金融機関についてのDESの特則 - 事業再生と承継・M&A全般 - 専門家プロファイル

村田 英幸
村田法律事務所 弁護士
東京都
弁護士

注目の専門家コラムランキングRSS

対象:事業再生と承継・M&A

専門家の皆様へ 専門家プロファイルでは、さまざまなジャンルの専門家を募集しています。
出展をご検討の方はお気軽にご請求ください。

金融機関についてのDESの特則

- good

  1. 法人・ビジネス
  2. 事業再生と承継・M&A
  3. 事業再生と承継・M&A全般
債務整理

4 金融機関についてのDESの特則

(1) 銀行法

① 銀行等による議決権の取得等の制限

銀行又はその子会社は,国内の会社の議決権については,合算して,その基準議決権数(当該国内の会社の総株主等の議決権の5%の議決権の数をいいます。)を超える議決権を取得し,又は保有してはなりません(銀行法16条の3第1項)。

  銀行又はその子会社が,担保権の実行による議決権の取得その他の内閣府令(銀行法施行規則17条の6)で定める事由により,国内の会社の議決権をその基準議決権数を超えて取得し,又は保有することとなる場合は,許されます(銀行法16条の3第2項本文)。すなわち,同条項は,許容される例外として,銀行又はその子会社の,その取引先である会社との間の合理的な経営改善のための計画に基づく株式等の取得(当該銀行又はその子会社に対する当該会社の債務を消滅させるために行うものであつて,当該株式等の取得によって相当の期間内に当該会社の経営の状況が改善されることが見込まれるものに限ります。)と規定しています。

ただし,当該銀行又はその子会社は,合算してその基準議決権数を超えて取得し,又は保有することとなった部分の議決権については,当該銀行があらかじめ内閣総理大臣の承認を受けた場合を除き,その取得し,又は保有することとなった日から一年を超えてこれを保有してはなりません(銀行法16条の3第2項但し書き)。この場合において,内閣総理大臣がする同項の承認の対象には,銀行又はその子会社が国内の会社の議決権を合算してその総株主等の議決権の50%を超えて取得し,又は保有することとなつた議決権のうち当該50%を超える部分の議決権は含まれないものとし,内閣総理大臣が当該承認をするときは,銀行又はその子会社が合算してその基準議決権数を超えて取得し,又は保有することとなつた議決権のうちその基準議決権数を超える部分の議決権を速やかに処分することを条件としなければなりません(銀行法16条の3第3項)。

(2) 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律

 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(以下,独禁法と略します。)では,以下のような規制があります。

銀行業又は保険業を営む会社は,他の国内の会社の議決権をその総株主の議決権の5%(保険業を営む会社にあつては,10%。次項において同じ。)を超えて有することとなる場合には,その議決権を取得し,又は保有してはなりません。ただし,公正取引委員会規則で定めるところによりあらかじめ公正取引委員会の認可を受けた場合及び次の各号のいずれかに該当する場合は,この限りではありません。

①   担保権の行使又は代物弁済の受領により株式を取得し,又は所有することにより議決権を取得し,又は保有する場合

②   他の国内の会社が自己の株式の取得を行つたことにより,その総株主の議決権に占める所有する株式に係る議決権の割合が増加した場合

③            金銭又は有価証券の信託に係る信託財産として株式を取得し,又は所有することにより議決権を取得し,又は保有する場合

④   投資事業有限責任組合の有限責任組合員(以下「有限責任組合員」といいます。)となり,組合財産として株式を取得し,又は所有することにより議決権を取得し,又は保有する場合。ただし,有限責任組合員が議決権を行使することができる場合,議決権の行使について有限責任組合員が投資事業有限責任組合の無限責任組合員に指図を行うことができる場合及び当該議決権を有することとなつた日から政令で定める期間を超えて当該議決権を保有する場合を除きます。

⑤   民法667条1項に規定する組合契約で会社に対する投資事業を営むことを約するものによつて成立する組合(一人又は数人の組合員にその業務の執行を委任しているものに限ります。)の組合員(業務の執行を委任された者を除きます。以下この号において「非業務執行組合員」といいます。)となり,組合財産として株式を取得し,又は所有することにより議決権を取得し,又は保有する場合。ただし,非業務執行組合員が議決権を行使することができる場合,議決権の行使について非業務執行組合員が業務の執行を委任された者に指図を行うことができる場合及び当該議決権を有することとなつた日から前号の政令で定める期間を超えて当該議決権を保有する場合を除きます。

⑥   前各号に掲げる場合のほか,他の国内の会社の事業活動を拘束するおそれがない場合として公正取引委員会規則で定める場合

独禁法11条1項1号から3号まで及び6号の場合(同項3号の場合にあっては,当該議決権を取得し,又は保有する者以外の委託者又は受益者が議決権を行使することができる場合及び議決権の行使について当該委託者又は受益者が受託者に指図を行うことができる場合を除きます。)において,他の国内の会社の議決権をその総株主の議決権の5%を超えて有することとなった日から一年を超えて当該議決権を保有しようとするときは,公正取引委員会規則で定めるところにより,あらかじめ公正取引委員会の認可を受けなければなりません。この場合における公正取引委員会の認可は,同項3号の場合を除き,銀行業又は保険業を営む会社が当該議決権を速やかに処分することを条件としなければなりません(独禁法11条2項)。

公正取引委員会は,独禁法11条1項2項の認可をしようとするときは,あらかじめ内閣総理大臣に協議しなければなりません(独禁法11条3項)。この内閣総理大臣の権限は,金融庁長官に委任されています(独禁法11条4項)。

このコラムに類似したコラム

会社法を使ってできる経営承継・相続対策 能瀬 敏文 - 弁護士(2013/11/01 15:14)

ビジネス法務2010年11月号、M&A 村田 英幸 - 弁護士(2013/09/19 09:12)

ビジネス法務2010年11月号、独禁法 村田 英幸 - 弁護士(2013/09/19 09:15)

ビジネス法務2011年6月号、企業結合審査 村田 英幸 - 弁護士(2013/09/12 15:11)