マルチ商法、内職商法、モニター商法 - 消費者被害全般 - 専門家プロファイル

村田 英幸
村田法律事務所 弁護士
東京都
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対象:消費者被害

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マルチ商法、内職商法、モニター商法

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マルチ商法、内職商法、モニター商法

 

Q マルチ商法、内職商法、モニター商法の問題点と対処法を教えてください。

 

1 マルチ商法 

 マルチ商法とは、商品やサービスの会員兼販売員として個人を勧誘し、その個人に商品やサービスを販売させるとともにさらに他の人を会員兼販売員に勧誘することを繰り返しながら販売網を拡大していく販売方法のことをいいます。知人や同僚等の私的な関係を通じてその裾野を広げていくものが多いのが特徴です。特定商取引法では「連鎖販売取引」という文言で規定されています(特定商取引法33条)。

 連鎖販売取引には、取引の公正を確保するために、①勧誘に先立って、事業者の氏名や販売目的等を明示すること(特定商取引法33条の2)、②契約締結前に概要書面を、契約締結時には契約書面を交付すること(特定商取引法37条)等が義務付けられています。さらに、③不実の告知等の不公正な手法で消費者に契約締結を強制すること(特定商取引法34条)、④誇大広告(特定商取引法36条)、⑤承諾をしていない者に対する電子メール広告の提供(特定商取引法36条の3)等が禁止されています。まずは、これらの規定に違反するような事実がないか確認することが必要です。また、事後的対処方法として、既に触れたクーリング・オフの行使によるのが効果的です。

 

2 内職商法・モニター商法

 内職商法とは、求人雑誌や電話勧誘等で「自宅で高収入」等の甘い勧誘文言で、業務上必要だとして、高額な教材費や講習代やパソコン代等を支払わせる商法のことをいます。また、モニター商法とは、モニターになると商品が安くなる、モニター料といった名目で収入を得られるといった勧誘を行なう商法のことをいいます。いずれも販売目的物が高額であるうえ、商品代金支払いのためクレジット契約を締結させるものが多くあります。そして、前者では、実際には仕事を斡旋してくれなかったり、後者では、業者が倒産してモニター料の支払いが止まったりして、クレジットの支払義務だけが残るという被害が生じています。法律上は、両者を「業務提供誘引販売取引」という文言で規定されており(特定商取引法五章)、前記マルチ商法の義務規定①②や禁止規定③④⑤と同様の規制があります(特定商取引法51条の2以下)。

対処方法としては、クーリング・オフに加えて、民法上契約の詐欺取消しをする余地があります(民法96条1項)。契約が取り消されても、クレジットの支払義務は別に残りますので、クレジット会社に対して、支払わないとの抗弁を主張するとよいでしょう(割賦販売法30条の4第1項)。

 

 

 

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