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日経記事;三菱自,欧州生産撤退へ需要低迷で13年メドに関する考察

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皆様、
おはようございます。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

2月6日付の日経新聞に、『三菱自、欧州生産撤退へ 需要低迷で13年メ ド新興国シフト加速』のタイトルで記事が掲載されました。
 
本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『三菱自動車は欧州の自動車生産から撤退する方針を固めた。オランダにある自社工場で小型車などの生産を手掛けているが、2013年をメドに全面的に打ち切る。日本の自動車大手による欧州生産撤退は初めて。

債務危機の影響で欧州新車需要の低迷が続き、長期的にも欧州生産の採算好転が見込めないと判断した。三菱自はタイに世界向け輸出拠点となる大型工場の建設を進めており、新車販売台数で先進国を逆転した新興国への事業シフトを加速する。

◆欧州事業をめぐる戦略
・三菱自動車;欧州生産撤退へ。電気自動車で仏プジョーシトロエングループと開発提携
・トヨタ自動車;独BMWからディーゼルエンジンを調達
・日産自動車;英工場に250億円を投資。電気自動車や電池も生産へ
・ホンダ;ディーゼルエンジンを刷新。欧州向け「シビック」に搭載
・スズキ;伊フィアットからディーゼルエンジンを調達
・ダイハツ工業;欧州で新車販売から撤退へ
・マツダ;新型ディーゼル車「CX―5」を投入

欧州の新車販売は11年まで4年連続で減少し、12年も低水準にとどまる公算が大きい。韓国・現代自動車の攻勢などで価格競争も激化。

トヨタ自動車が売れ筋のディーゼル車拡充へ独BMWと提携する一方で、ダイハツ工業は新車販売から撤退を表明。日本の自動車各社は欧州事業の戦略見直しを迫られている。

三菱自は欧州生産撤退の方針を週内にも発表する。同社はオランダの生産子会社ネザーランズ・カー(ネッドカー)がボーン市に持つ工場で小型車「コルト」、多目的スポーツ車「アウトランダー」の2車種を生産、欧州で販売している。生産台数は年産能力の20万台を大きく下回り、11年4~12月期に欧州事業で114億円の営業赤字を出す要因となった。

生産終了後の工場は売却による存続を軸に検討し、労働組合やオランダ政府と本格協議に入る。工場の従業員は約1500人に達し、自動車産業育成を狙う同国政府も生産継続を求めているもよう。交渉は長期化する可能性もある。

ネッドカーの前身は1967年の設立。三菱自は91年に資本参加し、01年には合弁相手のスウェーデン・ボルボから株式を買い取って全額出資子会社とした。設備の老朽化に加え、日本から輸出する部品も多く、コストの高止まりが収益を圧迫していた。

三菱自の12年3月期の純利益は前期比28%増の200億円の見通し。東南アジアを中心に新興国事業の伸びが見込めるのを受けグローバル戦略を転換する。今期で22万2千台を計画する欧州販売(ロシア含む)は継続し、仏プジョーシトロエングループへの電気自動車供給の拡大も目指す。

三菱自は約400億円を投じてタイに低燃費小型車工場を建設中。日本や欧州を含む世界市場に輸出する。ロシアの合弁工場が年内にフル生産を始め、中国やブラジルでも供給能力を増強。先進国市場が伸び悩むなか、事業の軸足を新興国に移す動きが自動車各社にさらに広がりそうだ。』


海外生産を行う基本の一つに、市場に近いところに工場を置くやり方があります。これは、市場に近いことで市場の需要に柔軟に生産数量を調整し、過少在庫による売り逃しや過剰在庫のリスク低減が図られるためです。もう一つの理由は物流コストの削減です。

今回の記事では、三菱自の動きは欧州市場の車需要の低迷がしばらく続くと判断したことにより、同域内に工場を持つ必要性が低下したたためとされています。

また、この工場は設備の老朽化でコスト高になっていた背景もあるようです。国内企業が海外生産を行う他の理由の一つに、生産コストの安さがあります。

オランダ国内にある三菱自の工場の労働者の賃金は決して安くありませんし、設備が老朽化していれば尚更です。今回の三菱自の決定は合理的です。

今後の海外生産のポイントの一つが、適材適所の原則がより忠実に且つ柔軟に適用されることであると推測します。例えば、中国です。

当初は労働コストの安さから進出しました。今は、労働者の賃金が高くなり、労働者のストライキも多発する国になっています。

同時に市場の大きさからみますと、現在の中国市場はアメリカを抜いて世界最大になっています。市場の観点からみますと、自動車メーカーは市場に近い中国国内に工場を持って事業展開することになります。

中国の場合、一種の輸入規制がありますので、現時点では国内生産を積極的に行っているメーカーのシェアは高くなっています。

各メーカーは、電気自動車やハイブリッド車などの最先端技術の流出リスクを低減しながら、自動化などの投資で生産コストの削減を図ることで、中国内の生産を強化して売上拡大を図ります。

中国市場が欧州と同じようになった時は異なる動きが出て来るでしょう。また、他の新興国、例えば、インドやブラジルなどでの需要が大きくなった場合、各メーカーは同じように適材適所の原則に従って色々な生産展開を行うとみています。

適材適所の原則は国内市場でも適用されます。

同日付の記事に、ホンダが軽自動車の生産を自社の鈴鹿製作所に集約化して、量産効果で生産コスト削減を目指すとのこと。

現在国内市場では、低価格・低燃費の軽は、国内新車市場の30%以上を占めており、大きな需要が生み出されています。

ホンダは、適材適所の原則と、集約化で生産コストを減らし競争力をつけて、国内軽市場でのシェアアップを図ります。

軽市場はトヨタの本格参入により競争が激化します。ホンダの決定も極めて合理的です。

各自動車メーカーの場合、生産展開のやり方などを失敗すると経営に大きなインパクトを与えますので、どの会社の動きも無駄がなく合理的です。

この観点から中小製造業が海外生産や海外展開を行う時の参考情報として、各自動車メーカーの動きも常に注目しています。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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