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日経記事;"ルネサス/富士通/パナソニック,半導体で統合交渉"考察

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経営戦略 集中と選択;事業撤退

皆様、
おはようございます。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

2月12日付の日経新聞に、『ルネサス・富士通・パナソニック、半導体で統合交渉 設計・製造で新会社 米大手・革新機構も出資』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『ルネサスエレクトロニクスと富士通、パナソニックの3社が半導体の主力事業を統合する方向で協議を始めた。家電製品などに組み込むシステムLSI(大規模集積回路)事業を3社が切り出し、官民ファンドの産業革新機構が出資して半導体設計の専門会社を設立する。

革新機構は米国企業と半導体を受託生産する新会社も併せて設立する。日本の主要半導体メーカーを設計と製造部門に集約し、開発力の強化で生き残りを目指す大がかりな再編が動き出す。

ルネサスと富士通、パナソニックの3社と革新機構は3月末までの基本合意を目指す。2012年度末までの事業統合に向け交渉する。実現すれば年間売上高で約5000億円とシステムLSI分野で世界有数の会社が誕生。

システムLSIを手がける日本の半導体メーカーは新会社と東芝の大手2社に集約される。再編により電子機器や自動車の「頭脳」となるシステムLSIで、国際競争力のある半導体メーカーをつくる狙い。

ルネサスと富士通、パナソニックの3社はまずシステムLSIの設計・開発部門を切り出して統合新会社をつくり、革新機構から数百億円の出資を受け開発費用に充てる。

画像処理や通信機能など各社が得意とする技術を持ち寄り、スマートフォン(高機能携帯電話=スマホ)や自動車の制御をつかさどるシステムLSIの開発力を高める。

多額の設備投資が継続的に必要となる生産部門は、設計部門と切り離す。革新機構と半導体受託生産で世界2位の米グローバル・ファウンドリーズ(カリフォルニア州)が日本に設立する新会社に移管する。

新会社はルネサスから鶴岡工場(山形県鶴岡市)を、富士通から三重工場(三重県桑名市)を取得する案を軸に調整する。

さらに、経営再建中のDRAM大手、エルピーダメモリから国内唯一の生産拠点である広島工場(広島県東広島市)を買い取る方向で、詰めの協議に入っている。

革新機構とグローバル社は広島工場を買い取った後、一部の設備を入れ替えてシステムLSIの受託生産事業を始める。グローバル社は日本に初の生産拠点を持つことで、日本の電機や自動車メーカー向け半導体の生産拡大を狙う。

新会社設立後もルネサスは主力のマイコン事業に、パナソニックは画像センサーなどに経営資源を集中する見通し。

演算処理やデータ保存などの機能をまとめたシステムLSIの顧客は電機、自動車メーカーなど幅広い。顧客企業の求めに応じて少量多品種の生産構造になりやすい。

ただ、最先端の半導体を生産するには1工場で千億円単位の投資が継続して必要となる。このため半導体各社のシステムLSI事業は軒並み赤字で、抜本的な構造改革を迫られていた。』

国内半導体メーカーはどこも赤字に直面しています。この記事の通りとすると、ルネサスエレクトロニクスと富士通、パナソニックの3社がいよいよ事業統合に向けて動き出しました。

動機は、これ以上の赤字状態を続けられないからです。どの企業も自社の当該事業から収益を上げることが基本です。今まで、半導体事業の赤字状況を他事業の収益でカバーしたり、何とか運転資金を確保して事業継続して来ましたが、これ以上の継続が難しくなり、事業統合でこの問題を解決しようと判断したことによります。

事業統合は中途半端に行いますと失敗する確率が高くなります。
世界の半導体企業は、開発と受託生産に分業、専業化して強みを出して収益を上げています。

例えば、携帯電話向け半導体のアメリカ クアルコムや、画像処理半導体のエヌビディアがあります。これらの企業は、設計・開発に特化し、ファブレスで生産は台湾企業に委託しています。

今回の事業統合案は、新会社を開発・設計部門と、生産部門に明確に分ける形になっています。専業化することで強みを出していくやり方です。

このやり方は、上記しましたように、世界の半導体企業が取り入れています。このスキームで勝ち残っていく方針を固めたようです。

今まで、半導体事業統合案は何度か考えられたようですが、実行できませんでした。

これは、日本企業が過去に成功した、開発・設計・生産を一貫して行う垂直統合方式のやり方に固執したことや、人事や統合する工場の選択などについて各社の思惑や方針の違いが入り混じり、思い切ったことを行わなくても何とか事業継続出来ていたから、真剣に検討・実行してこなかったなどの理由によります。

今回統合に動き出したのは、今の体制存続が出来なくなったからです。

事業統合する以上、また、官民ファンドの産業革新機構も資金提供しますので、各社の思惑などを乗り越えて思い切った事業展開を行う必要があります。

キーワードは、世界ナンバーワンです。開発・設計する半導体の機能や仕様で他企業に対して徹底的に差異化・差別化出来るものにして、オンリーワンとする。

生産は、最新の設備を持って、最先端の半導体を低コストで製造・提供できるようにし、台湾企業に打ち勝つようにする。

事業統合の旗振り役がポイントになります。

経営のやり方をシンプルにし、意志決定や実行を迅速に行える経営体制の確立が最重要の一つです。各社の寄り合い所帯的な組織にしますと、明確かつ迅速な経営が出来ません。

上記ナンバーワンになるという共通目標を持って、新組織が迅速に行動計画を作り実行することが重要です。

半導体は、電気電子製品の競争力強化のために必要な重要部品です。この重要部品を国内企業が供給し続けることが出来るようにする最後の機会とみています。

事業統合のやり方や成果の出し方の事例としても価値があり、今後の動きに注目していきます。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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