高下でも国内集中で量産効果を追求する方が価格競争力を高められると判断した。

増産するのは「ロボドリル」と呼ぶ工作機械で、金属の塊からスマホの外枠(フレーム)などを削り出すのに使う。台湾や韓国のメーカーが競合製品を手掛けているが、ファナックは加工精度を左右する数値制御(NC)装置を内製する強みを生かし世界シェアで首位に立つ。

国内だけで生産し、月産能力を1600台から2500台に増強したばかりだった。

今年12月までに、筑西市の拠点に組み立て工場2棟と部品加工工場を新設する。既存工場を含めた延べ床面積は15万6千平方メートルに倍増する。

部品加工工場は産業用ロボットを大量導入し、ほぼ無人で昼夜連続操業する体制とする。集中生産で設備の稼働率を高め、部品1個当たりの加工費を抑制。

国内外で分散生産するより低コスト化が可能となり、現行の円高水準でも価格競争力を維持できるという。国内立地を生かして研究開発部門と緊密に連携し、主要顧客である中国や東南アジアのEMS(電子機器の受託製造サービス)からの仕様変更などの要請にも即応する。

ファナックは産業用ロボットでも、昨年末に国内新工場を稼働させ月産能力を5千台に倍増した。主力のNC装置を含め全量を国内で生産し、海外売上高比率は75%に達する。

2012年3月期の純利益は前期比25%増の1500億円と過去最高の見通しで、円高下で好調を維持する。ただ中国や欧州景気の減速で自動車工場向けなどの出荷が鈍る懸念があり、積極投資で成長が続くスマホ向け需要を取り込む。』


現在、世界市場で単品で成長しているのがスマホです。スマホは、世界市場で成長している数少ない商品で、当分その普及率が60%位になりまで成長し続けます。

アップルとグーグルのアンドロイド陣営との激しい競争も、機能、性能の向上と価格低下を起こし、更なる普及を促進します。

スマホの大半は、台湾や中国などののEMSで生産されています。そのスマホに使われている電気・電子部品の大半は日本製であると言われています。

例えば、TDKはスマホ向けの薄型電池を供給しており、昨年10月末に当該電池を30%増産すると発表しました。
ソニーも、アップルのiPhone向にカメラ用の画像センサーを20%程度増産すると同じ時期に発表しました。

国内電気・電子メーカーの小型高性能部品がこのようにスマホに使用されています。

ファナックは、スマホ用工作機械をEMSに提供しています。スマホ市場の伸びと共に、EMSから工作機械の注文が増えたたため、今回の増産を決めたとのこと。

ファナックは、工作機械市場では圧倒的な技術力を持っています。また、工作機械の生産もほぼ無人化工場で自動生産出来るようにしています。

24時間フル稼働すれば、工場の固定費が大幅に圧縮されます。高い技術力を背景とした商品力と低コスト化で国内で作り輸出して設ける仕組みを構築しています。

ファナックの海外売上は、全体の75%を占めていますので、まさに輸出をベースにした外需企業です。現在の円高状況でも輸出で収益を稼げる数少ない企業の一つです。

可能にしているのは、高い技術力による差別化・差異化の実現と、自動化による量産効果での固定費圧縮です。

中堅・中小企業がお手本とすべき企業の一つです。

工場を自動化し量産効果を出さなくても、国内生産で海外企業や他の国内メーカーとの競争を行える企業もあります。

例えば、日本HP(ヒューレッドパッカード)です。日本HPは、国内市場向パソコンを日本国内で作り供給しています。輸出こそしていませんが、国内で作っても激しい競争に打ち勝ち収益を上げられる仕組みを作っています。

HP製パソコンの商品力と国内生産のメリットを生かした短納期などで顧客を獲得しているのです。

東京スカイツリーや、新幹線、瀬戸大橋、海外の高速鉄道などで使われている「ゆるまないネジ」で有名なハードロック工業などもあります。ハードロック工業は典型的な中小企業です。

この「ゆるまないネジ」を国内で作り輸出もしています。差別化・差異化できる技術やサービスでオンリーワンの世界を作り、輸出しても収益を上げることが出来ています。

円高で輸出から収益を上げることが難しくなっているのは事実ですが、見方を変えて自社の強みを最大化して、差別化・差異化を可能にする商品やサービスを持てれば、国内及び海外(輸出)で収益確保が可能になります。

自社単独で強みを出すことが難しい場合、異業種他社との連携・協業で可能にする方法もありますし、資金的な余裕があり経営能力があれば、M&Aによって差別化・差異化できる技術力やサービス力獲得も可能です。

国内市場でも海外市場でも、市場縮小や円高対策に有効な手段は、差別化・差異化できる技術力やサービス力の確保・確立が重要です。

国内市場縮小や円高の状況では、中小企業は知恵を絞って良く考え、迅速に行動する必要があります。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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