日経記事;ソニー痛み伴う改革新体制,不採算事業撤退に関する考察 - 事業・企業再生戦略 - 専門家プロファイル

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日経記事;ソニー痛み伴う改革新体制,不採算事業撤退に関する考察

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経営戦略 集中と選択;事業撤退

皆様、
おはようございます。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

2月3日付の日経新聞に、『ソニー「痛み伴う改革」新体制、不採算事業撤退」』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『ソニーは2日、4月以降の新経営体制についての記者会見を都内で開催した。平井一夫副社長が4月1日付で社長兼最高経営責任者(CEO)に昇格し、ハワード・ストリンガー会長兼社長CEOは6月に取締役会議長に就く。

ストリンガー会長兼社長CEOは、7年間の就任期間を振り返り「責任を感じている」と語る一方で、「間違いを犯していないとはいわないが、ソニーだけではなく、日本の電機産業が大きな問題を抱えている」などと述べた。主な会見内容は以下の通り。

ストリンガー氏「2009年から後継者について真剣に考えてきた。経営体制を変革し、若く、グローバルな視点を持つ新世代の人に交代する。平井氏も準備が整い、いまがその時期だと判断した。業績回復の舞台は整い、最悪期をほぼ脱した。

我々が間違いを犯していないとはいわないが、自然災害や不自然な出来事がなければ今期は赤字にはならなかったはずだ。(トップ交代で)経営の方向を変えるのではなく、ギアチェンジして(経営のスピードを)より早める。平井氏は人柄、強い意志、統率力でもソニーのリーダーにふさわしい」

...........

平井氏「今こそソニーのあらゆる力を結集し、未来に向けて成長を遂げなくてはならない。日本のエレクトロニクス産業はデジタル化による商品のコモディティー(日用品)化の中で低迷し、取り巻く環境は非常に厳しいという危機感を持っている。

各担当部門のマネジメントと密接な連携をしながら、迅速な経営判断を行い、CEOである私が責任をもって決定したことは確実に実行する体制を確立したい。本当の意味での“ワン・ソニー”として、スピード感を持ってやっていく」

「エレクトロニクス事業の立て直しでは、次の4点を重点改革としたい。

1つ目はコア(中核)事業の強化だ。デジタルカメラなどデジタルイメージング事業とゲーム事業で首位のポジションを確立して利益を創出していく。ソニーの持てる資産、技術を最大限投入し、ソニーならではのモバイル(携帯端末)商品を開発する。

2つ目はテレビ事業の立て直しだ。韓国サムスン電子と液晶パネル生産の合弁事業を解消したが、(製造設備をできるだけ軽くする)アセットライトを推進し、他社との協業による固定費低減を進める。新商品では独自技術を使ったクリスタルLED(発光ダイオード)や有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)などを開発、発売していく。

3点目は事業ポートフォリオの改革だ。これまでは選択と集中が不十分だった。付加価値を提供できない商品、ソニー単独で成長を図るより他社との協業・統合で成長した方がいいと判断した商品は、撤退や外注化を推進する。

4つ目がイノベーション(技術革新)の加速だ。特に医療事業を将来のコア事業の1つに位置付けている。ソニーが得意とするセンサー、レンズ、ディスプレーなどの技術を内視鏡、X線診断装置、超音波診断装置などに応用し、革新的な商品を創出したい。

社内の経営資源を投入してすばらしい商品を生み出すのが大前提だが、その上でハードとコンテンツ、ネットワークを融合して顧客に“ソニー体験”を提供し、ライフスタイルそのものを変革していく。

痛みを伴う判断を実行することもあるだろうが、臆していては一歩も前に進めない。時間をかける猶予は与えられてない。。。。』


記事が長いので一部割愛しました。ソニーは、平井新社長のもとで、新しい事業展開を行う考えです。
ソニーの最大の問題は、他家電メーカーと同様に多額の赤字状況です。

2012年3月期の連結最終損益が2200億円の赤字になります。最終赤字は4期連続で、テレビ事業の不振に加え、韓国サムスン電子との液晶パネル合弁解消に伴って保有株の減損損失が発生。タイの洪水や円高の影響もありました。

サムスンとの合弁解消で、損失額は634億円。タイ洪水による工場被災などの減益要因は従来250億円と想定していたが、700億円に拡大するとのこと。

サムスンとの合弁解消費用やタイ洪水被災費用は、赤字の要因の一つになりますが、これは仕方がないことです。

最大の課題は、8期連続の赤字が続くテレビ事業です。平井社長がどのようにしてテレビ事業を再生させるのかが新体制の最重要項目であることは間違いありません。

他の家電メーカーもテレビ事業が赤字に陥っています。ソニーも他メーカーと同じように、「テレビは家庭内のエンターテイメントの重要な製品」であるとして、引き続き同事業を継続する方針です。

徹底的な集中と選択で、合理化を行って固定費削減をしないと、価格下落が続いているテレビ事業で黒字化することは難しいです。

しかも、競合先は国内メーカーだけでなく、韓国、台湾、中国勢です。とくにサムスンの勢いは激しく、価格下落の一つの要因になっています。

メーカー数が多いことや価格下落が続く中で、ソニーがテレビ事業をどう立て直して勝ち残っていくか、注目していきます。

集中と選択の過程で大事なことは、合理化によるコスト圧縮と共に、新規事業の早期立ち上げです。平井さんが言われているように、その事業分野では「オンリーワン」になれるようにすることです。

中小企業も新規事業を行う時は、「オンリーワン」になって他社を寄せ付けない圧倒的な強さが必要です。
ソニーのような大手企業も特定分野でオンリーワンになる必要が出てきています。

東芝やパナソニックは、総合家電メーカーの看板の修正を図っており、エネルギーや環境関連事業を強化しています。それらの分野で差別化・差異化を図って収益源にする狙いです。

ソニーの場合は、上記記事をみますと、テレビを除くと携帯端末と医療分野に集中投資して、勝ち残りを図る方針です。

両分野とも既にサムスンやGEなどの強力なメーカーがいますので、それらの強化分野でソニーの強みをどう出していくかが問われます。

ハードウエア、ITを含めたソフトウエアの両面で徹底的に強化する必要があります。
今後のソニーの事業展開を注視していきます。

中小企業にとっても参考になる事業モデルです。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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