日経記事;NEC業績回復の道見えず 売上高4兆円撤回 に関する考察 - 各種の事業再生と承継・M&A - 専門家プロファイル

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日経記事;NEC業績回復の道見えず 売上高4兆円撤回 に関する考察

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経営戦略 集中と選択;事業撤退

皆様、
おはようございます。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

1月27日付の日経新聞に、『NEC、業績回復の道見えず 「売上高4兆円」撤回』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主内容は以下の通りです。

『NECが26日、グループ社員5千人の削減を発表した。2009年に計2万人規模のリストラを実施した後も、事業環境の悪化に歯止めがかかっていない。コスト構造に再びメスを入れて着実に利益を出せる体制とし、企業向けのIT(情報技術)サービスやエネルギーなど4分野を柱に巻き返しを狙うが、前途は楽観できない。

グループ社員約5千人を削減するのに加え、システム構築の下請け会社などに継続的に外注していた5千人分の業務委託を打ち切り内製化する。これにより、委託コストの削減と社員の有効活用が可能になると見込んでいる。

「今の実力から見て、(12年度に)4兆円の売上高を達成するのは不可能だ」。NECの遠藤信博社長は26日の会見で、今回のリストラを「苦渋の決断」と表現。2年前に策定した中期経営計画で自ら掲げた「売上高4兆円」という目標を事実上、撤回した。

一方、今後注力する分野を(1)企業向けシステム構築などITサービス(2)通信関連(3)社会インフラ(4)電池などのエネルギーの4事業に絞り込むと強調。欧州の財政危機など外部環境が不透明ななかでも「安定して5%の売上高営業利益率を確保する」と述べ、「売上高」から「利益」に経営の力点を移す方針を強調した。

今期のNECの利益率は2.3%の見通し。過去5年をみても最高は3.4%で、米IBMの約19%(11年10~12月期の売上高に占める純利益の比率)に遠く及ばない。低収益が続く主要因として、事業構造の問題が挙げられる。

今期の利益率見通しを事業別にみると通信関連が8%、ITサービスが4%と安定している。半面、携帯電話端末関連が0.1%、サーバーなどIT機器が1.3%と、これらが全体の利益率を押し下げている。

過去も競争力が低下した半導体やパソコン事業が他部門の稼いだ利益を食いつぶすなど、常に不振事業に振り回されてきたのが、この十数年のNECの歴史だ。昨年、パソコン事業を中国のレノボ・グループと統合。09年には不採算事業を中心に2万人の人員を削減するなど、近年ようやく事業再編を加速してきた。

10年に就任した遠藤社長は今回、一段のリストラによりコスト構造を見直し、ITや通信といった主力事業に注力できる体制とする。ただ、回復軌道に乗れるかどうかは不透明だ。

企業向けのITサービス分野では、ネットワーク経由でシステムを安価に使うクラウド・コンピューティングが普及。NECも人員や投資を集中させるが、同分野では専業の米セールスフォース・ドットコムや国内最大手の富士通などとの競争が激しい。

「本業で利益をきちんと出せなければ、将来必要な技術や人材に投資できない。そうなればじり貧だ」。遠藤社長は、今事業改革をしなければ「NEC全体が立ちゆかなくなる」と危機感をあらわにする。

ただ、度重なるリストラで事業を絞り込んできたNECにとって、もう切り離す事業部門はほとんど残っていない。ITと通信という“本丸”で競争力を高めなければ、退路はないというのが現状だ。』


今回の記事は、NECが更なる「集中と選択」の実施について書いています。NECもかっては東芝、日立などと同様な総合家電・IT企業でした。

1999年以降、幾つかの「集中と選択」を行ってきましたが、今回、収益率の向上を目指して事業分野を再整理することを発表しています。

私も幾つかの「集中と選択」を体験してきました。その経験をもとに言いますと、効果的な「集中と選択」を行うには、けれんみなく明確な合理化・将来の採算性基準を物差しにして、短期間に行うことです。

この時大事なことは、自社事業にとってコア技術の再確認です。他社に対して差異化・差別化を行えるコア技術ががどこに、どのような形であるかを見極めることです。

目先の短期的なコスト圧縮のために、コア技術であるにもかかわらず、今まで蓄積してきた開発ノウハウや技術者を捨ててしまうことは、愚の骨頂です。

「集中と選択」を確実に合理的に行う場合、大事なことは、当面の高いコスト構造を分析し効果的にリストラする部分と、同時に。技術の目利きが出来る技術者を中心に、自社の強みを再確認して将来の事業基盤のあり方を明確化することです。

しょうしょう極論を言いますと、当面の合理化は誰でも出来ます。過去から現在までの売上・コスト・利益構造と、競争力、市場動向などをみて判断すれば、合理化対象かどうか見極められます。

いわゆる「コストカッター」が活躍する場面です。

短期的なコストカットを優先しすぎると、大事なコア技術まで失うリスクがありますので、バランスを取ることが大事です。

NECの場合、コストカットのために、人件費を圧縮しながら、今まで外部に委託していたシステム構築業務を内製化するようです。

このときに重要なことは、本社の技術者が外部委託していた以上の質とコストを持って、システム構築業務を内製化することです。

外部委託していたのは、それなりの理由があるはずです。内製化してコストが上がり、効率が落ちるのでは顧客からの信頼を失います。勿論、NECはこのようなリスク対策を十分に行うでしょう。

NECは、今後(1)企業向けシステム構築などITサービス、(2)通信関連、(3)社会インフラ、(4)電池などのエネルギーの4事業に絞り込むとしています。

自社の強みや市場の将来性などを検討して決めたと推測します。
これらの4事業での強みを最大化して、高収益企業になることを期待します。

今後のNECの動きに注目していきます。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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