- 村田 英幸
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対象:事業再生と承継・M&A
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6 取得請求権付種類株式
(1)概要
株主が会社に対してその取得を請求することができる種類の株式をいいます(会社法108条1項5号)。この内容を全部の株式の内容として定めることもできます(会社法107条1項2号)。この場合,種類株式ではありません。
(2)事業承継との関係
4で説明した議決権制限種類株式を導入した場合,かかる株式を取得した者に不満が生じるおそれがあります。そこで,このような不満を解消するために,議決権を制限する代わりに取得請求権を与えることが考えられます。
しかし,取得請求権をつけた場合,後に取得請求が相次ぐことにより,会社の運転資金に支障が出るおそれがあることに注意が必要です。
(3)導入方法
取得請求権付種類株式を新たに発行する場合には,発行可能種類株式総数および以下の事項を定款に定めることが必要です(会社法108条2項5号イロ)。
(ⅰ)株主が当該株式会社に対して当該株主の有する株式を取得することを請求することができる旨 (ⅱ)株式一株を取得するのと引換えに当該株主に対して当該株式会社の社債を交付するときは,当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法 (ⅲ)株式一株を取得するのと引換えに当該株主に対して当該株式会社の新株予約権を交付するときは,当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法 (ⅳ)株式一株を取得するのと引換えに当該株主に対して当該株式会社の新株予約権付社債を交付するときは,当該新株予約権付社債についての当該社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額又はその算定方法及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権についての当該新株予約権の内容及び数又はその算定方法 (ⅴ)株式一株を取得するのと引換えに当該株主に対して当該株式会社の株式等(株式,社債及び新株予約権をいう。)以外の財産を交付するときは,当該財産の内容及び数若しくは額又はこれらの算定方法 (ⅵ)株主が当該株式会社に対して当該株式を取得することを請求することができる期間 (ⅶ)株式一株を取得するのと引換えに当該株主に対して当該株式会社の他の株式を交付するときは,当該他の株式の種類及び種類ごとの数又はその算定方法 |
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