事業承継とM&A(会社分割) - 事業再生と承継・M&A全般 - 専門家プロファイル

村田 英幸
村田法律事務所 弁護士
東京都
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対象:事業再生と承継・M&A

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事業承継とM&A(会社分割)

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2 会社分割

(1)会社分割とは

 会社分割とは,1つの会社を2つ以上の会社に分けることをいいます。会社分割には,分割する会社(分割会社)がその事業に関して有する権利義務の全部または一部を既存の会社(承継会社)に承継させる吸収分割(会社法2条29号)と,分割会社が新たに会社(新設会社)を設立して承継させる新設分割(会社法2条30号)とがあります。   

 個別財産の譲渡行為である事業譲渡とは異なり組織法上の行為で,個々の権利義務についての契約による移転は必要がなく,権利義務は当然に承継されることになるのは合併と同様です。分割の内容をどのようにするかは,分割計画書または分割契約書の内容によって決まります。このことから会社分割の性質は部分的包括承継になります。

(2)手続

 吸収分割の手続は,吸収合併とほぼ同じです。すなわち,取締役会決議(362条4項),株主総会の特別決議(会社法783条1項,795条1項,309条2項12号),会社債権者異議手続(会社法789条1項)が必要になるうえ,反対株主には株式買取請求権が,吸収分割会社の一定の新株予約権者には新株予約権買取請求権が認められます(会社法785条,787条,797条)。ただし,吸収分割会社において,異議を述べることのできる債権者は,吸収分割後,吸収分割会社に対して債務の履行を請求することができない債権者に限られます。

(3)メリット・デメリット

権利移転に個別の処理が不要です。したがって,事業譲渡の場合と比べて手続は簡便といえます。

また,譲渡対価が自社株でよいため,買取資金が必要になりません。

さらに,会社法においては,吸収分割の場合に,吸収分割会社の株主に対して,存続会社の株式を交付せず,金銭その他の財産を交付することが出来るようになりました(会社法758条4号,760条5号)。

 他方,会社分割は,会社の組織運営の根本に著しい変更をもたらす手続であり,株主や会社債権者に重大な影響を与えるのは合併の場合と同様です。そこで,合併と同様の手続が必要になります。したがって,事業をすべて承継させたい場合で株式の全部譲渡が可能であるならば,会社分割によるメリットは少ないといえます。  

売り手において特定の資産を自社に残したい場合や買い手が売り手の一部門のみを吸収したい場合等の限定されたケースに利用することが考えられます。

 なお,会社分割の場合も法律行為によって事業の全部又は一部が承継されるという点において,事業譲渡と変わりがないことから,分割会社の商号を引き続き使用している場合には会社法22条1項が類推適用され,承継会社等が弁済の責任を負います(最判平成20・6・10判時2014号150頁)。

 

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