日経記事;"日産,中国など主要市場で快走 利益で業界首位"考察 - 海外展開 - 専門家プロファイル

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日経記事;"日産,中国など主要市場で快走 利益で業界首位"考察

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皆様、
おはようございます。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

2月9日付の日経新聞に、『日産、中国など主要市場で快走 利益で業界首位 現地開発で競争力』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。
 
『日産自動車が2012年3月期に連結純利益で初めて自動車業界の首位に躍り出る。タイ洪水の影響がホンダなどに比べ小さかっただけでなく、世界最大の市場である中国など主要国で販売シェアを順調に伸ばしている。製品開発の現地化やコスト低減も効果を上げ始めた。

「厳しい環境下にもかかわらず、確かな販売と利益を実現した」(田川丈二執行役員)。今期の日産の快走は好調な新車販売に支えられている。先進国に加え、日本勢が出遅れている新興国でも販売が伸びており、穴がない。中国では前年同期比0.9ポイント、米国は0.3ポイントシェアを高めた。

中国は既に米を抜き、日産最大の販売先に浮上。中型セダン「ティアナ」や「サニー」が好調で、世界で売られる日産車の約4台に1台は中国での販売だ。内陸部にも店舗網を積極展開し、日本勢の中では独走状態を築き上げた。他の新興国でも販売が伸び、ロシアは6割増、ブラジルはほぼ倍増した。

製品の競争力が高まった要因のひとつに開発の現地化がある。中国やインドなど海外に13カ所の開発拠点を展開。技術者約2万人のうち外国人は3割で「車業界で屈指の高さ」(開発担当の山下光彦副社長)。市場ごとに消費者の好みをくみ上げ、開発に生かす。

海外の販売増は4~12月期に1200億円強の営業増益効果を生み、円高によるマイナス影響(約1500億円)の大部分を吸収。影響額をトヨタ(約2000億円)より抑えたことが奏功した。

ここにきて急速に進んだ円高・ユーロ安への抵抗力も強み。対ユーロで1円の円高がもたらす営業減益額(為替感応度)はトヨタの約50億円に対し、日産はほぼゼロ。車生産の現地移転や資本提携する仏ルノーからのエンジン調達などを進めた成果といえる。

今後は高級多目的スポーツ車の「インフィニティJX」や「ローグ」の生産を日本から米工場に移管する。完成車の現地生産を拡大するとともに、中国や韓国から日本への部品輸入を増やすことを通じ、対ドルの円高抵抗力をさらに高める。

タイ洪水の被害が小さかったことも幸いした。生産への影響は3万3000台とトヨタ、ホンダの7分の1以下の規模。生産拠点や部品の調達を分散してきた効果が表れた。東日本大震災時は部品在庫が多かったため、その後の生産復旧が他社に比べて早かった。

★2011年の世界新車販売台数ランキング
順位(前年) 社 名           販売台数
1(2)   米ゼネラル・モーターズ   903 (  8)
2(3)   独フォルクスワーゲン    816 (  14)
3(1)   トヨタ自動車        795 ( ▲6)
4(4)   日産自動車・仏ルノー    739 (  9)
    (うち日産自動車)        466 (  14)
5(5)   韓国・現代自動車                   660 (  15)

単位万台。カッコ内は前年比増減率%、▲はマイナス。現代自は起亜自動車含む。
 
日本勢では利益トップに立つ日産だが、長引く円高が災いし、海外勢には見劣りする。米フォード・モーターの11年1~12月期の連結純利益は202億1300万ドル(約1兆5500億円)、韓国・現代自動車の純利益も8兆1049億ウォン(約5600億円)と日産を大きく引き離した。

利益の差は研究開発や増産への投資余力の差となって将来の成長力を鈍らせかねない。販売1台当たりの収益性向上など取り組むべき課題は山積している。』


今回の国内自動車メーカーの中で目立つのが日産の堅調さです。日産の経営は実質的にルノー出身のゴーン氏が取っています。

欧米自動車メーカーは、以前より新興国、特に中国内で現地生産を強化してきました。また、開発拠点もこれらの国に置いて現地仕様車の開発促進を行ってきました。

日産の場合、他の欧米メーカーと同様に新興国(中国、ブラジル、ロシアなど)でも現地生産に加え開発拠点を設けると共に、販売拠点網も強化して来ました。

中国は昨年時点でアメリカを抜いて世界最大の自動車市場になっています。記事にありますように、日産の中国内のシェアは、2011年上半期(1月~6月)実績値で6.4%のシェアをとり、トヨタの5.7%を上回って国内自動車メーカー間では最も大きな数字を残しました。

加えて、日産はルノーとの提携を生かして、円高による収益圧迫を避けるため、現地生産へのシフトやエンジンのルノーからの調達増強などで、ほとんど円高インパクトを吸収したとのこと。

今回の決算は、今までの日産の行動が経営数字に反映された形になっています。

トヨタも中国での生産強化や開発拠点の設置などの対応を取っており、今後巻き返す動きを見せています。

収益の点からみますと、国内自動車メーカーはアメリカ企業に対して大きく引き離されています。例えば、米フォード・モーターの11年1~12月期の連結純利益は202億1300万ドル(約1兆5500億円)となっており、日産の5560億円を大きく上回っています。

フォードは米ドル安の恩恵も受けて築いた収益力の差は大きく、今後の商品開発力に差が出る可能性があり、国内自動車メーカーの今年の課題として、収益力向上もあります。

今年はアメリカの自動車市場が堅調になる予測が出されており、この市場で国内自動車メーカーが売上を大きく伸ばすことが、収益力向上のカギとなります。

国内自動車メーカーの強みは、環境対応力です。この強みを最大限生かしつつ、現地生産などを強化して事業を行っていくことになります。

プラグインハイブリッド車・電気自動車が、順次市場に投入されていきますので、その影響をみながら各企業の動きを注目します。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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