「○○業界」と呼ぶのはやめよう。 - 営業施策全般 - 専門家プロファイル

別所 諒
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東京都
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閲覧数順 2024年04月22日更新

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「○○業界」と呼ぶのはやめよう。

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「○○業界のことをご存知ですか?」

コンサルティングや広告の仕事をしていると初めて仕事をする人には必ず聞かれる。

 

こちらの力量に不安もあるだろうから、

質問は当然だ。

 

住宅設備のカタログ作成の場で、安易に「ウォシュレット」(TOTOの商品名)

なんて言ってしまえば、他メーカーのシャワートイレを採用している場合は、

信用を失う。

 

お客さんとの会話にならないレベルでは仕事ができないので、

「業界の常識」は知っておく必要がある。

 

しかし、業界の専門家にある必要はないと考えている。

業界に詳しいということは、マイナス作用を生むこともあるからだ。

 

当社に限れば、特定の業界に特化していないことが、最近では強みになっている。

 

 

これまでは、競争相手は同じ業界の会社に限られていた。

しかし、不況になり、生活習慣が変わると全く違う会社がライバルになるし、

場合によっては、「感情」がライバルになることもある。

 

例えば、不況になれば、郊外のファミリーレストランのライバルは塾になる。

 

旦那の給料が下がったので、奥さんがパートに出て、

塾の費用を捻出している家庭は、外食を控える。

 

ファミリー向けのレストランにお客が来なくなったからと言って、

近隣のレストランと価格やメニューの競争をしても縮小するパイを取り合っているに過ぎない。

 

主婦がパートに出始めると、夕食の時間がない。

ということは、レストランは塾に出前をするサービスが必要になる。

 

すかいらーくグループでは、すでに、出前のサービスを行なっている。

(お付き合いをしている塾では、すかいらーくの出前を取っている)

 

デリバリー業界は、他業界から巨人が参入してきたことになるので、

業界の地図に異変が起こる。

 

このような流れは、メニューを考えたり、内装を整えたり、看板を付け替えても

止めることができない。

 

これまでにない発想が大切だ。

 

これまでにない発想を持ち続けるためには、「業界」の知識ではなく、

お客さんの「人の生活全般」についての視点が必要になる。

 

人の生活全般に視点を移したとき、「モノに囲まれても幸せを感じない。」

という世代が消費の中心にやってくる時代は驚異だ。

 

日本国内のテレビ事業が軒並み大赤字になっている。

ライバルは世界的に見れば韓国メーカーになるが、

国内に限れば、消費世代の「感情の変化」だ。

 

高機能に幸せを感じない世代を相手に、品質で勝負しても市場は動かない。

 

バブル時代を彷彿させて、「モノがあるのが楽しいぞ!」と啓蒙するか、

世代のニーズに合わせる必要がある。

 

モノに幸せを感じない世代が、食費を切り詰めても、切り詰めないものは、

「携帯電話」である。

 

そんなことを考えれば、

テレビ業界が携帯電話やタブレットへ進出している流れは当然と言える。

しかし、機能の向上にフォーカスしている限り、ヒット商品は生まれないだろう。

 

携帯電話が手放せないのは、「つながり」を必要とするからだ。

 

本来、テレビのよさは通信費用がかからないということだ。

インターネットを経由しない無料の「つながり」を構築できればテレビはヒットするかもしれない。

 

パシコン化するテレビではなく、

パソコンや携帯電話をテレビ化させることでしか、「モノ」は売れないだろう。

 

こんな提案は、業界知識があるほど、荒唐無稽なアイデアに聞こえるかもしれない。

できない理由は山のようにあるだろう。

 

しかし、切り詰め世代には、モノを安く提供して、

通信料で儲けるビジネスモデルも負担になりつつある。

 

逆の発想で、通信量がかからない「モノ」を提供するのはいかがだろう。

 

最初は安いけどずっとお金が必要になる

→最初にお金はかかるけど後は無料。

 

元々の「モノ」の売り方を検討する必要があるのではないだろうか。

 

こんな話は、大手企業に限った話ではない。

 

中小企業こそ、「業界の常識」に縛られてはいけないと思う。

「○○業界」と呼ぶのはやめよう。

 

 

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