欠陥住宅 - 欠陥工事・建築紛争 - 専門家プロファイル

村田 英幸
村田法律事務所 弁護士
東京都
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対象:住宅・不動産トラブル

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欠陥住宅

 

Q 欠陥住宅被害の現状と救済方法を教えてください。

 

1.欠陥住宅被害の現状

 欠陥住宅被害は、重層的な下請け構造に起因していると言われています。すなわち、消費者が住宅を購入する場合には、大手住宅会社と契約を締結しますが、実際の施工を担当するのは、各地の工務店やその孫請け工務店であるのが通常です。こうした場合、住宅会社を頂点とした各階層で受注代金から利益を差し引いていくため、直接施工する業者ほど原価の切詰めを余儀なくされることとなっています。

 これに対して、消費者にとっての住宅購入は、一生に何度もあることではないため、住宅という商品に対する知識も十分でありません。

 結果として、原価の切詰めや無理に短く設定された工期を守るため、消費者にとって容易に発見できない基本構造部分(基礎、柱、床、等)において欠陥被害が発生することになります。住宅欠陥被害は、このような住宅販売をめぐる業界構造にあるといえます。

2.救済方法

 新築住宅を注文した場合で(請負)住宅に欠陥があるときは、消費者は、請負人たる業者に対し、相当の期間を定めて、その瑕疵の修補を請求することができ、また、損害賠償の請求をすることもできます(民法634条1項2項)

 また、建売り住宅を購入した場合で(売買)住宅に欠陥があるときは、消費者が欠陥の存在を知らず、かつ、このために契約をした目的を達することができなければ、消費者は、契約の解除をすることができます。この場合、契約の解除をすることができないときは、損害賠償の請求のみをすることができます(民法570条)。

 民法では、上記の請求は、目的物である住宅の引渡しを受けたときより1年以内にしなければなりません(民法637条1項)。しかし、住宅の欠陥は、一定期間経過しないとわからないものが多く、1年という期間はあまりに短いものでした。

 そこで、平成12年に施行された住宅の品質確保の促進等に関する法律では、この期間を次の通り延長し、消費者の保護を図りました。

 まず、新築住宅の取得契約(請負/売買 平成12年4月1日以降の契約)において、基本構造部分(柱や梁など住宅の構造耐力上主要な部分、雨水の浸入を防止する部分)について10年間の瑕疵担保責任(修補請求権等)が義務づけされました(住宅の品質確保の促進等に関する法律94条1項、95条1項)。対象となる部分は、新築住宅の基本構造部分である基礎、柱、床、屋根等であり、請求できる内容は、修補請求、賠償請求、契約解除(売買契約の場合で修補不能な場合)です。これらに反し住宅取得者に不利な特約は設けることができません(住宅の品質確保の促進等に関する法律94条2項、95条2項)。さらに、基本構造部分以外も含めた瑕疵担保責任については、特約を結べば20年まで伸長可能になりました(住宅の品質確保の促進等に関する法律97条)。

 以上のほか、住宅の性能を契約前に比較できるように新たに性能の表示基準を設定したり、性能を客観的に評価する第三者機関を設置したりています。また、裁判外の紛争処理体制(住宅紛争処理支援センター、指定住宅紛争処理機関)も整備されました。

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