事業承継と取締役の選任 - 事業再生と承継・M&A全般 - 専門家プロファイル

村田 英幸
村田法律事務所 弁護士
東京都
弁護士

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対象:事業再生と承継・M&A

濱田 浩三
(事業承継アドバイザー(BSA))

閲覧数順 2017年01月20日更新

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事業承継と取締役の選任

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第2 取締役の選任

1 株主総会の決議による選任

 取締役は,株主総会の決議によって選任されます(会社法329条1項)。なお,選任決議の際に,法務省令(会社法施行規則96条)で定めるところにより,役員が欠けた場合または会社法・定款で定めた役員の員数を欠くこととなるときに備えて補欠の役員を選任することができます(会社法329条2項)。

 また,種類株式として,取締役選任権付種類株式(会社法108条1項9号)を発行している場合には,当該種類株主総会により,取締役が選任されることになります(会社法347条)。

 

2 株主総会以外による選任の可能性

 取締役の選任を株主総会以外の機関に委任したり,取締役選任決議の効力を第三者の承認にかからしめることはできるでしょうか。

 会社法295条3項は,この法律の規定により株主総会の決議を必要とする事項について,取締役会その他の株主総会以外の機関が決定することができることを内容とする定款の定めは効力を有しないことを規定しています。したがって,取締役の選任を株主総会以外の機関に委ねることはできません。

 株主総会による選任決議の効力を第三者の承認にかからしめることができるかについては,取締役の選任等の株主総会決議の効力の発生を県知事の承認にかからせる旨の定款の規定は無効であると判示した裁判例(東京高決昭和24・10・31高民2巻2号245頁)もあり,否定説も有力ですが,会社法295条3項は,株主総会以外の機関に対し株主総会の決議事項の決定権限を委譲する定款の定めの効力を否定するにとどまると解され,株主総会が決議する限り,決議の効力を第三者の承認にかからしめることも認められるものと考えられます(江頭憲治郎『株式会社法第3版』297頁,相澤哲・葉玉匡美・郡谷大輔『論点解説 新・会社法』266頁)。

 

3 取締役選任の効果発生時期

 取締役選任の効果が発生するためには,株主総会の決議のほかに,会社と被選任者との間において任用契約の締結を要するものとされ,株主総会の選任決議に基づく代表機関の就任申込みと,これに対する被選任者の承諾によって成立するものと解されています(監査役に関して,最判平成元・9・19判タ732号194頁)。

 もっとも,実務では取締役候補者と会社との間で,あらかじめ株主総会において選任決議が成立することを条件とする任用契約がなされている場合も多く,その場合には,選任決議と同時に選任の効力が生ずることになります。

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