事業承継と人事・労務(労働法、会社法)問題の所在 - 事業再生と承継・M&A全般 - 専門家プロファイル

村田 英幸
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東京都
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対象:事業再生と承継・M&A

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閲覧数順 2016年12月02日更新

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事業承継と人事・労務(労働法、会社法)問題の所在

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第4部 事業承継と人事、労務

第1章 問題の所在

第1 経営陣と会社との法律関係について

 事業承継の際に,経営陣である先代社長のブレーンと後継者との関係がうまく行かない場合があります。この先代社長のブレーンとは,会社の役員である取締役,監査役が一般的に想定されますが,取締役,監査役でなくとも従業員の代表的な立場としてあるいは番頭として会社の重要事項の決定に関わっている場合もあります。

 取締役や監査役といった会社役員と会社との関係は委任に関する規定に従います(会社法330条)から,民法の委任の規定(民法643条以下)および会社法の規定が問題となります。

 これに対して,会社の従業員であれば,会社との関係は雇用契約となりますから,原則として,民法の雇用に関する規定(民法623条以下)の適用を受け,なおかつ,それが労働契約といえるのであれば,労働契約法,労働基準法等の労働法の適用を受けることになります。

 労働契約と雇用契約も基本的には同一の概念とみることができるとされます(菅野和夫『労働法第9版』74頁)。

しかし,労働契約に該当するか否かの判断は,契約関係の実態に即して判断されますから,契約書の文言が委任契約や請負契約となっていても労働契約であると判断すべき場合があります。この場合,上述の通り,労働契約法,労働基準法等の労働法の適用の問題となります。

 労働契約については,「当事者の一方が相手方に使用されて労働し,相手方がこれに対して賃金を支払うことを合意する契約」と定義され(菅野和夫『労働法第9版』73頁),この実態があるかどうかが問題となります。

 中小企業においては,役員とはいえ,その労働の実態は他の従業員と何ら異ならない場合も少なくないと思われ,この場合,役員とはいえ,労働法の適用が認められることになります。また,そもそも従業員兼務役員として勤務している場合には,役員としての側面については民法の委任の規定(民法643条以下)および会社法が,従業員としての側面については労働法の適用が問題となります。

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